そもそもどうして英語の発音は難しいのか、あまり深く考える人は多くありません。
何がわからないのかがわからない、という状態の人もいるでしょう。
今回は僕のこれまでの経験を通して得た「英語の発音が難しいと感じる理由」をこの記事の中ではっきりさせたいと思います。
理由が分かれば、その対策をして発音を上達させられます。
記事の内容
- 理由1:英語の発音のしかたを知らない・習っていない
- 理由2:カタカナ発音による音の思い込み
- 理由3:英語は日本語よりも音の単位が細かい
- 理由4:日本語と違ってスペルと発音が一致しない
- 理由5:英語はアクセントとイントネーションが強い
- 理由6:音のつながり(リンキング)と区切りの違い
- まとめ・発音上達への対策
理由1:英語の発音のしかたを知らない・習っていない
もしもきちんと日本語の発音をするならば、日本語ネイティブでも口の形や動かし方を学びます。同じことを英語の発音でしたことがありますか?
英語の音声を聞いて自分流で「こんな感じだろ」と発音する人がほとんどです。しかしこのやり方だとまずムリです。なぜなら「口や舌」といった口のパーツの形・位置・動かし方を学ばない限り正しい音にはならないからです。
「口・舌・歯」といったパーツの使い方が大切ということを知らずに練習すると、喉の振動による周波数だけに頼って音を調整することになりますが、このやりかたでは日本語の発音だとしても正しい音にするのはムリです。
英語の発音はスポーツのようなもので、ただアスリートを見よう見まねで練習してもすぐに限界が来ます。
要は「なぜできないのか」「どう学ぶのか」がわかっていない、というのが問題であり、それ自体が発音が難しい理由になっているということです。
理由2:カタカナ発音による音の思い込み
「本当はそうは言っていないのにそう聞こえてしまう。」ということは日本語でも経験したことがあると思います。
聴覚を含む人の感覚器官は簡単に騙されます。
いわゆる「思い込み」というやつですね。味覚や視覚だけでなく、聴覚でも同じことが起きます。
普段からカタカナ発音が染みついている人は英語ネイティブの発音でも(頭が勝手に)カタカナ発音に置き換えてしまいます。
そして実際に聞こえる音とこのカタカナ発音の違いに対処できずに、なんの単語を言っているのか聞き取れない、ということが起きます。
日本語と英語の音は違います。英語には日本語に存在しない音があり、その逆も然りです。
しかし脳がカタカナ発音の音だと思い込んでいると英語が聞き取れなくなり、正しい音がわからないため自分でもうまく発音できない状況になります。
カタカナ英語による弊害については下の記事で詳しく解説しています。
日本人のほとんどの人がカタカナ発音を話しています。しかしこのカタカナ発音は日本人相手にしか伝わりません。さらに悪いことにほかの英語技能へ悪影響もあります。カタカナ英語でも通じるという盲信を止めて正しい英語の発音を習得しましょう。発音は実は簡単に矯正することができます。
理由3:英語は日本語よりも音の単位が細かい
日本語の「あいうえお」以外の音にはほぼ必ず母音がくっついてきます。
日本語の音はひらがなの表を思い浮かべればわかりやすいですが、行と列でまとめられています。そして基本的にどの音も子音と母音の組み合わせで1つの音になっています。
例外は母音「アイウエオ」と「ン」、それと「~ます。」の時の「す」あたりだけです。なので日本人の英語は母音が常にくっついた音を出している状態です。
たとえば【cat】を【cato】と言ってしまいます。
そしてこれが「日本語訛りの英語」の正体であり、英語の発音が難しい理由の一つです。
理由4:日本語と違ってスペルと発音が一致しない
ひらがなとカタカナはスペル=発音記号なので仮名と発音を一緒に覚えることができます。
ですが、英語の場合はスペルが同じでも発音が違うことがよくあります。そもそもアルファベットの読み方をそのまま使えないというのが日本語との大きな違いです。
そのため発音記号というものを見ないとどの音で発音するのかが分からないようになっています。
それでもいくらかのスペルと発音のパターンがあるので、学習していけばわかるようになります。しかしスペルから発音記号を予想できるようになるまでにはある程度勉強が必要で、発音を勉強してこなかった人たちには難しいです。
理由5:英語はアクセントとイントネーションが強い
英語はアクセントの音を伸ばしますが、日本語のアクセントとは比じゃないくらい強調します。
ついアクセントそのものに注目してしまいますが、実はアクセントでないことも重要です。なぜならアクセントでない母音は通常の読み方から【ə】の音に変わるからです。
このことはなかなか教わらないので知らない人も多く、リスニングとスピーキングの両方で苦戦してしまう理由の1つになっています。
アクセントと母音の変化については単語の発音練習についての記事で解説しているので、参考にしてみてください。
英会話で何度言っても相手に通じないもどかしい経験をしたことはありませんか?。その原因はずばり発音にあります。そこで発音矯正のロードマップとして発音記号、シラブル、単語、文という段階を通してネイティブにも1度言うだけで伝わるきれいな発音へと改善する方法をおすすめします。この記事ではシラブルと単語についての解説をしています。
さらに文になるとイントネーションも関わってきて、音の高さや大小がフラットな日本語に比べて英語ではトーンの変化が激しいです。
このイントネーションによる音の上がり下がりと、アクセントによる音の伸ばし、さらにはアクセントでない母音の音の変化が日本語との大きな違いとなり、発音するのが難しいと感じるわけです。
理由6:音のつながり(リンキング)と区切りの違い
英語は単語の最後の音と次の単語の最初の音をつなげて発音します。いわゆるリンキングと呼ばれているものです。
日本語の場合は、単語に使われている仮名1つで1つの音の単位になっていて、2つの仮名をつなげて音を出すことはありません。
一方で英語は子音と母音が音の単位となっていて、それぞれか自由につながって発音されます。音の単位が小さいからこそできることですね。
英語にこの音のつながりが存在する理由は、英語では単語で区切るのではなくいくつかの単語の塊(意味を持ったフレーズ)を発音の単位(息継ぎの目安)として見ているからでもあります。
つい単語の間にあるスペースを音の切れ目として見てしまいますが、実はネイティブはフレーズ単位でみています。
そしてこの違いでリンキングができなくなり英語の発音が難しいと感じる、というわけです。
まとめ・発音上達への対策
この記事では英語の発音が難しい理由を6つ挙げていきました。
理由をまとめると以下のようになります。
英語の発音ができない原因がわかればこれらを解決できるように練習していけばいいわけです ^^
具体的にどうやって発音を習得すればいいのかについては下の記事で詳しく解説しています。参考になるはずなのでぜひ読んでみてください ^^/
英語学習でも最も費用対効果が高い発音ですが、まずは発音記号をできるようにし、シラブル・単語・フレーズ・英文と段階的に練習していきましょう。あとは会話で実践しながら調整していけばOK。かなり即効性があり聞き手も喜んで自分の英語を聞いてくれるようになりますよ^^