英会話でうまく話せないからと言って単語を勉強していませんか?
実はほとんどの人はすでに会話に必要な単語や文法をすでにもっています。しかし英会話になると話せない人の原因は
「英語力ではなく日本語力をもとにして文章を考えるから」
ということにあります。
スピーキングでは「言葉を知っていること」よりも大切なことがあります。そしてその練習をしていくことがスピーキング力の向上につながります。
この記事では、限られた単語のみでスピーキング力の上達をさせる以下の3つの対策を紹介します。
- 解決策1:英単語がわからないときは抽象度を上げる
- 解決策2:英語的な言い回しを学ぶ
- 解決策3:知っている単語で説明する・聞く
まずは根本的な原因についてより理解を深めて、それから解決策について解説をしていきます。
目次
単語が分からな過ぎて言いたいことが言えない人の問題
単語が分からないせいでスピーキングがうまくできないという人が多いと思います。
しかし実際には単語の数が少なくとも英会話をすることはできます。実際に英会話で使われる単語の数は限られており、中学生レベルの単語があればほとんどの場合は会話することができます。
単語のせいでうまく話せないと思うのにはいくつかの原因がありますが、根本的な原因は
「英語力ではなく日本語力をもとにして文章を考えるから」
にあると思っています。
つまり「日本語でなら簡単に思いつく答えを英語にしようとするけど、日本語に比べて英語力が低いからうまくできない」という状況です。
たとえば
これをさらに深く見ていくと、以下のような具体的な問題点がみえてきます。
- 問題点1:抽象度の低い英単語を言おうとしている
- 問題点2:日本語から直訳すると英単語がわからなくなる
- 問題点3:単語が浮かばないときに考え続けてしまう
これらを深掘りしつつ、それぞれの問題に対応する以下の解決策を紹介していきます。
- 解決策1:英単語がわからないときは抽象度を上げる
- 解決策2:英語的な言い回しを学ぶ
- 解決策3:知っている単語で説明する・聞く
それでは問題点とその対策を1~3まで順番に解説していきます。
問題点1:抽象度の低い英単語を言おうとしている
単語の難しさは抽象度に比例しています。
- 基礎(簡単)な単語はより抽象的
- 難しい言葉は具体的もしくは専門的な場合が多い
たとえば飲み物”Drink”は抽象度が高い言葉ですが、抽象度を下げていくといろいろな単語が出てきます。
抽象度 | 単語 | ||
---|---|---|---|
高 | Drink | ||
中 | Tea | Coffee | Alcohol |
低 | Darjeeling | Latte | Wine |
Chamomile | Cappuccino | Beer | |
Jasmine | Macchiato | Spirit | |
Green | Espresso | Cider |
簡単な単語ほど抽象的で意味が広くなってしまいますが、その反面いろんな場面で使えます。
Drinkといえばとりあえず飲み物について話しているとわかります。
具体的な単語になるほど覚えるのが大変でただしく使えるチャンスが少なくなります。
抽象度が高い=単語の数が少ないが、いろんな会話で役に立ちやすい
抽象度が低い=単語の数が多いが、特定の会話でしか使えない
ふだんの日本語での会話では、、抽象度の低い単語もたくさん使っていると思います。
しかし英会話でそれと同じようにして日本語で言いたいことを考えてしまうと、抽象度の高い英単語しか知らないので言葉に詰まってしまう、ということがおこります。
解決策1:英単語がわからないときは抽象度を上げる
日本語だとわかる抽象度の低い単語を英語にしようとして失敗する、その対策として以下の2つが考えられます。
- 抽象度の高い常用の基礎的な単語を使うようにする
- イディオムを勉強してすくない単語で多くのことを言えるようになる
では1つずつ解説していきます。
常用の基礎的で簡単な単語を使うようにする
抽象度の低い言葉が思い浮かばなかったら抽象度の高い単語で代用して話すようにしましょう。
さきほどDrinkの例をだしましたが、抽象度の違いは名詞だけでなく動詞や形容詞にもあります。
種類 | 抽象度:低 | 抽象度:高 |
---|---|---|
動詞 | hold, possess, grab, own, include | => have |
explain, describe, argue, pronounce | => say | |
形容詞 | obvious, explicit, clarified, coherent | => clear |
correct, appropriate, exact, accurate | => right |
抽象度の低い英語はとっさに思いつくのが難しいので、対応する抽象度の低い単語をすぐに思いつくようにすれば黙りこまずにスピーキングを続けることができます。
スピーキングでは単語を調べたり10秒も考え込んではいられませんから、より簡単な言葉で言えることが重要になってきます。
さらに抽象度の低い単語をほかの抽象度の低い単語で言おうとすると、たいていは間違った意味で使ってしまうことになります。
なので言い換えたいときはなるべく抽象度の高い単語を使うようにしましょう。
このような抽象度の高い単語は、正確な単語がすぐに浮かばないときにネイティブもよく使っています。
イディオムで多くのことを言えるようになる
抽象度の高い単語によって多くの意味を生みだすことができるのがイディオムです。
このイディオムを勉強することによって、新しい単語を覚えずとも抽象度の高い言葉で置き換えのできなかった意味をもたせることができます。
抽象度が高く、さらにたくさんのイディオムをつくることができるオススメの動詞は以下のとおりです。
とくに”have”と”get”はめちゃくちゃ便利です。これらを使いこなせばもう海外で生活できるといっても過言ではありません。
“do + something”もかなり使えます。すべての動詞は”do something”を一言で表したものなので、somethingを変えれば意味が通じるようになります。
ただしこれらは意味が通じますが不自然に聞こえるので、言葉がでてこないときの最終手段として使いましょう。
実はこのような基礎的な単語の組みあわせのほうが自然でお互いにわかりやすい英語になります。
ネイティブも難しい単語をすぐには思いつかないので、簡単な単語をつかったイディオムを多用します。
イディオムの勉強方法は↓の記事にまとめてあるので読んでみてください。
英会話の上達に欠かせないイディオムの勉強法「単語はもう十分です」
問題点2:日本語から直訳すると英単語がわからなくなる
2つめの問題である、日本語を直訳することについて解説します。
英語と日本語では言い回しの違いがあります。
この場合の「保険」は日本語の特殊な言い回しであり、本来の意味では「保険」ではなく「もしもの時のため」なので、それにあった言い回しをする必要があります。
このような日本語からの直訳をしてしまうと、不自然な言い方になってしまったり、そのせいで英単語がでてこなくなってしまいます。
不自然なだけで意味がつうじればまだマシなのですが、英単語がでてこないと詰まってしまいます。
英単語が日本語の単語力と同じでないとできないので、こういったことは確実におきてしまいます。
解決策2:英語的な言い回しを学ぶ
日本語の直訳をせずに言いたいことを考えるには、英語の言い回しを覚えることが効果的です。
さきほどの”just in case”も英語的な表現ですが、他にも日本語とは違った言い回しがたくさんあります。
文化的な違いからこういった使う単語の違いが生まれてくるのでしょう。
こういった表現を学んでいくには、ネイティブの子供向けの教材で勉強することが効果的です。
たとえ大人だからといって大人が考える日本語を英語に直そうとしてしまうと直訳になってしまいます。
英語的な言い回しを学ぶには子供向けのものにたくさんでてきますので、そういったもので英語力の底上げをしていき、徐々に大人向けのものへと移行していく勉強法がおすすめです。
問題点3:単語が浮かばないときに考え続けてしまう
もう1つの問題として、単語が思いつかないときについ考え込んでしまうことです。
パッと思いつかない言葉は考えてもすぐには出てこないことが多いです。
それでも会話中に思い出そうとしても、話し相手は待ってはくれません。
単語を知っていることを相手に知ってほしいとは思っていませんか?
あくまでも会話は意思疎通が目的ですので、言いたい単語が浮かばないからといって黙っているわけにはいきません。
解決策3:知っている単語で説明する・聞く
もし単語が思いつかなかった場合にどうすればいいいか、最善の策は
「知っている単語のみで言いたいことを伝える」です。
これはさきほどの抽象度にも関連しますが、それよりも知っている言葉だけで文章にして言いたいことを間接的に説明する方法です。
このテクニックを使うときに便利なのが
- 目的語:something, someone, somewhere など
- 抽象度の高い名詞:thing, person, tool, device, job, feeling, part など
- 関係代名詞:which, that, who, whose, where など
このような単語を組みあわせて言いたいことを伝えられるようにしましょう。
使いやすいパターンをいくつかあげていきます。
などのパターンを使って文章を組み立てれば、単語がわからなくても黙り込んでしまわずに話し続けることができます。
さらに”How do you say”の後にこれらのフレーズを使えば相手に直接きくこともできます。
実際の英会話では言いたいことを一言で言い表せないことはよくあります。
なのでこのテクニックを使って、とりあえず黙らずに何を言おうとしているのか説明できるようにすることっが英会話ではとても重要になってきます。
このようなフレーズを学びやすいのが、英英辞書です。
英英辞書がしている「英単語を英語で説明する」ということをマネすればいいのです。
これが僕が英英辞書を使うことをすすめている理由の一つなのですが、それ以外にも理由があるので、もし興味があれば↓の記事をよんでみてください。
「英英辞典は難しすぎる」「上級者向けでしょ」といった意見が多いですがそれは難しい辞書を使ったことによる失敗やイメージが原因であることが多いです。この記事ではなぜ英英辞典が英語の勉強法において強力な道具になるのか、そして具体的にどうやって使えばいいのか書いていきます。
まとめ
今回の記事では「単語が分からな過ぎて言いたいことが言えない」ことの原因とその解決策について解説しました。
問題点とそれに対応した解決策は以下のようになります。
- 問題点1:抽象度の低い英単語を言おうとしている
- 解決策1:英単語がわからないときは抽象度を上げる
- 常用の基礎的で簡単な単語を使うようにする
- イディオムで多くのことを言えるようになる
- 問題点2:日本語から直訳すると英単語がわからなくなる
- 解決策2:英語的な言い回しを学ぶ
- 問題点3:単語が浮かばないときに考え続けてしまう
- 解決策3:知っている単語で説明する・聞く
スピーキングで単語が分からずについ黙り込んでしまう人にとって一考の余地があると思います。
解決策はいますぐに試していけるものなので、安易に単語の勉強に走らずに英会話での工夫として実践してもらえれば幸いです。