発音は音の最小単位である発音記号から習得するのが一番の近道になります。
発音記号の習得に必要なステップを以下のようにまとめることができます。
- 正しい情報を得る(口のパーツの使い方とイラスト、息のはき方、サンプルの音)
- 子音(9の無声子音と15の有声子音)の習得
- 母音(12の単母音と8の二重母音)の習得
これらの基本を習得すれば、ネイティブ発音への第一歩になります。
この記事ではこれらのステップを踏んでいくための事前知識を紹介しています。
まずどういった発音記号があるのかパパっと頭に入れてしまってください:)
目次
外国人と英語で話したことのある人は、発音が悪いといかに相手に通じないか知っているかと思います。
しかし日本人に英語の発音はムリだという人もいます。大人になってからでも英語の発音ができるようになるのでしょうか?
答えはYesです。正しい手順と方法で学べば誰でも何歳でも習得できます。家で一人で1~2か月ほどで習得できます。語学学校や留学の必要もありません。
これは僕自身ができたから自信を持って言えます。
僕は22才くらいの時にTOEIC330点ほどで発音は完全なカタカナ発音から英語の勉強を本気で始めました。
発音の重要さを知り、その勉強方法を調べて実践した結果、先ほど書いたように1~2か月で、家で独学しただけで発音を矯正できました。
その後オーストラリアで発音以外の能力もあげるために語学学校へ通い、大学院留学、そして現地企業に就職することができました。これらは発音を矯正しなければ無理だったと思います。それほどに発音は重要なものです。
発音矯正の手順
ここで正しい手順についてもう少し補足します。発音はまず発音記号から、そして最終的に文章の発音をマスターします。
- 発音記号 —> アルファベット
- シラブル(syllable)
- 単語
- 文
よくある間違った練習として、いきなり単語の発音をしてしまうことがあります。
単語は複数の発音記号からできており、それらすべてを正しく発音できなければ単語を正しく発音できません。
まずは発音記号から習うのが絶対条件です。
アルファベットと発音記号の違い
どうやらアルファベットと発音記号を混同している人もいるようなので、違いを書きますね。
発音記号:音の最小単位、音を書いて示すもの(æ、t、θなど) アルファベット:英語の文字、複数の発音記号の組み合わせでできている(k = k + eɪ など)
これらは別物なので、気を付けてください。
まずは発音記号を習得しましょう。そうしないとアルファベットは正しく発音できませんので。
たとえばアルファベットの”C”は発音記号の”s”と”i:“で構成されているので、まずはこの2つの音を正しく出せるようになる必要があります。
旅行中に食べたpinchos (Madrid, Spain)
発音記号の発音をマスターするために必要なもの
さて、発音記号を正しく習得・矯正するために必要なものを以下にまとめます。
- 口のパーツの使い方とイラストでの解説
- 息のはき方の解説
- サンプルの音
1 が最も重要です。学校での授業や多くの発音の教え方は
- 音を聞いてまねる
- 日本語の似ている音を参考にして発音する
ということをしていますが、これで発音を習得するのはまずムリです。
発音のコツは口のパーツ(口の形、舌の位置、歯の置き方)などで90%音が決まります。これをいくら文字や言葉で説明しても、理解するのは難しいです。
スポーツのようなもので、実際に画像や絵でみればすぐにわかるし、自分がどの部分をうまく再現できていないかが分かりやすくなります。
2 は無声子音というものが特に日本語にはないものなので、注意して勉強する必要があります。
3 についてはもちろんネイティブの正しい音を聞いて、自分の発音と比べるためです。
音を聞いてまねるというやり方だけでは、発音の何がどうできていないかわかりません。そのせいで間違えた口のパーツの使い方で覚えてしまいます。
また、日本語の似ている音を参考にすると、ほぼ日本語の音になってしまいます。カナをふってしまった時点で英語の音から遠ざかってしまいますので、これも避けたほうがいいです。
発音記号をネイティブのように発音するのは実は簡単にできます。単語でも簡単です。
これが文章になると難しくなってきます。しかし、それでもしっかりとした習得方法がありますので、かなりネイティブに近い発音を手に入れることができます。
習得するべき発音記号
英語の発音記号にはかなりの数があります。発音記号の一覧を↓に貼っておきます。
発音記号表
(Source: EnglishCLUB.com)
Vowelsが母音でConsonantsが子音です。たくさんあるのでかなり大変なんじゃないかと思うかもしれませんが、しっかりとした教材さえさればすぐに習得できますので安心してください。
ちなみに記号の下にある単語はまだ発音しなくていいです。
まずはこれらの発音記号1つ1つを習得しましょう。
子音の種類
子音は24個ありますね。これらの内いくつかは無声と有声のペアにすることができます。
無声音 | 有声音 |
---|---|
s | z |
p | b |
t | d |
f | v |
θ | ð |
ʃ | ʒ |
k | g |
tʃ | dʒ |
h | |
m | |
n | |
ŋ | |
l | |
r | |
j | |
w |
無声音:息を出すだけ
有声音:声を出す(喉を鳴らす)
分かりやすく違いを説明すると、「ふ~」とため息をつくときに2種類あるのが分かりますか?1つは喉を鳴らさないやり方(無声音)で、もう1つが「う」の音を出すやりかた(有声音)です。
この表で無声音と有声音が隣同士の音は、口や舌の使い方が同じで、息の仕方が違うだけです。
ちなみにアメリカ英語もイギリス英語も子音は一緒です。
かなり長くなってしまうので、これらの詳しい音の出し方は別の記事にて解説しています。
母音の種類
母音は20個あります。上の図でも分かる通り、これらは2つの種類に分けられていますが、僕がさらにグループ分けと関係性をくわえてみます。
単母音 | 二重母音 | |||
---|---|---|---|---|
短い音 | 伸ばす音 | ɪで終わる音 | ʊで終わる音 | rで終わる音 |
ɪ | i: | ɪə (ɪr) | ||
ʊ | u: | ʊə (ʊr) | ||
ɔ: | ɔɪ | əʊ | ||
ə | ɜ: (ɜ:r) | |||
ɒ | ɑ: (ɑ:r) | aɪ | aʊ | |
e | eɪ | eə (er) | ||
ʌ | ||||
æ |
()内はアメリカ英語
対応する音をまとめてみました。それぞれのグループ分けと母音の関係性について説明します。
単母音:ひとつの音からなる母音
短い音:その名の通り、音を短くして伸ばさない母音
伸ばす音:音をそのまま伸ばす母音
二重母音:2つの音をつなげることでできる母音
ɪで終わる音:単母音のɪで終わる二重母音
ʊで終わる音:単母音のʊで終わる二重母音
rで終わる音:単母音のrで終わる二重母音
これらに加えて、始まりの音が同じものを、同じ行になるようにして配置しています。
()にアメリカ英語の発音記号を書きました。基本的に”r”の音で終わるようになります。
とりあえず今はこういった種類があるということを頭に入れておいてください。
それぞれの発音方法については別の記事にて解説しているので、そちらを参考にしてください。
まとめ
今回は発音記号の練習の前に必要な事前知識として、以下のことを書きました。
- 発音記号の発音をマスターするために必要なもの
- 口のパーツの使い方とイラスト
- 息のはき方
- サンプルの音
- 習得するべき発音記号
- 子音(9の無声子音と15の有声子音)の習得
- 母音(12の単母音と8の二重母音)の習得
僕のブログでも発音記号の詳細な発音方法を書いていきますので、よかったら使ってみてください。
もし他の物を使いたかったら、おすすめえの練習教材である「UDA式30音練習帳」を使うといいと思います。
それ以外にも条件を満たす教材を使えば必ず発音記号をマスターできます。
まずは子音の習得を試しにしてみてください。効果の大きさとその即効性で発音の勉強が楽しくなってくるはずです:)
Market in Madrid (Spain)