僕も英文法の勉強を始めたころには解説を読んでもいまいちわからなかったり、昨日学んだ文法をすぐに忘れたりと散々でした。同じような悩みを持っている人の手助けになれるように記事を書いていきます。
この記事では以下を目標にしています。
- 文法を理解できない・忘れてしまう理由5つがわかる
- 勉強方法を改善するヒントを得られる
それでは始めていきましょう。
記事の内容
英文法がわからない理由
まずはなぜ英語の文法がわからないのか、3つ理由を見ていきます。
- 英文の区切りが見えていない
- 日本語の語順で英語を見ている
- 文法の専門用語にまどわされている
1つづつ深掘りしていきます。
英文の区切りが見えていない
文法がわからないという人は英文の「区切り」が見えていないことが多いです。
この区切りとは、ようは意味のあるいくつかの単語のかたまり(フレーズ)のことです。
英語は基本的にこのフレーズ単位に役割があります。区切りが見えないことによってどこからどこまでがつながっているのかがわからず、それらの「役割」と「関係性」を理解できなくなります。
たとえとして以下に区切りを「/」でつけた例文があります。
このように文の区切りが見えるようにならないと、どこからどこまでが名詞、動詞、目的語なのかがわかりずらく、さらに「because」の前後2つの文がつながっているということにも気づきにくいです。
この例文の場合にはそれぞれのフレーズ(区切り)には以下のような「役割」があります。
さらに以下のような「関係性」があります。
こうして英文をフレーズに分けてその役割と関係がわからない限りは文法の意味がつかめなくなります。
日本語の語順で英語を見ている
英語の区切りに続いて、文法がわからない理由は語順にあります。
普段は日本語で考えながら英語の勉強をしていますよね。でもそうするとつい日本語での語順で理解しようとしてしまい、英語の語順との違いで余計に理解しづらくなります。
わかりやすいものが動詞です。日本語だと動詞が最後にくるけど英語だと主語のすぐあとに来ます。
という文だと「私は言われた・・・えっいきなり?何を?」といきなり結果(動詞)が来るので違和感を感じ、そのあとに続く文を読んでいくと最初の主語と動詞が何だったか忘れる、ということがおきます。これは英語の語順に慣れていないからおきることです。
他の要素も順番が違うので、日本語で考えているうちは英文を読んでもスッと頭に意味がすんなり入ることはありません。
英語の語順については別に記事でさらに詳しく解説しているので参考にしてください。
英語の語順は日本語と違うため、慣れないと何度も聞き返したり読み返さないと理解できないことが多いかと思います。原因は文法における言葉の順番の違いと、英語と日本語を行き来することに起因します。この記事ではまず文法と語順の型について解説して、英語の語順のままスッと理解できるようにするための効果的な勉強のしかたを紹介していきます。
文法の専門用語にまどわされている
専門用語が多すぎていらないことに労力を使っている、ということも文法がわからなくなる理由の1つです。
文法用語は知っていると便利なこともありますが、基本的には文法の理解のためには必要ありません。
たとえば「不定詞」「動名詞」「関係副詞」「形容詞句」「未来完了進行形」などなど・・・こういった用語は基本的に覚える必要はありません。
こういった用語そのものを理解しようとしてしまうと文法の本質的な意味と使い方がなかなか頭に入ってきません。なので極力こういった専門用語が使われていない教材を使ったほうがいいです。
英語での文法用語を学びたいという人は下の記事に役に立つものをまとめているので三航士にしてください。
英文法の参考書には専門用語がたくさんでてきます。文法の専門用語を覚える必要はないですが、覚えていると英語で人に質問しやすくなるのも事実。というわけでこの記事では辞書がわりに文法用語をまとめて紹介していきます。
学んだ文法を忘れる理由
次にせっかく勉強した文法をすぐに忘れてしまう理由についても2つ挙げていきます。
- 文法の必要性を感じないから
- 学んだ文法を自ら使わないから
心当りのある人も多いかと思いますが、もう少し詳しく見ていき、どう勉強していくべきかのヒントとして考えてみましょう。
文法の必要性を感じないから
まさに「学校で将来使うかわからないものを学ぶ」という状況ですね。
ようは学んだ文法が本当に必要なのかが怪しい(自分ごとに感じない)と思えてしまい、どうでも良い情報としてすぐに忘れてしまう、という流れです。
よくある勉強では文法の説明を読んで問題を解く、そして穴埋め、並び替えや選択問題を解く、ということをします。
「なぜ穴が開いているのか」「その例文は自分になんの関係もない」「わからなくても何の問題もない」僕はいつもこう感じていました。こういった状態では自分にムチ打って無理やり勉強させているのと変わらないですし、楽しくないのですぐに忘れてしまいます。
学んだ文法を自ら使わないから
英文法の勉強では「参考書を読んで問題を解いて正解したから満足・・・」で終わる人が圧倒的に多いですが、これで忘れずにいられるなら苦労はしません。
一番の問題は問題集なんかで「文法を使わされている」ことです。言いたくもないことを無理やり言わされてもつまらないから早く終わらせたいと思うだけです。
ですが「この文法で外国人の友達に言いたいことを言えるようになりたい」、というような欲求があると自分ですすんで学んだ文法を使うようになるはずです。
こうした自主性がないといつまでも「学校でやらされる勉強」にしかならずにすぐに忘れてしまいます。
勉強アプローチ
さて、ここまでで文法がわからない理由とすぐに忘れてしまう理由について見当がついたかと思います。
ここからはそれらをふまえてどう勉強すればいいのかについて以下の4つのアプローチを解説していきます。
- 英語で英文法を勉強する
- 基礎から底上げしていく
- 似ている文法をまとめて学ぶ
- 文法を使ってオリジナルの文をつくる
それぞれ順番に見ていきましょう。
英語で英文法を勉強する
子供の頃に日本語で日本語の文法を学んだのと同じように、英語で英語の文法を学びましょう。
英語のまま理解できるようになると日本語に訳すという余分なことを学ばずに済みます。
「英語で」と聞くと難しそうですが、実は文法も簡単な英語だけで説明することができます。
たとえば日本語の文法書で「現在進行形の文法は主語+Be動詞+動詞ing形でつくる」という説明がされているとします。
こういった説明は専門用語を使わずに簡単な英語で以下のように説明できます。
これくらいの英語なら訳さなくてもわかる人が多いと思います。
わざわざ以下のように長ったらしく説明する必要は一切ありません。
実際に英語で書かれた文法書でも簡単な説明になっているものがちゃんとあります。そういった教材を使っていくことで英語を英語のまま受け入れることができます。その過程こそが「英語の語順に慣れる」「区切りを見つける」訓練にもなります。
この勉強法に適している参考書は「English Grammar in Use」です。全て英語で書かれていますが、英語学習者向けのものなので高い英語力が必要ないように簡単な英語で書かれています。英語を読んで何かを学ぶというリーディング力の基礎をつけることもできるので一石二鳥でもあります。
この文法書をおすすめする理由と使い方については下の記事で解説してます (^^
英文法は参考書の読み込みや問題集をやり込む人が多いですが時間のムダです。この記事ではたった1冊で海外就職できるレベルの文法を習得して自由自在に使いこなせるようになる勉強のしかたを僕の実体験をもとに紹介します。
基礎から底上げしていく
よく「日本語でわからないことは英語でもわからない」という人がいますが、そういう人は日本語から英語に訳して勉強している人たちです。
訳そうとするのは危険で、英語力に対して日本語のレベルが高すぎて「難しすぎる英語」を使おうとしてしまいます。
そうではなく英語だけで言えるレベルを幼稚園児レベルから底上げしていくように勉強しましょう。重要なのは、いかに「知っている文法で言いたいことを伝えられるか」と「基礎から知識と経験を積み上げていく」ことです。
とくに英会話では自分の文法力の50%以下でしか話せないと思ったほうがいいです。(これは日本語でもそうで、話すときに高レベルの文法をすぐに思いつくのはネイティブでもむずかしいです。)なので話すときにはムリせず使い慣れた文法を、そしてたまに新しく学んだ文法を織り交ぜるようにしていくと少しづつ成長していきます。
似ている文法をまとめて学ぶ
「似ている文法」の関係で複数の文法を学ぶと効率よく勉強できます。
たとえば似ているけど意味や使い方が微妙に違うものを一緒に勉強していきます。例えば以下のような文法は意味が似ているけど使いどころが違います。
- 「will」「be going to」「be doing」
- 「must」と「have to」
- 「as much as」と「as many as」
- 「I wish」と「I hope」
こういった似ている文法を同時に学ぶことでニュアンスの違いや使い分けを学ぶことができます。その結果、英語での表現の幅が広がり、より正確に言いたいことが言えるようになります。
さらに英会話や読み書きでも常に2、3通りの文法を思いつくことができるようになるので、文法のせいで言いたいことが言えないという状況になりにくくなります。
文法を使ってオリジナルの文をつくる
英語の文法は教科書での勉強になりがちなので、「文法が必要」な状況をつくることが大切です。
例えば新しい文法を学んだらそれを使って自分のオリジナルの文をつくるようにしないとすぐに忘れます。
例文とかである「Chris has been watching a movie for 2 hours.」とかどうでもいいんですよ。
でも友達に「I’ve already been studying English for 3 hours today. I’m so tired…」と愚痴るためには0から自力で文をつくることになるし、自分の言いたいことを正確に伝えたいと思うからしっかりと考えて英語の文法を使うようになります。
こうして「自分事の文」をつくっていくことで学んだ文法を忘れずにパッと頭に浮かぶようになってきます。
英文法の勉強法については別の記事でまとめてあるので参考にしてください。
英文法の勉強法で大切なのは知識ばかり増やしていないで、学んだ文法を使いまくることです。使える英文法を習得するためには「1冊の参考書」で「アウトプットを重視」して「英語で勉強」するという勉強法がシンプルかつ効果的だということを解説します。
まとめ
この記事では英語の文法がわからない、すぐに忘れてしまうという理由について解説してました。まとめると以下のようになります。
英文法がわからないのは・・・
勉強しても忘れてしまうのは・・・
こういった原因を考慮してどう勉強していくべきか以下のようにまとめます。
英文法はあくまで英語コミュニケーション力の一部で、ほかの基礎や技能も底上げしていくことで相乗効果が働き英語力が伸びていきます。
英語力を伸ばしていくための勉強法やロードマップは下の記事でまとめているので一読してみてください ^^/
英語学習は長く険しい道のりで、多くの人が成果が出せずに苦悩しています。この記事ではそんな人たちの助けになるように英語の勉強法とロードマップを公開します。オーストラリア・イギリスに計10年住む僕が実践した「海外で暮らし・働くための英語」を手にするための過程と勉強方法です。