英語の文法で”better”や”larger”などの”-er”を使った比較級を学校で習ったと思います。
大学生や社会人になってからしばらく使わないうちに忘れてしまったという人も多いのではないでしょうか?
この記事では英語の比較級の使い方をおさらいして、基本の文法を整理できるように解説をしていきます。
目次
比較級の基本
「さらに~である」「~よりも~である」といったなにかと比べるときにつかう文法が比較級です。
比較級を使うための構文は
someone/something + be/do + 比較級 (+ than ~)
でつくります。
比較級は形容詞を変形させたもので、基本的には“~er”といったかたちになります。
たとえば以下のような比較の文をみてみましょう。
比較級をつかう場合は対象となるものや人がいるので、”than ~“のあとにその対象をつけます。
“than ~“の”~“には単語や文章を付けることができます。
いくつかの例文をみてみましょう。
会話の中では比べる対象が明確なため”than ~“を省略することもあります。
たとえば以下のような会話では省略しても伝わります。
このように相手に伝わる(なにと比較しているのかが明確)のであれば”than ~“をつける必要はありません。
比較級のつくり方
いくつかの比較級を例文で使いましたが、ここでどのような法則で比較級をつくるのか解説していきます。
3つのタイプに分類して見ていきます。
それでは1つずつみていきましょう。
1.形容詞 + erの比較級
形容詞の原型に”er”をつけることで比較級にするタイプです。
このタイプは原型となる形容詞によってスペリングに多少の違いがあります。
その違いを以下の3つに分けてそれぞれ順番に見ていきます。
- 1.1. 形容詞 + “er”
- 1.2. “y”で終わる形容詞 + “er”
- 1.3. “g”, “n”, “t”で終わる短い形容詞 + “er”
1.1. 形容詞 + “er”
単語の最後に”er”をつける、最も基本的なかたちの比較級です。
たとえば以下のようなものですね。
同じように最後に”er”をつけるタイプの形容詞の比較級をいくつか↓にまとめたので参考にしてください。
1.2. “y”で終わる形容詞 + “er”
もし形容詞が”y”で終わる場合には”y”を”i”にしてから”er”をつけます。
たとえば以下のような形容詞です。
同じように”y”で終わる形容詞をいくつか↓の表にまとめました。
1.3. “g”, “n”, “t”で終わる短い形容詞 + “er”
単語が1つのシラブルでできており、”g”, “n”, “t”で終わる場合には、最後の文字をもう一度つけ足してから”er”をつけます。
たとえば以下の表のような形容詞がこれにあたります。
2. more / less + 形容詞
比較級をつくる一般的な方法には”more”や”less”を形容詞の前につけるというやり方もあります。
以下のような場合に”more”と”less”を使います。
- いくつかの短い単語
- 2つ以上のシラブルからなる単語
短い単語の例を↓の表にしました。
これらはなぜか”er”をつけて比較級にせずに、”more”か”less”を使います。
中には”er”をつける場合があるものもありますが(quiterなど)、”more”か”less”のほうがネイティブによく使われていると思います。
短い単語の中でもどれに”more”や”less”を使うのかは、とくに決まったルールはないので覚えていくしかないのが少し辛いところですね。
↓の表には長い(シラブルが2つ以上)単語で、かならず”more”と”less”と一緒に使うものをいくつかまとめました。
3. 特殊な比較級
比較級のつくりかたの最後が、”-er”, “more”, “less”を使わない特殊なケースです。
↓の表に単語をまとめました。
これらもルールがないので、そういうものだとして覚える必要があります。
幸い数が少ないので簡単に覚えられると思います。
どれくらい(程度)+比較級
「~よりも~」といった比較の文法では、「~よりもどの程度~」と言うことがよくありますよね。
英語の文法ではいかのようにして表現します。
- someone/something + be/do + 程度の副詞 + 比較級 (+ than ~)
- someone/something + be/do + as 形容詞 as + someone/something
1は比較級の前に程度をあらわす副詞をつける方法です。
2は”as ~ as“を使って、「同じくらい~」もしくは「同じくらい~ではない」という意味をつくります。
ひとつづつ見ていきましょう。
程度の副詞 + 比較級
比較級のまえに程度を表す副詞をつけるパターンです。
よく使われる程度や量をあらわす副詞には以下のようなものがあります。
程度 | 副詞 |
---|---|
低い | any / hardly |
低い | little / a bit / slightly |
中 | quite / somewhat / rather |
高い | a lot / much |
程度の違う副詞を組みあわせることで、「~より少しだけ~」「~よりかなり~」といった表現をつくることができます。
いくつかの例文を見てみましょう。
程度の違いを正しく使って比較級の文法を使いこなしていきましょう。
as ~ as ~(対象と同じくらい)
もう1つの比較の文法が”as ~ as ~“という変わった文法です。
これは「比較対象とおなじくらい~」という、同等比較の文法です。
たとえば以下のように文をつくります。
as ~ as で使う形容詞は比較級ではなく原型のまま使うので注意が必要です(例:tastierではなくtasty)。
“as ~ as”については別の記事にて詳しく解説しているのでよかったら読んでみてください。
その他の比較級の文法
一般的な比較級を使った文法のほかにも例外的な表現があるので、ここで簡単に解説します。
紹介する比較級を使った文法は以下の2つです。
- ~er and ~er
- The ~er, the ~er.
~er and ~er
これは同じ比較級を”and”でつなげる文法です。
これによって「変化が持続している」ことを表現できます。
いくつかの例文をみてみましょう。
日本語での「もっともっと~」や「どんどん~」といった表現にあたるのがこの”~er and ~er”の文法です。
the ~er, the ~er
もう1つの特殊な文法が、”The ~er, the ~er.“です。
はじめて見たなら「なんだこれ?」と思うかもしれませんね。
意味は「より~なら、~だ。」という意味です。
“The ~er, the ~er.“のみで文をつくるだけでなく、比較級を修飾することでより詳細な情報をつけることもできます。
いくつかの例文をみていきましょう。
最も短い”The simple, the better.“の文法は、ようは”If it is simpler, it will be better.“という文と同じです。
いろいろと省略して”the”で置き換えているような感じです。
感覚的には分かりやすいと思うので、あとは会話や読み書きで使っていけば習得できるはずです。
まとめ
今回は英語の文法のひとつである比較級について解説しました。
「より~である」という比較級の文法には基本の型と特殊な型があり、以下のようにまとめることができます。
比較級の基本は”someone/something + be/do + 比較級 (+ than ~)“でつくることができます。
基本的に以下の3つのパターンで形容詞を変化させて比較級にします。
- 形容詞 + erの比較級
- more / less + 形容詞
- 特殊な比較級:まったく違う形になる
さらに、程度を表す副詞をつけ足すことによって「~よりも少しだけ~」や「~よりもかなり~」といった意味をつくることができます。
それ以外にも、「~と同じくらい~」という表現を”as ~ as ~“という文法を使って表現できます。
基本の型とはちがう、その他の比較級の文法には以下の2つがあります。
- ~er and ~er「より~になっている、継続的に~なっている」
- the ~er, the ~er「~なほど~である」
比較級には単語の変化や違った文法のパターンが多いので覚えるのが少し大変に感じるかもしれません。
とりあえずは基本の方さえ使えればそうそう困ることはないと思いますので、特殊な文法の表現は余裕が出てきたら勉強するようにしましょう。