英語の文法と順番に関するこうした悩みに答えられるように記事を書いています。この記事の中では以下の2つを目標としています。
- 英語の文法・語順についての基礎がわかる
- 英語を一度読む・聞くだけで理解できるようになるための勉強方法がわかる
それでは始めていきましょう。
記事の内容
英語の文法・語順の基礎
まずは英語の文法と語順についての基礎を解説していきます。
- 英語の文を構成する4つのパーツ
- 構文と順番
この2点について見ていきます。
英語の文を構成する4つのパーツ
英語の文をつくるために必要なものは以下の4つです。
- 主語:Subject
- 動詞:Verb
- 目的語:Object
- 接続詞句:Prepositional Phrase
それぞれには以下のように異なる役割があります。
主語 (Subject):
動詞 (Verb):
目的語 (Object):
接続詞句 (Prepositional Phrase):
1つ注意すべき点として、これらは1つの単語で表現されるとは限りません。
複数の単語で表現する
例えシンプルな英文でも、「主語」「動詞」「「目的語」「接続詞句」が複数の単語によって構成されることがよくあります。その例をいくつか見ていきましょう。
複数の単語による主語 (Subject):
複数の単語による動詞 (Verb):
複数の単語による目的語 (Object):
接続詞句 (Prepositional Phrase) はその名の通りフレーズなので複数の単語で表現することが多いです。上の例文で言うと
このように複数の単語によって文法のパーツが構成される場合には、いくつかのパターンが見られます。これを利用して、どこからどこまでが1つのパーツなのかがわかれば英語を理解しやすくなります。
構文と順番
続いて英語の構文と順番について以下の3つについて解説していきます。
- 英語と日本語の文法・順番の違い
- 英語の5つの型
- 英語では「時間」「場所」「理由」「方法」が最後に来る
それでは1つづつ見ていきましょう。
英語と日本語の文法における順番の違い
英語の語順は「誰が」「~する」「何を」です。日本語と違って動詞が主語のすぐあとに来るのが特徴であり、それが日本人にとって英文の理解がしにくい理由です。
なぜこういった順番になっているのかというと「誰が何をするのか」が最も重要な情報で、重要なことを最初に言うのが英語の表現のしかただからです。
それに対して日本語は「誰が何について、いつ、どこで」という背景情報を先に説明してから「~する」という動詞を最後に言うのが基本的な順番になっています。
簡単な文で英語と日本語の語順を比べてみましょう。
- I go home. (S + V + O)
- 私は家に帰ります。 (S + O + V)
語順が明らかに違いますね。まずはこのシンプルな例から具体的な違いを理解しておきましょう。
英語の5つの型
英語の文法と語順の基本には5つの型があります。
【SV】:主語 + 動詞
【SVO】:主語 + 動詞 + 目的語
【SVOO】:主語 + 動詞 + 目的語 + 目的語
【SVP】:主語 + 動詞 + 接続詞句
【SVOP】:主語 + 動詞 + 目的語 + 接続詞句
これらの基本の5つの型と語順をまずは知っておきましょう。強調構文などによってこの順番が変わることもありますが、まずは基本的な英語の順番に慣れておくことが重要になります。
英語では「時間」「場所」「理由」「方法」が最後に来る
基本の5つの型でもわかるように、英語の文法では「いつ」「どこで」「なぜ」「どうやって」が文の最後に来ます。日本語と比べると違いがわかりやすいです。
英語と日本語の語順をわかりやすく比べるために、同じ色の線でSVOPに対応するパーツをつなげています。
次に「時間」「場所」を組み合わせた例をみてみます。
「理由」を組み合わせた場合にも語順の違いがあります。
このように「いつ」「どこで」「なぜ」といった情報は「日本語では最初か前のほうに来る」が「英語だと最後に来る」という違いを理解しておきましょう。
英語の文章を何度も読み返してようやく理解できるのはこの語順の違いが理由の1つです。
この違いをしっかりと理解して英文の読解をしていくことでリーディング力も伸びやすくなります。下の記事では語順や構文をふくめた英語の長文読解力を鍛えるための勉強法について解説しているので参考にしてみてください。
英語の語順は日本語と違うため、慣れないと何度も聞き返したり読み返さないと理解できないことが多いかと思います。原因は文法における言葉の順番の違いと、英語と日本語を行き来することに起因します。この記事ではまず文法と語順の型について解説して、英語の語順のままスッと理解できるようにするための効果的な勉強のしかたを紹介していきます。
ここからは、この違いを理解したうえでどのように英語の勉強していけば、何度も読み返さずに英語がわかるようになるかを解説していきます。
英語の語順のままわかるようになる勉強方法
ここからは英語の文法の順番のままりかいできるようになるための勉強方法を紹介します。主に以下の2つの方法について解説していきます。
- 日本語に訳さずに英語のまま理解する
- 「SV」で考えて「O」と「P」を後付けするクセをつける
これらは僕自身が勉強してきて効果が高かったもので、日々の勉強に取り入れていけば徐々に脳が自動的に英語の語順で考えるようになっていきます。
日本語に訳さずに英語のまま理解する
英語の意味を理解するために日本語に訳そうとすると、語順の違いのせいで一度聞く・読むだけで理解するのが難しくなります。
とくにリスニングでは一度しか聞くことができないので、聞こえる順番のまま理解しないといけません。
日本語に訳して意味を理解するためには、まず最後まで聞いてから順番を日本語の語順に変えないと理解するのが難しいです。例として以下の文を見てみます。
この文は「主語」=「Many people」、「動詞」=「want to live」、「接続詞句」=「near teir workplace」で構成されており、日本語に訳してから理解しようとすると「Many people」「near their workplace」「want to live」という順番にしないといけません。
読むのならまだいいですが、これを音声で聞くとなると困難です。
もう少し長めの例文を見てみましょう。
これも日本語に頼ってしまうと、最後まで聞いてから語順を変えてようやく理解できます。しかし順番を変えている間にも話し手は進んでいくのでリスニングが追いつかなくなります。
こうした理由から、英語を聞いて順番を変えずともそのまま理解できるようになる必要があります。英語のまま理解するためにはいくつかの勉強方法がありますが、詳しくは別の記事にて解説しているので参考にしてください。
英語の上達に欠かせない英語脳のつくりかたについて解説しています。英語脳は意識して正しく勉強していけば誰にでも作ることができます。具体的な勉強方法と必要な考え方について詳しく説明していきます。
どうすれば英語の語順のまま理解できるようになるのかという点については、次で説明します。
「SV」で考えて「O」と「P」を後付けするクセをつける
まず「SV」を考えて「O」や「P」を付けることに慣れることです。
英語の語順は基本的に「SV」から始まってそのあとに必要な情報を加えていきます。
「誰が~する」+「何を」という順番で物事を考える練習をします。わかりやすいのが自分がこれからすることや過去にしたことを英語で考えることです。基本的には「I do + something」「I will do + something」「I did + something」の型になります。
- I play…baseball.
- I ate…a cake.
- I studied…English.
- I will sell…my phone.
これらを「英語で思考」してつくるようにしましょう。そして独り言でもいいので声に出すもしくは書くと、より学習の効果が期待できます。なれてきたら次の段階へ進みます。
次にPrepositional Phraseで「いつ」「どこで」「どうやって」「なぜ」という情報を後付けする練習をします。
- I play…baseball…every Saturday.
- I ate…a cake…at a cafe in Shibuya.
- I studied…English…by talkiing with a friend from America.
- I finished…my homework…
- I will sell…my phone…because I want a new one.
これで色々なことについて、英語のまま考えて英語の語順で表現できるようになっていきます。慣れてきたら、「いつ」「どこで」「どうやって」「なぜ」を組み合わせていくことで、さらに英語の語順を使いこなせるようになります。
自分で考えることができる英語は「聞く・読む」ときにもスッと理解できます。なので英語の語順のまま「話せる・書ける」ことを増やしていくことで、より多くの表現を英語のまま理解できるようになります。
まとめ・次のステップ
今回の記事では英語の文法と順番について以下の2点について解説していきました。
- 英語の文法・語順の基礎
- 英語を一度読む・聞くだけで理解するための勉強のしかた
次のステップですが、まずは日本語と英語の語順の違いをだいたい理解し、それからは本文で述べたように「英語で思考」して「英語の語順」でものごとを考えるようにすることがオススメの勉強のしかたです。そうすることで
- 英語で考えるときには脳が自動的に英語の語順で考える
- 日本語のときは日本語の順番で考える
ということができるようになります。英語のまま理解するための「英語脳」の鍛え方を別の記事に書いているので参考にしてみてください。
その段階までくればリスニングやリーディングでも「日本語に訳す」「何度も聞き返す」「後ろから読む」といったことをしなくても理解できるようになります。さらにスピーキングやライティングでも、英語で思考してそのまま言葉にすることができるので、「日本語から訳す」「語順を変える」という作業をせずに自分の言いたいことがすぐに言えるようになります。
それと同時により高度な文法との組み合わせも「英語で思考」して順番に慣れるようにしていきましょう。例えば「受動態・使役・関係代名詞・関係副詞」などを取り入れていけば、表現の幅がかなり広がります。
より高度な文法も含めて、英語の文法の勉強方法を別の記事でまとめているので参考にしてみてください。
英語の文法って地味でつまらない、いつまで勉強すればいいのかわからないと感じている人が多いと思います。文法は主体的に学習してこそ効果的に学んで覚えていくことができます。その具体的な方法をこの記事で解説していきます。