もし技術者として海外で働く場合はどれくらいの英語が要求されるのでしょうか?
僕の今までの体験をもとにして個人的な考えを皆さんとシェアしたいと思います。技術者でなくともオフィスワークであれば共通することも多いと思います。
実際に海外で働くことをイメージするのに役立てられたらと思います。
目次
想定する海外での仕事
僕は技術者として働いてきたので、基本的にはその視点から必要な英語力を書きたいと思います。
技術者といってもオフィスワークがほとんどなので、一般的なオフィスワークにも通じるところが多々あると思います。
今回の内容としては通常の業務の遂行と、一般的に必要となるミーティングやプレゼンテーションを乗り越えるのに必要な英語について僕の考え方をシェアしていきます。
業務の遂行に必要な英語力
土木系技術者としてのいままでの業務を大きなカテゴリーに分けると以下のようになります。
- 調査(必要な情報やデータを収集する)
- 計画(都市の開発計画や戦術的なアドバイザリー)
- 分析(データの分析、シミュレーション、プログラミングなど)
- マネージメント(プロジェクトやタスクの管理)
- 資料づくり(レポートやプレゼンテーションなど)
それぞれの表無で必要となる英語力について参考までに僕の考えを書いていきます。
調査における英語のコミュニケーション
調査や情報収集をする場合は英語による正確なコミュニケーションが大切になります。調査の対象、時間や場所の指定、メンバーの役割などを正確に伝えるもしくは理解する必要があります。
当然のことながら口頭でのコミュニケーションが重要で、調査に参加する人たちの中で意思疎通をしていくことになります。正確なコミュニケーションをするためにおさえておきたいのが文法です。以前にも触れたとおり単純な間違い、たとえば時制などが大きなミスや誤解を招く危険があります。
こうしたチーム間で正確なコミュニケーションをとりたいときは、流暢に話すよりも正確なスピーキング力が大切になると思います。それでもミスはしてしまうので、会話中に疑問に思ったことなどを質問・確認したり、事前にメールなどで文章に書いておくなどの工夫をして失敗の予防をできるようになるとうまくいきやすいと思います(ライティングなら文法や表現をじっくりと確認できます)。
計画形仕事に重要となる英語の能力
将来のビジョンやそれを達成するために何をするべきか考えて行動計画にしていくような業務が含まれます。土木や建設といった公共性の高い分野の技術者であればこういった計画系の仕事に就くことがあると思います。
対象とするものは違いますが計画をつくって発表していく仕事はある意味エッセイの練習の応用のようなものだと思います。大雑把に言うとビジョンの達成に何が必要か?というエッセイの質問に対してライティングをする感じでしょうか。
この場合は読者(意思決定者)に対して納得させられるようなトピック(何をするか)と、そのサポート(なぜそれをするべきかという理由など)をあわせたパラグラフでエッセイを完成させるような作業に似ています。そうして見るとライティングで練習するエッセイの書き方や考え方が役に立ちます(構成や事前の計画の仕方などのテクニックを含めて)。
ライティングの応用とすれば基本となる構成やスタイルを、その仕事に会うように変更を加えればうまく計画をまとめることができます。あとは論理的に考えたり専門的な知識を利用してより読者が納得できる内容のものに仕上げることができればうまくいきます。
書く以外にもちろん同僚や上司との会話の中で意見交換や意思決定をしていくことが求められます。そうした場合は総合的な能力、相手の話を理解する、自分の考えをまとめる、相手に伝える、理由をつけて納得させる、フィードバックを受けて理解する・・・というループを続けられるようになる必要があります。
このようなコミュニケーションのスピードについていくにはやはり英語で思考しないとムリでしょう。全ての工程で日本語を介していてはスピードだけはなく誤解の原因にもなってしまいます。
分析のための英語
技術者の場合は分析で求められる英語力というは、専門的な用語を知っていることとそれを他の人とコミュニケーションできることでしょう。
技術者の種類にもよりますが数学や科学用語を知らないと調べ物をしたりするときに苦戦するかもしれません。こういった専門用語は基本的に覚えていくのが難しい、もしくは覚える機会が少ないと思うので、もしすでに日本語で何というのかわかるならばその英訳で手っ取り早く調べてしまっていいと思います。仕事なのであまり悠長なことも言っていられないし、専門用語の本質的な意味が分かっていれば十分でしょう。
こういった特殊な用語などは専門外のネイティブは知らないので、うまく説明できる必要があります。そういったときに役に立つのが英単語を知っている言葉のみで説明する能力です。
これは英英辞書を使っていくうちに学習できるスキルで、一般的な単語で相手にわかるように説明することができます。英英辞書とこの説明するちからんいついてもう少し詳しく解説してえいるので、興味があれば↓のリンクにある記事を読んでみてください。
ちなみにプログラミングなどは英語でのコミュニケーションが重要でないと思われがちですが、それでもチームメンバーと一緒に働く限り避けられません。
仕事を依頼されればその内容を理解する必要があるし、自分の仕事が終われば相手に説明する必要があります。それ以外にも仕事中に他の人の助けが必要だったり細かい部分の確認をとったりと、頻繁にコミュニケーションを取らなければいけません。
やはり少なくとも日常会話くらいはできないと他の人たちと一緒に働くのは辛いでしょう。
マネージメント作業のための英語力
プロジェクトやタスクの管理はオフィスワークであればほとんどの人が行うと思います。主にプロジェクトの計画や進行状況の記録・確認、関係者への報告など多岐にわたりますが、プロジェクトのメンバーとの調整や相談などが多くなります。
英語でマネージメントをするためにはプロジェクトの状況、自分やメンバーの状況などを整理して説明できるようになる必要があります。プロジェクトの計画に対しての進行具合はどうか、どういった問題があるか、その解決に何が必要か、といったようなことをずべて英語で報告・議論できれば英語力の面では大丈夫だと思います。
資料づくり
最後に資料づくりについて書きます。技術者ならば技術ノート、レポートやプレゼンテーションの資料を作る機会が多いと思います。
英語力に関して言えばライティングが重要になってきます。ビジネスの場合はテンプレートがたくさんあるのでそれらを参考にすればうまくレポートの構成を作れるでしょう。一般的には背景や導入ではじまり、レポートの肝になる部分(分析方法や分析結果など)、そしてまとめとリコメンデーションといった書き方が一般的かと思います。会社で以前に作られたレポートなどから学べることが多いのでその分書くのが楽になると思います。
内容についてはこれもエッセイのようにリコメンデーションへとつながるようにそれぞれの分析と結果をまとめていけば読みやすく、読み手が納得しやすいレポートの作りになるはずです。エッセイで学んだスキルはこのように仕事のレポートにも応用しやすいため、練習しておく必要があります。
仕事に疲れたらビーチでのんびりしたいところです
会議やワークショップ
仕事で会議やワークショップなどに参加する場合には以下のようなことを英語で出来るようになる必要があります。
- 会議で議事録やメモをとる
- 会議やっワークショップでの議論に参加して貢献する
- プレゼンテーションや発表をする
それぞれに必要な英語やテクニックを書いていきます。
会議で議事録やメモをとるための英語力
会議に参加する場合には議事録をとるようにと頼まれるかもしれません。もし頼まれなくとも良い英語の練習になるので自主的にメモを取るといいと思います。
会議で議事録を取る場合にはおそらく上級レベルのリスニングが必要になるでしょう。リスニングでもとくに要点をつかむ能力が重要になるとおもいます。
というのも会議中はネイティブ同士の意見が飛び交い、議論の方向性が頻繁に変わったりするせいで慣れるまではついていくのが大変だと思います。こういったリスニング環境での議論を理解するには、必要な情報のみをピックアップして意思決定や合意がとれたかどうかをしっかりと聞き取る能力です。
もしも途中でついていけなくなったらなるべく早めに質問をして理解しておかないと置いていかれてしまいます。とくにひとつの議論がひと段落したような時に結論がわからなかったら質問して明確にしておくべきでしょう。精神的なプレッシャーがあるかもしれませんが、速めにしておかないとさらに会議についていけなくなります。
議事録やメモをとったあとには、他の人と確認すれば自分がしっかりと会話を聞き取れていたかのいい確認になります。これを何度か繰り返していけば段々と会話についていけるようになるはずです。
僕も新人のころに議事録をいつも頼まれていたのですが、本当に苦労しました。使われている単語はだいたいわかったのですが何を意味しているのかよく分からないということがはじめは多かったです。これはビジネスや用語をわかっていなかったことが主な原因だと思います。このころはうまく要点だけをメモしたりすることも出来ていなかったので、かなり苦労した覚えがあります。
議論に参加して貢献するための英語力
会議やワークショップに参加するからには自分の知識や考えを伝えて仕事に貢献したいところです。しかしそう簡単には行かないでしょう。
議事録やメモは聞いて理解することに集中できますが、議論に参加するとなるとさらにスピーキング力が必要になります。具体的には複数の参加者の議論を聞いて理解しながら自分の意見や考えをまとめてすきを見て発言しなければいけません。そして自分の意見を言った後にはそれに対する相手の反応や考えが飛んできますので、それに素早く対応しなければいけません。
このような仕事における会議では内容も難しくなりがちで、さらにネイティブのスピードについていくとなると上級レベルのリスニングとスピーキングが必須となるでしょう。
もし会議でうまく参加・発言できる自信がない時は、事前に資料などをを読んでおいて想定される質問や求められる情報などを考えておくといいです。最初は聞き取るのが難しいかもしれませんが、要点をつかめるようになるとリスニングが追いついていけるようになります。まずは議事録をとっていって議論の内容を理解できるようになることを目指しましょう。
慣れてきたら自分から発言してミーティングに貢献しましょう。自分の意見をねり上げるためには、議論を聞いている間にも常に脳に考える余裕を持っておく必要があります。感覚としては70%をリスニングに使い、残りの30%で情報を整理しながら自分の意見をつくりあげるといった具合です。
ネイティブとの議論も慣れえてくればリスニングに30%ほどの脳のプロセスを使えば十分理解出来るようになってきます。そうすると他の作業をしながら議論を聞いて理解するといったことができるようになります。僕もオンラインでの会議などでは他のことをしながら聞いたりすることがよくあります。もちろん最初は難しいので、慣れていくうちに少ない集中力で議論についていけるようになるはずです。そしてそうなれば自分の意見を言うことも楽にできるようになるはずです。
プレゼンテーションや発表に必要な英語力
最後にプレゼンテーションなどで英語で発表をする場合を考えてみましょう。英語で人前で発表なんてなかなか恐ろしいことに聞こえますが、案外できるようになります。
発表ということでスピーキング力は高いほうがもちろんいいですが、低くても発音さえしっかりしていれば残りは事前準備でカバーできます。逆に発音が悪いと理解してもらえないので最悪他の人と交代することになるかもしれません。
プレゼンテーションや発表をする場合。事前準備をするのがなあによりも一番大切だと思います。なるべく簡潔に資料やスライドがあるならば1ページごとに言いたいことを簡潔明瞭にできれば発表するときに楽だし、聞いている相手も理解しやすくなります。
あとはゆっくりとしっかり発音をしながら発表していけば聞いているほうは理解できるでしょう。スピーキングに余裕が出てくれば準備が少なくても何とか回せるようになります。しかし仕事なので要点だけはしっかりとまとめて明確に伝えられるようになるのが望ましいでしょう。
まとめ
今回は僕のこれまでの海外勤務の毛英検ンをもとにして海外で働くための英語力についての考えをまとめました。技術者の視点ですので少しかたよっていますが、オフィスワーク全般にも言えることが含まれていると思います。
記事の内容を短くまとめると、上級レベルのリスニングとスピーキングがないと仕事のペースやネイティブ同士のやりとりについていくのは厳しいということです。さらに自分の意見や考えを伝えて仕事に貢献するとなるとさらに高い英語力が要求されえるでしょう。
もう一つ英語力について書いていて感じたことが、やはり他の人たちとのコミュニケーションをいかに正確にこなせるかということが中心になりました。英語が道具であるというのはまさにこのことで、英語はコミュニケーションに使って何かをすることにこそ価値があるのだと思います。