「talk」や「core」などにふくまれる母音が「ɔ:」と「ɔ:r」で、カタカナ的には「オー」や「オアー」と発音されていることが多い音です。
それでは伝わらないというほどではないですが、しっかりと英語の発音のしかたをしないとやはりネイティブにとって聞きとりづらかったり別の音と混同してしまうことがよくあります。
この記事では「ɔ:」と「ɔ:r」の発音のしかたについて図解しながらどうすればカタカナ発音から抜け出せるか解説していきます。
記事の内容
「ɔ:」と「ɔ:r」の発音のしかた
「ɔ:」と「ɔ:r」の発音は同じ記号を使っていることもあり共通点があります。
ただし注意すべき点として、基本的に「ɔ:」はイギリス発音で「ɔ:r」はアメリカ発音であるということです。「ɔ:」はアメリカ発音では「ɒ」で置き換えられ、「ɔ:r」はイギリス発音では「ɔ:」になります。(「ɒ」については「a」発音の記事参照)
なのでイギリス発音を学びたい人は「ɔ:」を、アメリカ発音を勉強したい人は「ɔ:r」を練習しましょう。
それぞれ以下のような手順で型をつくって音をだしてみてください。
- 口を縦に大きく開けてから前に突き出す
- その状態を維持して「オ」のような音をだす
単語の例 | サンプル音声 |
---|---|
talk [tɔ:k] | |
- 「ɔ:」と同じようにして「ɔ:」の部分を発音
- 舌を口の奥にひっこめて舌先を立てる
- その状態を維持してのどを鳴らして「r」を発音する
単語の例 | サンプル音声 |
---|---|
door [dɔ:r] | |
このようにどちらも口の形は一緒で「ɔ:r」の場合には「r」を追加する必要があります。
カタカナ発音から抜け出すコツ
カタカナの「オー」のような発音にならないためには以下の点をとくに意識して練習してみてください。
「r」はよく巻き舌にして発音すると言われますが「引っ込めて立てる」というほうが僕にはしっくりきます。実際に舌は巻けないし振動させたりもしません。
舌をスッとすばやく引っ込めて立てる、そしてそのままにしておくだけできれいな音が出るし安定した音が出せるはずです。
「ɔ:」と「ɔ:r」を含む単語で練習
それでは「ɔ:」と「ɔ:r」を含む単語を使って発音の練習をしてみましょう。
スペルと発音記号の関係性も見れるように下の表にまとめたので参考にして練習してみてください。
「ɔ:」を含む単語 | 発音のコツ |
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law [lɔ:] | 「l」は舌を前歯の裏・歯茎につけて離すと同時に口を大きく開けて前に突き出し「ɔ:」を発音する。「oʊ」にならないように注意。(「r l」発音の記事を参照) |
straw [strɔ:] | 「s」は口を横に広げて歯を閉じて息をはき「t」は舌をなるべく前歯の近くではじいて音をだす。そのあとに舌をひっこめて舌先を立てて「r」の音をだして舌を維持したまま口を開けて前に突き出して「ɔ:」につなげる。(「s sh」発音の記事参照) |
sought [sɔ:t] | 「s」は口を横に広げて歯を閉じて息をはき口を開けて前に突き出して「ɔ:」へつなぐ。最後に舌を前歯の裏・歯茎ではじいて「t」を発音する。(「t」発音の記事を参照) |
walk [wɔ:k] | 「w」はまず口をおちょぼ口にして前に突き出しそのまま縦に開けて「ɔ:」へ音をつなぐ。最後に「k」で舌を口の奥ではじいて発音。(「k g」発音の記事参照) |
chalk [tʃɔ:k] | 「tʃ」はまず口をすぼめて前に突き出して歯を閉じて舌を歯茎につける。口は前に突き出したまま縦に開けて舌をはじくと同時に「ɔ:」を発音する。最後に「k」で舌を口の奥ではじく。(「tʃ dʒ」発音の記事参照) |
thought [θɔ:t] | 「θ」で舌を歯の間にはさんで気をはいて発音して口を開けて前に出して「ɔ:」につなげる。「t」で舌を前歯の裏・歯茎ではじく。(「s sh」発音の記事を参照) |
スペルで言うと
といったつづりを含む単語がよく「ɔ:」になります。
次に「ɔ:r」のつく単語です。イギリス発音を練習したい人は「ɔ:r」を「ɔ:」に置き換えて練習してみてください。
「ɔ:r」を含む単語 | 発音のコツ |
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more [mɔ:r] | 「m」は口を少し強めに閉じてはじくと同時に口をあけて前に突き出して「ɔ:」につなげる。最後に舌をひっこめて舌先を立てて「r」の音をだす。(「m n ŋ」発音の記事を参照) |
fork [fɔ:rk] | 「f」で前歯を下唇にのせて息をはき、口をあけて前に突き出して「ɔ:」につなげる。舌をひっこめて先を立てて「r」の音をだして最後に「k」で舌を口の奥ではじく。 |
court [kɔ:rt] | 「k」で舌を口の奥ではじき、口をあけて前に出して「ɔ:」の音につなげる。舌をひっこめて舌先を立てて「r」を発音して最後に舌を前歯の裏・歯茎ではじいて「t」。(「k g」発音の記事参照) |
store [stɔ:r] | 「s」は口を横に広げて歯を閉じて息をはいて発音して「t」で舌を前歯の裏・歯茎ではじき、口をあけて前に突き出して「ɔ:」を伸ばして発音する。最後に舌をひっこめて舌先を立てて「r」。 |
bored [bɔ:rd] | 「b」を口を閉じてからはじいて音をだして、口を開けて前に突き出して「ɔ:」につなげる。舌をひっこめて先を立てて「r」の音をだし「d」で舌を前歯の裏・歯茎ではじいて発音する。(「p b」発音の記事参照) |
short [ʃɔ:rt] | 「ʃ」で歯を閉じて口を前に突き出し息をはいて音をだし、口を前に突き出したまま縦にあけて「ɔ:」を発音する。舌をひっこめて舌先を立てて「r」の音をだして最後に舌を前歯の裏・歯茎ではじいて「t」を発音する。 |
floor [flɔ:r] | 「f」で前歯を下唇の上にのせて息をはき、舌を前歯の裏・歯茎で触れてから離して「l」の音をだして「ɔ:」につなげる。「r」で舌をひっこめて先を立てて音をだす。 |
単語のスペルでは「-or-」が「ɔ:r」になることが多いです。
発音は英英辞書などで調べて発音記号をしっかりと確認しないと勘違いしたまま覚えてしまいます。僕もたまに間違て覚えてる単語があり、リスニングしたときに違いに気づいて辞書で調べたりしてます。
まとめ
この記事では「ɔ:」と「ɔ:r」の発音のしかたについて解説しました。内容をまとめると以下のようになります。
- 「ɔ:」はイギリス発音で「ɔ:r」はアメリカ発音
- 「ɔ:」はアメリカ発音だと「ɒ」になる
- 「ɔ:r」はイギリス発音だと「ɔ:」になる
- 「ɔ:」の発音のしかたは:
- 口を縦に大きく開けてから前に突き出す
- その状態を維持して「オ」のような音をだす
- 「ɔ:r」の発音のしかたは:
- 「ɔ:」と同じようにして「ɔ:」の部分を発音
- 舌を口の奥にひっこめて舌先を立てる
- その状態を維持してのどを鳴らして「r」を発音する
「ɔ:」は口の形さえつくれればカタカナ発音から英語の音に近づけるはずです。
「ɔ:r」はさらに舌の形をつくる必要があるのでけっこう難しいと思います。まずは単語ではなく発音記号のみで練習して慣れてきてから単語で練習するようにしましょう。
英語の発音の勉強法は下の記事で手順を紹介しているので参考にしてみてください。
英語学習でも最も費用対効果が高い発音ですが、まずは発音記号をできるようにし、シラブル・単語・フレーズ・英文と段階的に練習していきましょう。あとは会話で実践しながら調整していけばOK。かなり即効性があり聞き手も喜んで自分の英語を聞いてくれるようになりますよ^^