【t】の発音をわかりやすく解説:上級者向けのテクニックも紹介

takto, 2020 June 25

Category: 発音の矯正と練習

更新日:2020/09/10

  • 「tの発音のしかたを知りたい。」
  • 「tで終わるときには発音しないほうがいいの?」

tの発音に関するこうした疑問に答えていきたいと思います。この記事では以下の3つについて解説をしていきます。

  • tをきれいに発音する方法
  • スペルによる発音の違い
  • より自然に発音するテクニック

それでは早速はじめていきましょう:)

tの発音

tの発音のしかたは大体わかっている人が多いと思うので簡単に解説します。

tは舌を前歯と歯茎の裏にあててはじくと同時に音を出します。下の図で示すとおり、日本語の「タ」と比べるとより前の位置に舌をあてます。

【t】と「タ」の発音のしかたと違い

注意する点としては以下の2つです。

  • 舌の位置が後ろにいかないこと
  • 「ta」のように母音を含まないこと

確認としてtの音を聞いてみましょう。

teaの音声

talkの音声

ちなみにdの発音はこれと全く同じで、喉を鳴らすことでできます。

  • tは無声音(「ふ~」というため息をついたときのように息をはくだけで喉を鳴らさない音)
  • dは有声音(「う~」といううめきのように喉を鳴らして声を出したときの音)

舌の位置と子音だけを発音できるように練習しましょう。

スペルによる読み方のルール

スペルにtのつく単語には以下の3つの発音のパターンがあります。

  • t:take, talk, testなどほとんどの場合にはこの音になる
  • tʃ:tune, tutor, attitude, situationなど「tu」のスペル
  • θ/ð:think, thatなど「th」のスペル

ほとんどの場合に「t」はそのまま「t」で発音しますが、「tu」と「th」は音が変わるので注意しましょう。

“tu”から始まる場合にはcheckのchと同じ発音(tʃ)になります。

thはtではなく(θ/ð)という音になります。ただし固有名詞(Thailand, Thamesなど)ではthのスペルでtの発音をするものも多いので注意が必要です。

これらのルールがわかっていればスペルからある程度の発音のしかたを推測できます。

スペルと発音の関係については別の記事に書いているので参考にしてみてください。

英語はスペルを見ても発音のしかたがわからないときが多くあります。しかしある程度の読み方のルールが存在するので、それらを覚えればさらに効率よく発音や単語の勉強ができます。この記事では「母音・子音」の読み方と「アクセント」の位置をみつけるためのルールを解説していきます。

tで終わるときの発音

ネイティブの英語を聞いているとたまにtを発音していないことがあります。

とくに単語がtで終わるときに「言いやすいから」「面倒くさいから」ということで省略されることがあります(個人差がありますが)。

我々のような非ネイティブとしては以下のように練習していくことをおすすめします。

  • しばらくは単語の終わりのtもしっかりと発音する(伝わる発音を目指す)
  • 慣れてきたら音の変化をみにつける(より自然な発音を目指す)

それぞれ解説していきます。

省略せずにtをしっかりと発音する

まずは単語がtで終わる場合にも、日本語のクセやなまりをなくして1つ1つの音をしっかりと発音するようにしましょう。

いきなりリダクションとか消える音などのテクニックをやろうとしないほうがいいです。そうするとただでさえ単語・文法・アクセントなどの問題があるのに余計に聞きとりずらい英語になります。

例えば以下のような単語を発音するときには最後のtの音もしっかりと発音するようにしたほうが相手に伝わりやすい英語になります。

  • seat (si:t)
  • put (pʊt)
  • meet (mi:t)
  • fight (faɪt)
  • guest (gest)

もしこれらのtをしっかりと発音しなかったら、ただでさえクセのある発音がさらに聞きとりにくくなります。

例えば中国語では最後の音を発音しない傾向があるようで、なまりの強い人はそれを英語でもやってしまい、聞きとり不可能な英語になっている人も多いです。

僕の友達にも何人かいましたが、やたら速く流暢に話すけど文法が変でさらにtを含む単語の最後の音を発音しない人だったのでかなり聞きとりにくかったです。

まずはしっかりとスタンダードな発音をできるようにする、そして発音のテクニック(リダクションやリンキングなど)は後回しにしないと逆に聞きとるのが難しい英語になります。

カッコつけたりネイティブっぽくしようとしないで、とにかく「相手に伝わりやすい発音」をまずは目指しましょう。伝わらないとお互いに不幸になるだけです。

より自然な発音を目指す

中上級者は「聞きとりやすい発音」を維持したまま「より自然な発音」を目指して「リンキング・リダクション・音の変化」を練習しましょう。

例えばtで終わる単語は、次の音によって発音しない(リダクション)もしくはつなげる(リンキング)ようにします。以下のような場合にこうしたテクニックを使います。

  • 「I like it.」は最後の「it」のtを発音しない人が多いです。「舌を歯茎につけるけどはじきはしない」感じです。
  • 「at the moment」の「at the」はtを発音せずにtheを発音します(リダクション)。
  • 「give it a shot」の「it a」はtaを1つの音のようにしてつなげて発音します(リンキング)。

さらにtには音の変化があり、舌を前歯や歯茎に触れるだけではじかずに発音することがあります。例えば以下の単語のようにtがスペルの中間にある場合にそう発音する人が多いです。

  • 「water」は「waler」のようにして読む(舌をはじかずに触れるだけ)。
  • 「better」も「beler」のように発音する(同じ原理)。

この音の変化はとくにアメリカ英語で使われています。

tがrの音に変わると言われたりしますがどう考えてもlなので混同しないように注意しましょう。なぜrでないかというと、tとlの舌の位置がほぼ同じだけどrは全く違うからです。

tと同じ下の動きではじく力を弱めたのが音の変化の正体で、それはlの音になるはずです。

これらは自然な発音のしかたなんですが、うまくできないと逆に聞きとりづらくなる諸刃の剣です。なのでもし相手に伝わらなかったらいつでも基本の発音ができるようにしておく必要があります。

しかしこういった発音を自分でできるようになると、リスニングもしやすくなるので練習していくことをおすすめします。

まとめ

この記事では「t」の発音について解説しました。内容をまとめると以下のようになります。

  • tは舌を前歯と歯茎の裏にあててはじくと同時に音をだす
  • スペルが”tu”の場合には「tʃ」の音になる
  • 単語がtで終わる場合にもしっかりと発音するとより伝わりやすい英語になる
  • リンキングやリダクションを練習すればより自然な英語の発音に近づく

ほかの発音記号やスペルの読み方については別の記事でも解説しているので参考にしてみてください。

英語は発音記号を練習するだけで相手に伝わるようになります。日本人の多くはすでに十分な単語と文法を学校で学んでますが、発音だけが小学生以下のレベルなせいで相手に何を言っても通じない状況です。この状態を抜け出すための発音記号の学び方を解説していきます。

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Takto

セルフィー

海外(オーストラリアとイギリス)在住歴計10年ほどの takto です。ブログを通じて英語の勉強をサポートできればと思っています。

経歴:

  • 大学生の時にTOEIC330点から英語学習を開始
  • オーストラリアの語学学校へ留学・そのあとの大学院留学時にIELTS 6.5達成
  • 大学院修了時にIELTS 7.5達成
  • そのまま現地企業にエンジニアとして就職

プロフィールその1:ブログ主の過去と転換点

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