こうした問題を解決できるように発音記号の「ʌ」の発音方法について解説していきます。
「ʌ」は母音の1つで「bus」や「cut」などに含まれる音ですが日本語の「ア」に置き換えてしまうと他の似たような英語の音と混同してしまい、自分の英語が相手に通じにくくなります。
さらに聞きとりでも音を正しく聞き分けられないのでリスニングの能力もなかなか向上しないという問題があります。
この記事ではまず自分が正しく発音できるように発音のしかたを解説します。そしてその音を聞き続けていくことでリスニングで音を正しく認識できるように練習していきます。
記事の内容
「ʌ」の発音のしかた
「ʌ」の発音は以下の点を意識して行ってください。
単語の例 | 発音のコツ |
---|---|
cut [kʌt] | |
「ʌ」の音はなにかに驚いたときに出す「あ」に近いです。ただししっかりと口を横に広げて言うところがポイントです。
似ている音との違い
「ʌ」と混同しがちなのが「ə」「ɒ」「ɑ:」「ɑ:r」の4つです。
それぞれの音と発音のしかたの違いがわかるように下の表にまとめました。
発音記号 | 発音のしかた |
---|---|
ʌ |
|
ə |
|
ɒ |
|
ɑ: |
|
ɑ:r |
|
詳しくは【a】の発音5種類と見分け方を解説の記事でも解説しているので参考にしてください。
「ʌ」を含む単語で練習
最後に「ʌ」を含む単語で練習してみましょう。似た音と混同しないように注意してやってみてください。
「ʌ」を含む単語 | 発音のコツ |
---|---|
hut [hʌt] | 「h」を発音するときに口を横に広げて「ʌ」へつなげる。最後に「t」を舌を前歯の裏・歯茎ではじいて発音。「h」発音の記事を参照 |
must [mʌst] | 「m」は口を少し強めに閉じてからはじいて「ʌ」で口を横に広げて発音。口はそのまま横に広がった状態で歯を閉じて「s」、最後に「t」を舌を前歯の裏・歯茎ではじいて発音。「m n ŋ」発音の記事を参照 |
chuck [tʃʌk] | 「tʃ」を歯を閉じて口をアヒル口で縦にあけて舌を歯茎の裏につける。口を開けて舌をはじくと同時に音をだして「ʌ」を発音して「k」で舌を口の奥ではじく。「tʃ dʒ」発音の記事参照 |
blood [blʌd] | 「b」は口を閉じてからはじいて発音して「l」を舌を前歯の裏・歯茎ではじき「ʌ」へつなげる。最後に「d」でまた舌を前歯の裏・歯茎ではじく。「b」で口を閉じたときに舌を前歯の裏につけて「l」の準備をしておくと楽。「r l」発音の記事を参照 |
luck [lʌk] | 「l」で舌を前歯の裏ではじいて「ʌ」へつなげて「k」で舌を口の奥ではじいて発音する。「k g」発音の記事参照 |
son [sʌn] | 「s」は歯を閉じて口を横に広げて息をはき「ʌ」を口を横に広げたまま開けて発音。「n」で舌を前歯の裏・歯茎につけて発音(舌はつけっぱなしにする)。「s sh」発音の記事参照 |
some [sʌm] | 「son」と同じ要領で最後の「m」で口を少し強めに閉じて発音する(口は閉じたまま) |
スペルだと「u」や「o」が「ʌ」になることが多いですがもちろん例外もたくさんあるので英英辞書などで発音記号を確認することをおすすめします。
単語を通して発音するには発音記号1つ1つで正しい口のパーツの使い方ができる必要があります。
なのでまずは発音記号をひと通り矯正してから単語で練習すればどんな単語でもきれいに発音できるようになります。
詳しい英語の発音の勉強法については下の記事を参考にしてください。
英語学習でも最も費用対効果が高い発音ですが、まずは発音記号をできるようにし、シラブル・単語・フレーズ・英文と段階的に練習していきましょう。あとは会話で実践しながら調整していけばOK。かなり即効性があり聞き手も喜んで自分の英語を聞いてくれるようになりますよ^^
まとめ
この記事では「ʌ」の発音のしかたについて解説しました。内容をまとめると以下のようになります。
- 「ʌ」の発音のしかたは
- 口を横に広げる(日本語の「イ」のような形)
- 音は日本語の「ア」と同じで短めに発音する
- 「ʌッ」のように音が途切れないようにする
- 似ている音として「ə」「ɒ」「ɑ:」「ɑ:r」の4つとの違いを意識して練習する
とくにカタカナ英語で日本語の「ア」に相当する音はたくさんあるので注意が必要です。
日本人にとっては似ている音でもネイティブのとっては違う音としてとらえるので、こちらもその意識をもってしっかりと発音の練習をして使い分けられるようにしましょう。
結果としてネイティブの発音を聞きとりやすくなりリスニング力も上達します:)