今回は発音のルールということで、この記事ではこうした疑問や悩みに答えていきたいと思います。
英語は日本語と違って綴りから発音が必ずわかるわけではありません。同じスペルでも読み方が違うということが頻繁にあります。それでもいくつかの発音のルールや傾向があるのでそれらを理解すれば、より効率的にスピーキングや単語などの勉強ができるようになります。
この記事で以下の4つができるように書いていこうと思います。
- 「こういう条件ではこう発音する」というルールがわかる
- スペルから発音のしかたがわかる
- 単語を見たときにアクセントの位置が予想できる
- ルールを利用してどのように勉強すればいいのかがわかる
それでは始めていきましょう。
記事の内容
注意:説明をわかりやすくするためにカタカナで読み方を書きますが、カタカナ発音をしないように。あくまで英語の発音のルールを理解することを念頭に読んでください。
スペルからわかる母音の発音ルール
まずは単語のスペルと母音の発音のしかたがわかるルールとして、以下の5つを解説していきます。
- スペルが「子音 + 母音 + 子音 + e」の場合は母音をアルファベット発音する
- 同じ母音が2つ続いたらは伸ばして読む
- 「er/ur/ir」=「[ɜ: (ɜ:r)」
- 「ar」=「ɑ: (ɑ:r)」
- 「or」=「ɔ: (ɔ:r)」
では1つづつ解説していきます。
スペルが「子音 + 母音 + 子音 + e」の場合は母音をアルファベット発音する
単語が「子音 + 母音 + 子音 + e」の形のときは、母音をアルファベット発音します。
短い単語に頻繁に出てくるスペルです。例えば以下のような単語がこの形とルールに当てはまります。
- take/sale/rate = a =「eɪ」「エイ」
- nice/like/site = i =「aɪ」「アイ」
- cute/tube/dude = u =「ju:」「ユー」
- note/rose/zone = o =「oʊ」「オウ」
このルールには「a, i, u, o」の母音が当てはまりますが、「e」はおそらくこの形になる単語がないかと思います。
注意点として、このルールには例外があることで、例えば「have」はこの綴りの法則に沿っていますが発音は「へイヴ」のようにはなりません。しかしかなり多くの単語がこのルールに従って発音されるので覚えておくと便利なルールです。
このルールにしたがって、以下のスペルに当てはまる単語は「母音をアルファベット読みで発音する」と覚えておきましょう。
- 「子 + a + 子 + e」
- 「子 + i + 子 + e」
- 「子 + u + 子 + e」
- 「子 + o + 子 + e」
同じ母音が2つ続いたらは伸ばして発音する
見た目通りなのでわかりやすいですが、「oo」や「ee」といった同じ母音が2つつながった部分は伸ばして発音しましょう。
たとえば以下のような単語がこのルールに当てはまります。
「ee」=「i:」「イー」 | 「oo」=「u:」「ウー」 |
---|---|
cheek | food |
teeth | mood |
sheet | root |
feet | shoot |
peek | tool |
leek | loose |
bee | fool |
feed | pool |
teenage | cool |
street | balloon |
creek | loo |
looはスラングでトイレのことです。
たいていの単語はこのルールに従いますが、cook/woodのような例外もあるので注意です。
「er/ur/ir」=「[ɜ: (ɜ:r)」
「er/ur/ir」のスペルは母音「[ɜ: (ɜ:r)」の発音になることが多いです。
例えば以下のような単語は「ɜ:(イギリス)」「ɜ:r(アメリカ)」で読みます。
「er」 | 「ur」 | 「ir」 |
---|---|---|
certain | turn | girl |
service | urban | bird |
internal | purpose | birth |
reserve | purchase | shirt |
personal | nurse | thirty |
permanent | curve | stir |
determine | furniture | virtual |
deserve | surface | circle |
vertical | further | confirm |
このルールには例外もたくさんありますが、いい目安になるので覚えておくと役に立ちます。
「ar」=「ɑ: (ɑ:r)」
単語の「ar」のスペルは母音「ɑ: (ɑ:r)」の発音になることが多いです。
例えば以下のような単語は「ɑ:(イギリス)」「ɑ:r(アメリカ)」で読みます。
- park
- shark
- start
- guitar
- article
- charge
- artist
- partner
- argument
「or」=「ɔ: (ɔ:r)」
「or」の綴りは母音「ɔ: (ɔ:r)」の発音になることが多いです。
例えば以下のような単語は「ɔ:(イギリス)」「ɔ:r(アメリカ)」で読むことが多いです。
- fork
- sort
- abort
- border
- short
- storm
- perform
- informal
- important
- incorporate
- organisation
スペルからわかる子音の発音ルール
次にスペルからいくつかの子音の読みかたがわかるルールを紹介します。
- 「ph」=「f」
- 「gh」で終わる =「f」
- 「igh」=「i」
- 「kn」=「n」
- 「g」+「e/i/y」=「dʒ」(ジュ)
- 「g」+「e/i/y」以外 =「g」(グ)
- 「c」+「e/i/y」=「s」
- 「c」+「e/i/y」以外 =「k」
「ph」=「f」
単語のスペルが「ph」の場合には「f」の音で読みます。
例えば以下のような単語がこのルールに当てはまります。
- phone
- photo
- alphabet
- elephant
- demography
- pharmacy
- sophisticated
「gh」で終わる =「f」
「gh」で単語が終わる場合は「f」で発音する、もしくは読まない、というパターンがあります。
単語の終わりが「gh」で「f」と読む場合には「-ough」や「-augh」のパターンが多く、例えば以下のような単語がこのルールに従って発音されます。
- laugh (lɑːf)
- cough (kɒf)
- tough (tʌf)
- rough (rʌf)
- enough (ɪˈnʌf)
「gh」で終わるときに全く発音しないというのがもう1つのルールです。例えば以下のような単語です。
- though (ðoʊ)
- although (ɔːlˈðoʊ)
- through (θruː)
「gh」で終わる単語自体がそんなに多くないので覚えられるかと思います。
「igh」=「i」
「igh」がスペルに含まれる場合は「gh」をムシして「i」と発音します。
さきほどのルールに似ていますが、単語のどこかに「igh」の綴りがあったら「i」「アイ」と読みます。例えば以下のような単語にこのルールがあてはまります。
- right (raɪt)
- night (naɪt)
- tight (taɪt)
- fight (faɪt)
- eight (eɪt)
- insight (ˈɪnsaɪt)
- highway (ˈhaɪweɪ)
- weigh (weɪ)
- high (haɪ)
- highlight (ˈhaɪlaɪt)
「kn」=「n」
スペルに「kn」があったら、「k」をムシして「n」だけ発音するルールです。
「kn」はほとんどの場合に単語のはじめの部分に使われます。例えば以下のような単語です。
- know (noʊ)
- knight (naɪt)
- knife (naɪf)
- knock (nɒk)
- knit (nɪt)
- knuckle (ˈnʌkəl)
- acknowledge (əkˈnɒlɪdʒ)
「g」+「e/i/y」=「dʒ」(ジュ)
「g」と「e/i/y」のいずれかが組み合わさったときは「g」を「dʒ」(ジュ)と発音するルールです。
例えば以下のような単語があります。
- general (ˈdʒenərəl)
- gender (ˈdʒendə)
- geography (dʒiˈɒɡrəfi)
- ginger (ˈdʒɪndʒə)
- gist (dʒɪst)
- gym (dʒɪm)
「g」+「e/i/y」以外 =「g」(グ)
「g」のあとにくるスペルがさきほどのルールに当てはまらない場合(「e/i/y」以外)は「g」を「グ」のように読みます。
例えば以下のような単語です。
- guest (ɡest)
- guide (ɡaɪd)
- gap (ɡæp)
- good (ɡʊd)
「c」+「e/i/y」=「s」
「c」+「e/i/y」は「s」の発音になります。
このルールに当てはまるものは以下のような単語です。
- century (ˈsentʃəri)
- city (ˈsɪti)
- cycle (ˈsaɪkəl)
「c」+「e/i/y」以外 =「k」
「c」+「e/i/y」以外は「k」の発音になります。
- cake (keɪk)
- cook (kʊk)
- cut (kʌt)
アクセントのルール
英単語のアクセントの位置にはいくつかのルールがあります。わかりやすい3つのルールを紹介して、アクセント以外の音の変化について解説します。
- ルール1:アクセントの多くは後ろから2つめのシラブル
- ルール2:同じ子音が2つ続いたら、その前のシラブルがアクセント
- ルール3:「-tion/-tial/-tially/-tal/-cious/-ics」で終わる前のシラブルがアクセント
- ルール4:アクセントでない母音は「ə」
ルール1:アクセントの多くは後ろから2つめのシラブル
基本的に英単語のアクセントは後ろから2番目のシラブルにあることが多いです。わかりやすく説明するために順を追って説明します。
シラブルとは音節の事で、単語を構成するパーツのことです。基本的にシラブルは母音が1つと子音がいくつか合わさってできます。例えば「computer」は「com」「put」「er」の3つのシラブルからできています。
そしてアクセントの位置は後ろから2つめのシラブルにあるので、「com-put-er」の場合には「pu」(pju:)がアクセントになります。いくつか他の例も見てみます。
シラブル2つ:
- ˈper-fect (ˈpɜːfɪkt)
- ˈhead-ache (ˈhedeɪk)
- ˈsig-nal(ˈsɪɡnəl)
シラブル3つ:
- de-ˈli-cious (dɪˈlɪʃəs)
- in-ˈter-pret (ɪnˈtɜːprɪt)
- fan-ˈtas-tic (fænˈtæstɪk)
- ad-ˈvan-tage(ədˈvɑːntɪdʒ)
シラブル4つ:
- ac-a-ˈdem-ic(ækəˈdemɪk)
- an-a-ˈlyt-ical (ˌænəlˈɪtɪkəl)
- dip-lo-ˈmat-ic (ˌdɪpləˈmætɪk)
- ma-nuˈfac-ture (ˌmænjəˈfæktʃə)
シラブル5つ:
- ac-com-mo-ˈda-tion (əˌkɒməˈdeɪʃən)
- com-mu-ni-ˈca-tion (kəˌmjuːnɪˈkeɪʃən)
もし単語がシラブル1つでできていたらその部分の母音がアクセントになります。例えば「run」は「u」にアクセントがあります。
ルール2:同じ子音が2つ続いたら、その前のシラブルがアクセント
英語の単語のスペルには同じ子音が2つ続くものがいくつかあり、この部分の1つ前のシラブルがアクセントになります。
例えば「different」という単語は「ˈdif-fe-rent」というシラブルに分けられ、アクセントは「ff」の前のシラブル「dif」の母音にあります。
他にもいろいろな単語がこのルールに従います。
- coffee (ˈkɒfi)
- pattern (ˈpætən)
- ferry (ˈferi)
ただし例外もあり、たとえば「dessert」は「des-`sert」と「ss」の後ろにアクセントがあります。
ルール3:「-tion/-tial/-tially/-tal/-cious/-ics」で終わる前のシラブルがアクセント
英単語が「-tion/-tial/-tially/-tal/-cious/-ics」で終わる場合には、その前のシラブルがアクセントになります。
例えば「proportion」は「pro-ˈpor-tion」というシラブルになり、アクセントは「por」にあります。
このルールに沿う他の単語もみてみましょう。
- trans-por-ˈta-tion (ˌtræns-pɔː-ˈteɪ-ʃən)
- dif-fe-ˈren-tial (ˌdɪ-fə-ˈren-ʃəl)
- i-ˈni-tial-ly (ɪ-ˈnɪ-ʃə-li)
- en-vi-ron-ˈmen-tal (ɪn-ˌvaɪ-rən-ˈmen-tl)
- de-ˈli-cious (dɪ-ˈlɪ-ʃəs)
- math-e-ˈmat-ics (ˌmæθ-ə-ˈmæt-ɪks)
このルールは当てはまるものが多いので覚えておくと役に立つはずです。
ルール4:アクセントでない母音は「ə」
あまり知られていないですが、英語の発音においてかなり重要なルールです。
アクセントでないほかの母音は「ə」の音に変化します。なので必然的に母音が2つ以上ある単語にこのルールがあてはあまります。
例えば「different」は発音記号に直すと「ˈdɪfərənt」になります。最後の「rent」の部分は通常なら「e」の母音で発音しますが、「ə」の音に変化します。しかしこの変化を知らないと「rent」と読んでしまい、英語がカタカナ発音のようになりやすくなります。
他にもこのルールに従う単語の例をみてみます。
- fortunate (ˈfɔːtʃənət):「ネイト」ではなく「ナト」のように聞こえる
- standard (ˈstændəd):「ダード」でなく「ダド」に聞こえる
- forward (ˈfɔːwəd):「ワード」でなく「ワド」に聞こえる
- indicative (ɪnˈdɪkətɪv):「ケイティブ」でなく「カティブ」に聞こえる
- pollution (pəˈluːʃən):「ション」でなく「シャン」に聞こえる
注意点は「必ずすべての母音が変化するわけではない」「人によっては発音記号がəに変化していなくてもəで発音する」という点です。
しかしこの母音の変化を知らないと、とくにリスニングで苦戦します。例えば「e」だと思っていたのに「ə」の音を聞くと「エ」と「ア」くらいの違いになるので単語を判別できなくなります。
自分の発音を正すだけでなく、リスニング力のためにもこのルールを頭に入れておきましょう。
まとめ・次のステップへ
この記事では英語の発音のルールを以下の3つについて解説しました。
- スペルからわかる母音の発音ルール
- スペルからわかる子音の発音ルール
- アクセントのルール
紹介したルールは100%当てはまるものではなく例外もありますが、単語の発音が分からない場合に読み方を予想するのに役に立ちます。
これらのルールでできるのはあくまで「予想」ですので、辞書などでしっかりと発音のしかたを調べることをお勧めします。
次のステップとして、これらの発音のルールを生かしてどう英語の勉強していくのかが大切です。
このブログでは発音の勉強のしかたについて別の記事にしているので、勉強の順序や具体的な方法についてしりたい人はぜひ参考にしてみてください。
英語において発音は単語や文法と同じように必須ですが日本の教育では軽視されてきました。この記事では発音が重要である理由と日本人が英語を発音できない理由そして発音を習得するための勉強法を解説します。