英語を勉強するためのマインドセット第3回目になります。今回解説していく考え方や心構えは以下のとおりです。
- 英語脳を作っても日本語はどうせ忘れない
- 速さよりも正確さに価値を見出そう
- アメリカ英語とイギリス英語どちらを勉強するべきか?そんな些細なことは気にしなくていい。
- 英語圏では黙っていると見下されがち
こういった考え方をもとにして英語の勉強の仕方や練習方法をより効果的なものにしていきましょう。それではひとつひとつ見ていきます。
記事の内容
英語脳を作っても日本語はどうせ忘れない
英語の勉強をしていく過程で英語脳をつくり、日本語を使わなくなってしまうと日本語を忘れてしまうのではないか。そう疑問に思っている人もいるかもしれません。
いくら普段英語しかつかわなくなっても日本語が使えなくなるというほど忘れてしまうといったことはありません。多少の言い回しや単語を忘れることは確かにありますが、学べる英語のほうが相対的にみて圧倒的に多くなります。
僕はいわゆる英語脳をつくりあげてかれこれ10年ほど海外で生活していますが、日本語が使えなくなるようなことはありません。普段から英語でコミュニケーションする態勢になっているので、こうやって日本語で作業するときにもつい英語で考えてしまいますが、日本語を使うことに支障はありません。
英語の勉強をしすぎて日本語を忘れることを心配しているようならば、安心してください。
速さよりも正確さに価値を見出そう
英語を早く話せる人をかっこいいと思うでしょうか?確かに早く話せることは強みではあるのですが、そんなに重要なスキルではありません。いくら速く話しても相手が理解できなかったり中身がないと何の意味もないからです。
速くて不正確な英語の問題点
世界各国から来た人たちのいろんな英語を聞いていると人によって話すスピードに差があります。たとえばインドなどでは英語が一般的に話されている地域もあるため、流暢に話せる人が多いように思います。ヨーロッパや南アメリカあたりからの人たちも話すのが割と上手い人が多いです。それに比べて東アジアや中東出身の人たちは比較的話すことが苦手で速く話すのにも苦労しているように思います。
しかし話した内容が相手に伝わるかどうかは速さとは関係ありません。場合によっては遅いほうがいいくらいです。たとえばものすごく速く話してきてさらに強い訛りがある場合は理解することがかなり困難になります。もしくは文法がめちゃくちゃでその上さらに速く話されると、同じように理解するのが困難になります。
個人的な経験からも無理に早く話そうとしてよかったことはほぼありません。速く話そうとするあまりに以下のような問題がおきて相手に理解してもらえなくなります。
- 発音がおろそかになる
- 文法を間違える
- 論理性が下がる
結果的に言っていることが相手に伝わらなくなってしまいます。
遅くてもいいので正確な英語を使う
相手に理解してもらうためにゆっくりと正確に英語を使うようにしましょう。とりあえず発音さえしっかりとして単語を並べていけば、何を言いたいのか理解してもらいやすいです。
そこに正しい文法などが加われば相手は大体言っている事を理解してくれると思います。残りは話の論理性や事前知識の有無などによって左右されますが、それは英語の能力とは言えないので他で養っておく必要があります。
ネイティブも相手の言っていることが理解できないと場が悪く感じてしまいます。しかし発音がきれいな人は往々にして喜ばれる事が多いです。
たまに話すスピードが遅いと無視したり話すのを嫌がる人もいるのは事実です。しかしそういう人は放っておきましょう。外国人に理解のある器の大きい人と友達になればいいだけです。
スピーキングにおける速さは特定のフレーズを何度も話すことによって鍛えられていきます。結局はよく使うフレーズを組み合わせてそれを言っているだけです。それに慣れるには時間がかかりますが、そのために発音と文法をないがしろにすると、理解不能な英語を速く話してくる有難迷惑な人になってしまいます。
慣れるまでは意識して遅めに話し、その代わりしっかりとした発音・文法ができるようにして練習すると効果的です。
Sydney Opera House
アメリカ英語とイギリス英語どちらを勉強するべきか?
英語の勉強をするときにアメリカ英語がイギリス英語かで悩む人も多いと思います。結論から言うとどっちでもいいと思います。その理由は
- ひとつできればどちらの人とも問題なくコミュニケーションできる
- 後から修正できる
- そもそも違いがわかっているか怪しい
ただし特定の国への留学や移住などを考えているならば、その目的地の英語に合わせるのが無難でしょう。
正直どちらの英語でも生活に支障はないでしょう。僕はオーストラリア英語(ほぼイギリス英語)を使いますが、カナダに旅行して現地の人たちと話してみてまったく問題なくコミュニケーションがとれました。向こうの人は僕の英語がイギリスもしくはオーストラリアだというのがすぐにわかったようですが、何の問題もなく会話することができました。
実は僕は最初にアメリカ英語で勉強していました。その途中でオーストラリアに行くことに決めて、発音をアメリカからイギリス英語に矯正していきました。はじめに発音の練習したときと同様にイギリス英語の発音を練習することで何の問題もなく矯正できました。
僕はイギリスとアメリカ英語は大差ないと思っています。いくつかの発音、単語、スペルなどに違いがありますが、これは上級者になってから考えればいいような小さな問題でしかありません。
日本学校教育では基本的にアメリカ英語で勉強すると思いますが、イギリス英語が混じっていることも多々あります。たとえば hot や news をイギリス英語で発音してたりします。発音に関して言えばこんなことは大きな問題ではなく、日本語の音で発音することがそもそも問題なのですが・・・
似たように単語の違いも些細な違いでしかありません。trouser だろうが pants だろうと lift でも elevator でもみんな理解してくれます。意思疎通できれば十分なのです。
ほとんどの初学者はイギリスかアメリカ英語かという話以前の問題なので、そういった心配をする必要はまずありません。日本人の英語力からするとあまりにも些細なことといえるので、好きな方を選べばいいと思います。
英語圏では黙っていると見下されがち?
オーストラリアに住んでいてつくづく思うことは、黙っているとみるみる評価が下がっていくことです。これは学業や仕事だけではなくて、普段の生活でもそうです。英語圏というよりも西洋系の考え方だと思いますが、何も言わないと何も考えていない・自分の意見を隠す人だと思われようです。
日本人の考え方では話を聞く人が好かれたり、自分の意見を言わずに場の雰囲気を壊さないようにするために消極的になることが多いです。こういった態度は残念ながら英語圏の人間には受け入れられないようです。
個人的な経験で記憶に残っていることですが、大学でのグループワークで特にそれを思い知ることになりました。大学の課題を6,7人のグループ(自分以外全員オーストラリア人)で取り掛かるときにあまりの会話の速さに発言できずにいると、いないものとして扱われました。特に入学仕立ての頃はきつかったのを覚えています。何を言ってるか理解できないせいで何も言えないし、自分だけ分かっていないからといって会話をさえぎることに抵抗がありジレンマに陥っていました。
仕事においても何も言わない人は評価されないことが多いです。逆に質問、意見、提案などをするとそれだけ注目されたり質問されるようになります。何も言わない人は何も考えていない人だと思われてしまうので、そのせいで悪く見られてしまうことはよくあります。
どう振る舞えばいいのか
自分から発言するようにするのはいいのですが、実際にネイティブのグループにいるとそれが難しかったりします。経験としては、少しでもわからない事が出てきたらすぐに質問するのがいいと思います。
これによっていったん会話を止めて自分が理解できるチャンスをつくれるし、質問することで少なくとも会話に参加しようという意思表示ができるからです。わからないまま先に進むともっと分からなくなり、何を質問すればいいかも分からなくなってしまいます。
まずは質問からはじめてそれから自分の意見を言えるように積極的に練習していきましょう。
おわりに
今回は以下のマインドセットについて解説しました。
- いかに英語脳をつくって英語しか使わなくとも日本語はどうせ忘れない
- 英語の速さよりも正確さに価値を見出そう
- アメリカ英語とイギリス英語どちらを勉強するべきか?そんな些細なことは気にしなくていい。
- 英語圏では黙っていると見下されがちなので積極的に発言しよう
こうしたマインドセットは英語の勉強や練習をするうえで大切な考え方になります。英語を学ぶことはそれと同時に文化を学ぶことにもなるので、そういう意味で英語圏のマインドを知ることも大事なことだと思います。そうしないと、英語を話しながら日本文化を体現するといういびつな状態になってしまったり、現地の人とうまくコミュニケーションできなくなるかもしれません。
そのほかの英語学習の心構えは別の記事にまとめてあります。興味があればぜひ読んでみてください。
Harbour View (Bergen, Norway)