仮定法の文法を理解すれば「本気なのかただの願望なのか」がわかる

takto, 2020 June 13

Category: 文法を上達させる

英語の文法の中でもわかりにくいものの1つが仮定法です。

「学校で習ったはずなんだけどいまいち思い出せない」

「時制がごっちゃになっていつも混乱する」

という人になるべく短く・簡潔に仮定法の文法のつくりかたと、時制によるパターンを解説しています。

目次

仮定法の基本をおさらいしましょう

仮定法は「現実とは違うこと」を言うための文法

仮定法は、「もし~だったら~するのに」という現実とは違うことについて言うときに使います。

1つ例文をみてみましょう。

If I could speak English well, I would travel around the world.

= In reality, I cannot speak English but if I can, I will travel around the world

(実際には話せないけど)もし英語がうまく話せたら世界中を旅行するのに

このように現実とは違うことについて、「もしそうだったら、~するのに」といった願望を表現するのが仮定法です。

なぜ仮定法が必要なのか

仮定法が必要になってくるのは

本気で言っているのか、ただの願望なのかわかる

という理由でしょう。

仮定法は使わなくても話す・書くことができますが、ネイティブはこちらに使ってきます。

聞く・読むときに仮定法を知っていれば「ああ、仮定の話ね」と理解してうまく意思疎通できます。

仮定法はコミュニケーションでよく使われます

仮定法の文法

通常の”if”を使った仮定文と仮定法の文法を比べるために↓の表にしました。

文法例文
通常の仮定文(現在)If I have a car, I will drive every day.
仮定法(現在)If I had a car, I would drive every day.
仮定法(過去)If I had had a car, I would have drriven every day.

それぞれの文で動詞である”have”と”drive”の時制が変わっているのが分かると思います。

わかりやすくすると以下のような違いになります。

  • If…現在…, …未来…「もし~なら~する」(現実に起こりえること)
  • If…過去…, …過去…「もし~なら~する」(現実的でないこと、願望)
  • If…過去完了…, …過去完了…「もし~だったなら~していた」(現実に起きなかったこと)

文法の違いをひとつづつ見ていきましょう。

「もし~なら~する」通常の仮定文

If I do …, I will do …

で構成されるのが通常の仮定文です。。

意味は「もし~なら、~する」という、現実でおこりえることに対しての行動を言うときに使います。

If節は”If I do …“と現在形になり

残りが”I will do …“と未来形になります。

通常の仮定の文と仮定法の違いは時制です。

「もし~なら~する」(願望)仮定法・過去

If I did …, I would do …

で構成される文法が仮定法過去です。

意味はできないことやありえないことに対して「もし~なら~する」という願望を表すための文法です。

If節は”If I did …“と過去形となり

残りも”I would do …“と過去形になります。

過去形の文なのに意味は現在になるので注意しましょう。

なぜこんな書き方になるのかというと

「現実ではない、事実ではないこと」を、本来なら間違った文法を使って表現している

というのが僕の解釈です。

それではいくつかの例文をみてみましょう。

If it was sunny, we could play soccer now.

(もし晴れてたならサッカーができた = 現実には晴れていない、晴れていてほしいという願望)

You didn’t have to pay fine if you could leave 5 minutes earlier.

(5分早く出ていれば罰金を払わなくてよかった = You have to pay fine now in reality.)

If my phone still had battery, I could make a call.

(もしバッテリーが残っていれば電話できたのに = In reality, no battery and cannot call.)

このように今現在の願望や「こうだったらよかったのに・・・」というぼやきの意味になっているのが分かると思います。

これらはすべて現在についての心境や行動ですが、動詞や助詞が過去形になるので注意しましょう。

1つ重要なルールとして、”was”を”were”に置きかえないといけない決まりがあります。

If I were you, I would quit the job.

(もしあなただったら、その仕事を辞めてる = You shoud quit the job.)

文法的にはほかの例と同じく過去形にするのですが、’was”となるところを”were”にします。

例外的なルールなので覚えておきましょう。

仮定法過去は過去形を使うけど意味は現在についてです

「もし~だったなら~していた」仮定法・過去完了

If I had done …, I would have done …

で構成される文法が仮定法・過去完了です。

意味は「もし~だったなら~していた」といった過去についての仮定法(願望)です。

If節は”If…had done…“で過去完了形になり

残りも”I would have done …“といったように過去完了形になります。

過去完了形を使うことによって、「もし(過去に)~だったら~していた」という過去のことについての願望をいう表現になります。

もうすでに起きてしまったことについての後悔や、そうならなかった場合の願望を言うときなどによく使われます。

それでは例文をいくつかみていきましょう。

If I had seen him coming, I would have stopped to meet him.

(もし彼がこっちに来ているのが見えたら立ち止まっていた = In reality, I did not stop because I didn’t see him.)

I could have passsed the exam if I had studied a bit more.

(あと少しだけ勉強していたら合格できた = I could not pass the exam)

If I had realised that I dropped my wallet, I would have gone back to collect it.

(もし財布を落としたことに気づいていたら取りに戻ったのに・・・ = I didn’t realise that I dropped the wallet and so I didn’t go back.)

過去完了形を使うので文が長くなりがちですね。

過去完了を使っていても意味としてはただの過去形と思って支障はありません。

例文から「もし~だったら」という、すでに終わったことに対しての願望や後悔を表現していることが分かると思います。

まとめ

今回は英語の文法でもわかりにくい仮定法について解説しました。

仮定法は「もし~だったら~するのに」といった、実際に起きなかったことへの願望などを言うための文法です。

仮定法を理解しておくことで、本気で言っているのか、ただの願望なのかわかるというメリットがあります。

“if”を使った通常の仮定の文と仮定法過去・仮定法過去完了の文を比べると以下のようになります。

  • If…現在…, …未来…「もし~なら~する」(現実に起こりえること)
  • If…過去…, …過去…「もし~なら~する」(現実的でないこと、願望)
  • If…過去完了…, …過去完了…「もし~だったなら~していた」(現実に起きなかったこと、願望や後悔)

注意点としては:

  • 仮定法・過去は現在についての状況や願望を言っている
  • 仮定法・過去完了はすでに終わった過去についての状況や願望を言っている

というところです。

実際の時制とのズレをつくることによって

「現実ではない、事実ではないこと」を、本来なら間違った文法を使って表現している

というのが僕の解釈です。

いずれにせよこのような文法(ルール)でネイティブは英語を使っているので、それに沿って勉強しておきましょう。

仮定法を理解して「本気」と「願望」を見極めましょう

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Takto

セルフィー

海外(オーストラリアとイギリス)在住歴計10年ほどの takto です。ブログを通じて英語の勉強をサポートできればと思っています。

経歴:

  • 大学生の時にTOEIC330点から英語学習を開始
  • オーストラリアの語学学校へ留学・そのあとの大学院留学時にIELTS 6.5達成
  • 大学院修了時にIELTS 7.5達成
  • そのまま現地企業にエンジニアとして就職

プロフィールその1:ブログ主の過去と転換点

プロフィールその2:希望とともに行動に移す

プロフィールその3:絶望的な英語力と上達しないフラストレーション、そして道が開ける


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