前回投稿した記事では、やみくもに英語の勉強を始めるよりは効果的な勉強方法をまず勉強したほうが良い、といったことを書きました。読んでくれた方はもう自分に合った英語の勉強方法が見つかったでしょうか?すでに見つけて実践しているでしょうか?まだ見つかってない人、まだ探し始めていない人もいると思いますが焦らずに自分の納得のいく勉強方法をさがしましょう。
今回は僕がある学習方法をもとにして自分なりに改良、変更して実践したものを紹介しようと思います。この記事ではあまり詳細に書かずに全体の流れを書いていきます。
記事の内容
学習全体の流れ
ここで紹介する勉強方法は、僕がいろいろな勉強方法を勉強してそれを実践しながら変更していったものです。
僕の最終的な目標はTOEICやIELTSSでいい点を取ることでもただ英語がうまくなりたいというものではなく、”海外でエンジニアとして就職、移住し、英語を使っていろいろな国で生活して自分に合った国を見つける”ことでした。この勉強方法は同じように海外移住や就職をしたいと思っている人にとって必要な英語力をつける役に立つと信じています。
大まかな学習の流れは以下のようになっています。
- 発音から上達させる(最高に楽しい)
- 意識するところを抑えてリスニング(理解できるものから少しづつ)
- スピーキングは相手を探し、恥ずかしがらずに(一喜一憂)
- 単語とリーディングはセットでこなす(苦しくも役に立つ)
- 文法は参考書で、実践を意識して勉強する(すごく大事)
- イディオム(これ無しではつらい)
- 英英辞書を使う(いわゆる英語脳を作る一歩)
- Synonym(ついでに覚えよう)
- インプットはすぐにアウトプットして試す(どんどん間違えよう)
- 英語で考え、思考する(本気度が試される)
- ライティングは理解、実践、添削(とても難しく重要で日本語の勉強にもなる)
- よく寝るとよく覚える(脳の学習と記憶メカニズム)
- 日本語を使う、日本語で考えるスキをつくらない(さらに本気度が試される)
リストにすると順番があるように見えますが、発音を最初に勉強する以外はほぼ同時期に始めて、焦らずに少しずつ積み上げていくという流れです。なぜかというと、各項目で新しいことを学ぶ(新しい単語や文法など)ことになるので視覚と聴覚の両方を使い、視覚で得たことを聴覚で応用するなどといった方法で学んでいくと記憶にとどまりやすいからです。
この記事では発音、リスニング、スピーキングの学習方法について簡単に解説していこうと思います。もっと具体的で詳細な解説は別記事にまとめようと思います。
まずは発音から
もしあなたが何らかの目標において他者と英語で会話をする必要があるのであれば、発音はかなり重要です。とくに普段から英語を話せるようになる必要がある、といった人はここを絶対に無視してはいけません。
発音が悪いと困ること
なぜ重要なのかは日本に住んでいる限り理解しずらいのかもしれません。僕は語学研修、語学留学、大学院留学、海外での職探し、海外就職、移住といろいろとやってきて、ここははっきりと言えます。発音がひどいと、さまざまのような問題に直面します。
* 話し相手が理解してくれない
* 何度も何といったのか聞き返される
* 話すのがお互いに億劫になってくる
* 疎遠になる
* 自分に自信がなくなる
* 日本人としか話さなくなる
* 英語学習の意欲が下がる
発音は大切だと頭ではわかっていながら勉強しない、もしくは勉強するが不十分な人が多いです。いままであった人の中で、きちんと勉強し上達させた人はおそらく1人といたかもわからないほどに発音は軽視されています。重要かどうか理解しにくいと同時に心理的な壁もあるのだと思います(僕自身も発音の練習が恥ずかしいと思い込んでいました)。
発音の勉強は簡単
いろいろと書きましたが、発音の勉強はやってみるととても楽しいしものです。その理由をいくつかあげると
- ほかの能力に比べて上達が圧倒的に早い(いわゆる自己完結するPDCAを早く回せる)
- 自分の成長が手に取るようにわかる(発音すれば自分で聞こえる)
- 英語についての理解が深まる(日本語との違いを理解し、楽しめる)
- 最も低コスト、短期間で成長させられる(コスパがいい)
- 他の大多数の日本人から一線を画す(自分に自信がつく)
- 発音の上達はほかの能力の成長を加速させる(すべての能力は繋がっているが、発音は他の能力の基礎ともいえる)
以上が発音の勉強を最初にすることをオススメする理由です。
具体的な勉強方法
僕が行った発音の勉強方法は以下のようなものです。
- イラストと解説がついた参考書を使う
- 発音記号とその発音方法を学ぶ(正しい舌、歯、唇の位置や息の仕方を理解する)
- 発音記号単体で発音を練習しマスターする(正しい発音方法を練習して自然にできるようにする)
- 発音記号2つの組み合わせを練習する(音の変化に対応する舌や歯の移動などのテクニックを練習する)
- 単語の発音の練習をする(母音と子音の組み合わせで練習する)
- 単語2つの組み合わせを練習する(音のつながりを練習する)
- 1文をゆっくり正確に発音する
- さらに長い文章で練習していく
この方法は一見基礎の基礎にまでさかのぼっていて、時間がかかるように思えます。しかし基礎から学び直すことで1-3か月ほどでかなりの成長が見込めます。
発音記号一つ一つの練習は恐らく小学校で習っていると思いますがあまり役に立っていないと思います。図解がある参考書を薦めましたが、これがとても重要になります。正しい発音の仕方というのは言葉のみで説明するのがとても難しいのですが、図があればかなり理解しやすくなります。
まずは発音記号単体での発音練習でいかに自分の発音がおかしいか気づけるはずです。そして図解されたとおりに口のパーツを正しく使い、正しく息を吐ければかなりネイティブに近い音を出せるはずです。
ほとんどの日本人は日本語の発音記号をアルファベットにあてているせいで、正しい英語の音を出せずにいます。これを矯正するには発音記号単体から練習しないと、上達させるのは難しいです。
発音記号単体での発音が身に付いたら、それからは少しずつ発音する対象を長くしていきます。いきなり単語を発音しようとせずに、発音記号2つをペアで発音していきます。多くの音を出そうとすれば(単語3つなど)、うまく発音するのが難しくなるのがわかるとおもいます。そういったときは焦らずにゆっくり発音するようにしよう。
発音のさらに詳細な勉強方法は以下の記事を参考にしてください。
リスニング
次にリスニングの勉強方法についてのポイントを簡単に解説していきたいと思います。
日本語に訳さない
まず一番大切なポイントとして日本語に訳して理解しようとしないことです。これは通訳になるための練習にはいいのですが、英語で会話をしたい人には向いていません。なぜならば
- 処理速度が遅すぎる(理解する間に次の文が始まってしまう)
- 頭で翻訳する癖がついてしまう(ほかの能力の成長も阻害することになる)
英語の勉強をするときは英語で思考できるようになるまでがつらいですが、そこを乗り越えられればリスニングだけでなく他の能力も上達のスピードが速くなっていきます。まずは絶対に日本語に訳さないことを意識してください。
どうやって勉強すればいいのか
どういった方法で勉強するべきかについて以下のようにまとめました。
- リスニング教材で問題を解いていく
- 教材は英語のみで日本語がないものを使う
- 難しい、わからないことがあれば、スロー再生やスクリプトを読めるようなものがよい
- ドラマやニュースはお勧めしない。多くの場合難易度が高すぎる。スクリプトを読んでばかりいたらリーディングの勉強になってしまう
- 頻繁にわからないところがあるならば、難易度をさげよう(8,9割は理解できる教材を使う)
- 聞くときに発音に意識を向ける(発音を勉強した後ならば、似た音の聞き分けや連続した音の聞き取りがうまくなっているはずです。)
こういった点を踏まえて、まずは教材を探してみるところから始めましょう。僕のおすすめのものは別の記事にまとめる予定です。
さらに詳細なリスニングの勉強方法は↓の記事にまとめましたので、よければ参考にしてください。
英語のリスニングがうまくなるにはどんな勉強方法が効果的か解説します
スピーキング
英語で話す際の心構え
おそらくスピーキングは日本人が一番苦手にしているとおもいます。スピーキングは人と話す必要があるので、まずは勉強を始める前にスピーキングにおけるマインドセットをみにつけるようにすると効果的です。
- 日本語発音(カタカナ発音)はとても恥ずかしい
- あなたのちゃんとした英語の発音を笑う人がいても無視しよう
- 早く話さなくていい
- 早くて発音がひどい(カタカナ発音など)のは最悪で相手にまた話したいとは思ってもらえない
- 流暢に話そうとするよりも、一語一句確実に正しく発音しながら話すと相手に喜ばれる
- あなたの間違いを指摘してくるのは日本人だけ(唯一英語で話さない相手)で誰も気にしてない
- スピーキングにおいて多少の間違い(文法など)は間違いのうちに入らない。
- 自分がゆっくりとしか話せないせいで相手が嫌な態度をとってきたら、そういった人は放っておいてもっといい人(someone patient)を探そう
- スピーキング上達にネイティブの友人はいなくても大丈夫です。むしろネイティブレベルとの会話はかなり難しいので上達してからでよい
- スピーキングはすぐには上達しない。昨日はうまく話せたと思っても次の日全然だめだったなんていうことはよくおきる。根気と継続が大切。
たくさん書きましたが、まずはスピーキングのための心構えを持たないと練習をしても上達しにくくなります。
例えば流暢に話せるようになりたいからと言ってとにかく速く喋ろうとする人がいます。確かにそういった練習も時には必要ですが、まずは会話の中で正確に発音できることのほうが大切です。いくら速く話しても発音が間違っていたり不正確だと相手が理解できません。あくまでも相手に言いたいことを伝えるのがスピーキングの目的です。
他にも、人前でのスピーキングは恥ずかしいと思う人が多いと思います。しかし発音がいいとスピーキングの自信につながり、相手も理解してくれるので話す自信がついてきます。
学習・練習方法
さて、実際にどのようにスピーキングの学習・練習をしていけばいいのか以下のようにまとめます。
* 実際に英語で人と話す、話す人を見つける(日本人も含めて)
* 自分のペースで話せる相手、もしくは集団と話す
* 毎日英語で話せる環境を作る
* 日本語で考えずに英語で思考しながら話す
* リスニングがうまくいかなければ、きちんと聞き返す
* 使えるパターンや常套句をあらかじめ準備、練習しておく
* 文法に気を取られず、しかし発音に気を付け、とにかく話す
* 人と会話するときの流れやテクニックを身に着ける
より詳細な勉強方法は別の記事にまとめますが、基本的には会話しやすい相手を見つけて、いくつかのパターンをあらかじめ準備しておくとうまくいきやすいです。精神的な負担も減らせるので、話しつつ自分のスピーキング力を確認しながら練習しましょう。
スピーキングは応用ですので、学んだ知識(単語・文法など)を実際に使うチャンスです。まずは気負わずに話せる人や場所をさがして、毎日英語で話せる環境づくりをしましょう。
詳しいスピーキングの勉強方法は↓の記事にまとめましたので参考にしてみてください。
英語でうまく話せるようになるには:スピーキングの勉強方法を詳細に語り尽くす
おわりに
一つの記事をあまり長くしたくないので、今回はここまでにしておきます。英語学習の全体の流れと重要なポイントを僕の経験と実践を元に紹介しました。
発音、スピーキングとリスニングについておおまかな学習方法や心構えについて紹介したが、それぞれの詳細は今後個別の記事に書いていきます。
次回は単語、リーディング、文法について簡単に解説したいと思います。
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