ネイティブと話さないと上手くなれないとか思っている人がいるかもしれませんが、むしろ自信を無くす可能性も高いのでスピーキングの自主練はかなり重要だったりします。
そして軽視されがちですが、この一人での練習こそが成長に必要なものでもあります。少なくともネイティブとの会話は英語のまま考えて話せるようにならないとかなりきついです。
このあたりの説明も含めつつ、この記事では一人でもできるスピーキングの練習方法とツールについて紹介していきます。
記事の内容
一人でできるスピーキング練習
英語のスピーキングはインプットとアウトプットの両方をバランスよく行うことで徐々に上達していきます。
誰とも話さずに一人でこなしていくための練習法はつぎのとおりです。
話す練習をする(アウトプット) | 話し方を学ぶ(インプット) |
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ここで注意してほしいのが
- アウトプットは声に出すことではなく、自分で英文をつくって話すこと
- 「アウトプットで使うために」インプットする(新しい言い回しやフレーズを学ぶ)
ということです。
たとえば
つまりは声に出すことではなく「自分の言葉で英文をつくって話す(もしくは頭で考える)」ことこそがスピーキングのアウトプットということです。
この点を理解してバランスよくインプットとアウトプットをしていきましょう。
ではそれぞれさらに詳しく練習の仕方やツールを紹介していきます。
英語で自問自答する
一人でできる最も有効なスピーキングの練習が英語での自問自答です。
自問自答のいいところは質問と回答の両方とも練習できるところです。なぜならそれが英会話そのものなので、人と話すときにも応用しやすいからです。
さらに
- 自分で英文をつくる(本番と同じように知っている英語だけで話す訓練になる)
- 質問と回答を練習できる(疑似的な英会話)(しかも間違えてもいいのでプレッシャーを感じない)
- 声に出さなくとも練習になる(もちろん声に出したほうが発音の練習になるのでおすすめですが、もっとも重要なのは自分のもっている英語力で文をつくれるようになることです。)
このような利点があります。
では具体的にどうやって練習すればいいのか見ていきます。
基本的には「自分の行動一つ一つに対して質問してそれに答える」を繰り返すことです。
たとえばおなかがすいてきたら脳内で自分と会話を始めます:
見てのとおり独り言から始まり、質問とそれに対する反応を繰り返しています。ちょっとおかしく感じるかもしれませんが、この自主練をしておけば本番の英会話でうまく立ち回ることができます。
もちろん自分の考えてることなので大体言いたいことは分かっていると思いますが、それを英語で言語化することで「すばやく英文をつくる力」が身についていきます。とくに5W1Hの質問とYes/Noの質問を織り交ぜることで様々なやりとりを練習できます。
自問自答で練習した英語は他の人に対しても使えるようになるので心配はいりません。相手の反応によって何を言うか考えないといけませんが、それは実際の英会話で練習していきましょう。
あくまで自分の言葉で英文をつくるスキルを伸ばすのがスピーキング力に直結するので、一人の練習でも十分に上達できます。
英語で自問自答するためのコツとしては:
- 常に英語で思考する・日本語から訳さない
- なるべく考え込まずにすばやく文をつくる
- 単語や文法がわからなかったら知っている言葉や言い方に置きかえる
- 声に出したほうがいいが出さなくてもよし
自問自答は一人でする英会話と同じで、質問と回答をするいい練習になります。紹介したコツを意識しながら続けていくことで英語で考えつつ英文をつくれるようになっていくはずです。
もう一度言いますがスピーキングで大切なのは「自分の言葉で英文をつくる」ことです。
アプリを相手に話す練習をする
自問自答だけじゃ心もとないという人はアプリを使うのも一つの手です。
英会話用のアプリを使えば一人でも声を出して練習できて、同時にフレーズを学ぶこともできます。
スピーキングの練習になるアプリとして2つ紹介します。
Speak English Conversation |
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良い点:
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悪い点:
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SpeakBuddy |
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良い点
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悪い点
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こういったアプリはどちらかというと「英語を声に出す練習」「フレーズを学ぶ」の2つの効果があると思います。
しかし「自分で英文を瞬時につくる」スキルはあまり伸びないと思うので、英語での自問自答をしつつアプリも使っていくといいかと思います。
発音を練習する
発音さえ矯正できれば一気に相手に理解してもらえる英語に生まれ変わります。
単語や文法はある程度できる人がほとんどですが、日本人の発音は絶望的なので何を言っても通じないのが現状です。なので発音さえ直せばあとは単語を連ねるだけでも会話ができます。
うれしいことに発音は教材を使って一人でかんたんに練習できます。
勉強のしかたとしては、必ず発音記号をひとつひとつ矯正して、それから単語を練習するようにしましょう。ポイントは正しい口や舌の形・位置を習得することと、日本語と違う英語の発音のしかた(例えば「子音だけ発音する」「母音があいまい母音に変化する」など)を練習することですぐにできるようになります。
詳しい発音の練習法は別の記事でまとめているので参考にしてください。
英語において発音は単語や文法と同じように必須ですが日本の教育では軽視されてきました。この記事では発音が重要である理由と日本人が英語を発音できない理由そして発音を習得するための勉強法を解説します。
発音を学ぶためのおすすめの教材は「UDA式30音練習帳」です。僕自身この教材を使って家で一人で発音を矯正することができました。
【おすすめ3冊】発音の本は使い方次第|勉強のしかたと注意点という記事で他の教材についても紹介しているので参考にどうぞ。
文法・リスニング・リーディングの教材から盗む
他の勉強とくに文法・リスニング・リーディングで新しい表現やフレーズを学んでいくことで、スピーキングで使える武器を増やしていきましょう。
教材では実際にネイティブが使うフレーズがたくさんのっているので、要は独学でもネイティブのものまねをすることができます。
具体的に何を学べばいいのかというと
- フレーズ(英会話でよく使う一部もしくは完全な文)
- イディオム(かんたんな単語だけでいろいろな意味をつくる)
- 単語や文法の使い方(知識を増やしてスピーキングで応用する)
たとえばリスニングではスクリプトがあるものを使うことで:
いちいちディクテーション(聞いた英語の書き出し)とかはしなくていいです。それよりもマネをしてスピーキングしましょう。発音やイントネーションを参考にしながら練習するのがポイントです。ディクテーションは議事録をつけられるようになりたい人とかがやれば良いかと思ってます。
文法やリーディングでは音声が無いのでいきなりスクリプトを見ることになりますが、同じようにスピーキングで使えそうな表現を拝借し て自問自答をするときに忘れずに使っていきましょう。
無料で始められるものも含めたリスニング教材を別の記事にまとめているので試しに使ってみてください。
英語のリスニングを着実に上達していくための教材と勉強のしかたについて解説します。今一度自分が使っている教材や勉強法と比べて、改善できるところがないか参考にしてみてください。
これらに加えてイディオムを学んでおくことをおすすめします。
イディオムは基礎的な単語とや前置詞(in, on, forなど)の組み合わせによって本来の意味とは違う意味になる表現です。イディオムを学んでおくことでより少ない英単語でいろいろなことが言えるようになります。
実はネイティブもイディオムを多用していて、そのおかげであれだけすばやくいろんなことについて話すことができています。
いわゆる話し言葉というのにはこのイディオムがたくさん出てきます。実はイディオムを知っていることがスピーキングが上手い人の秘密だったりします。
イディオムの勉強のしかたとおすすめの教材は下の記事を参考にしてください。
英会話ができるようになりたいなら英単語よりもイディオムを勉強したほうがいいです。この記事では独学でも進めていけるように、優先すべきイディオムや勉強法について詳しく解説していきます。
まとめ
今回は英語のスピーキングを一人で練習する方法について解説していきました。内容をまとめると以下のようになります。
- 自分で英文をつくって話す:アウトプット
- 英語で思考しながらの自問自答
- スピーキングアプリでの自主練習
- 新しいフレーズや表現を学ぶ:インプット
- 独学でできる発音の矯正
- 文法・リスニング・リーディング・イディオムの勉強から使える表現を盗む
基本的にスピーキングは教材を使ったり問題を解いたりして伸びるというものではなく、「自分で英文をつくって言う」という訓練と「新しいフレーズや表現を学ぶ」ことの繰り返しです。
そのうえでスピーキングに関するテクニック(英会話、議論、プレゼン、などで役に立つ戦術)を学びつつ練習していけばネイティブとも専門的な内容について議論ができるようなレベルになれます。
まずは一人で練習しつつ、徐々に英会話で実際に人と話していくようにしましょう:)
スピーキングの勉強法は下の記事でまとめているので、それも参考にしてもらえばさらにスピーキング力を伸ばせるはずです。
英語のスピーキングの勉強法は自分で英文をつくることときれいに発音する練習をしましょう。そして英会話やプレゼンなどに必要な知識とスキルを身につけていくことでスピーキング力を底上げしていきます。