エンジニアとしてオーストラリアで就職するには?現役である僕の考え

takto, 2021 March 26

Category: 海外で就職する方法

  • 「エンジニアだけど日本じゃなくてオーストラリアで働いてみたい」
  • 「エンジニアじゃないけど勉強して最終的にオーストラリアに移住したい」

すでにエンジニアの人もこれからエンジニアになりたい人もオーストラリアで働きたいと思っている人もいるかと思います。

実際オーストラリアでのエンジニアの待遇はよく、高い給料に残業が少なく有休も好きなときにとれるというのが一般的です。

あた仕事の需要は多くかつ供給が追い付いていない状況なのでビザがとりやすいのも大きなメリットの一つです。

この記事ではエンジニアとしてオーストラリアで就職するための道筋と必要になるものについて書いていきます。オーストラリア移住やキャリアの参考になれば幸いです。

僕は現在オーストラリアでエンジニアとして働いていて、主にデータ分析や分析基盤構築などの仕事をしています。

オーストラリアの大学院を卒業して運よく新卒で現地就職し、そのあとも3回ほど転職をしてきたのでその経験をもとにしてーストラリアでのエンジニア就職に役立ちそうな情報やアドバイスを書いていきます。ぜひ参考にしてください:)

エンジニアとしてオーストラリアで就職するパターン

「エンジニアとしてオーストラリアで就職したい」となったときに考えられるあり方は以下の3つです。

  1. 日本のエンジニア → オーストラリアに転職
  2. 日本のエンジニア → オーストラリアでIT留学 → 現地就職
  3. エンジニア経験ナシ → オーストラリアでIT留学 → 現地就職

オーストラリアにはそもそも日本企業が限られているので日本からの転勤はいれませんでした。

これら3つのパターンではそれぞれ強みと弱みがあり、下の表のようにまとめてみました。

パターン強み弱み
1
  • 職務経験は一番大事
  • コストが低い
  • 失敗しても失うものがない
  • 英語力
  • オーストラリアの文化や考え方の理解
  • ビザがとれるかわからない
2
  • 職務経験+ローカルの学歴+オーストラリア文化の理解
  • 自力・スポンサーでビザがとれる可能性が高くなる=採用されやすくなる
  • 学生の間にインターンか仕事が見つかるかも
  • 卒業まで時間とコストがかかる
3
  • ローカルの学歴+オーストラリア文化の理解
  • 自力でビザがとれる可能性が高くなる
  • 職務経験を積むのが難しい
  • 卒業まで時間とコストがかかる

やはり実務経験+オーストラリアのIT系の学歴は強く、ビザもおりやすくなるので必然的に就職のしやすさも高くなります。

もちろんほかにも方法はありますがこれらがおそらく王道のやり方です。

人によってはスタート地点が違うので、これらの就職までの道筋をシミュレーションしてみると自分にあったベストな選択がしやすくなるかと思います。

ここからはエンジニアとしてオーストラリアで就職するために必要なものと心配しなくていいものについて僕の意見も交えて紹介していきます。

エンジニア就職に必要なもの

エンジニアとして就職を目指すのであれば「実務経験」「学歴」「英語力」「ビザ」などがもちろん必要ですが、それら以外にも以下のようなエンジニア特有のものもあります。

  • エンジニア特有のスキルと経験
  • ポートフォリオ
  • コーディングテスト
  • 課題

これらが求められない場合もありますが、準備はしておいたほうが少しでも就職できる可能性は高まります。

エンジニアに限らずオーストラリアでの就職に必要となるものと必要ないものについては下の記事で解説しているので参考にしてください。

オーストラリアでの就活は日本とは勝手が違うことが多く、知らないとそれでけでかなり不利になってしまいます。僕のこれまでの現地での就活経験を元に何をどうすれば仕事をゲットできるのか解説していきます。

エンジニア特有のスキルと経験

エンジニアとして就職するにはそのための専門スキルが必要になります。

エンジニアの中にもいろいろな職種があり、求められるスキルや知識も異なってきます。例えば

  • Web Developer
  • Software Engineer
  • Data Engineer
  • Security Engineer
  • Network Engineer
  • Database Administrator

などあり、それぞれに必要とされるスキルをしっかりとつけるようにしないと就職のチャンスはほぼありません。

日本のように若い新卒だからといって関係のない専攻からエンジニア職で就職というようなことはほぼないので注意が必要です。

実際にどういった専門のスキルが必要なのかは求人を見てみるのが一番手っ取り早いです。記事の後半で紹介する求人サイトなどを使って自分が働きたいエンジニア職種の求人を探して「Requirements」や「About you」といった項目を読んでみてください。

わかりやすい求人であれば技術、経験年数、学歴などが具体的に書いてあるはずです。例えば

  • Degree in Computer Science, Engineering or relevant field
  • Over 2 years of experience with JavaScript / React
  • Familiar with Bitbucket and version control

というようにわかりやすく書いてあるので、いろいろな求人を見てみてマーケットを理解していきましょう。

ポートフォリオ

エンジニアの場合にはポートフォリオ(自分の作品やプロダクトなど)を求められるケースもあります。

オーストラリアではポートフォリオの提出や紹介が必ず求められるわけではなく、まったく必要ない場合も多いです。

しかし逆に言うと自分でつくったサービスやサイトなどをもっていると良いアピールポイントになります。

例えばウェブサービスをつくってネット上にデプロイしておいたり、ソースコードをGithubに上げておいて自分のリポジトリを履歴書にのせておいたりするだけでもスキルを証明することができます。

なので人に見せるつもりでこういったポートフォリオを準備しておきましょう。自分が即戦力であることを伝えられれば面接にこぎつける可能性も高くなります。

コーディングテスト

日本と同じようにオーストラリアでもコーディングテストがよく行われます。

面接と同じ日に行うものもあればその前後にテストを受けることもあります。

コーディングテストはアルゴリズムに関するものが多く、制限時間内にコードを実装して問題を解くという形式が一般的です。

こういったコーディングのスキルを図るために以下のようなサイトを使うこともあります。

アルゴリズムは普段からっ使っていたり勉強しておかないとできないのであらかじめ練習しておきましょう。

ひとつ大事なことが、こういったコーディングテストも問題は英語で書かれているということです。日本語ならすぐにわかるような問題でも英語になるといまいち問題を理解できなかったり誤解してしまうと解けるはずのものも解けなくなってしまいます。

なので英語のコーディングテストや練習サイトを利用して問題文を読んで理解する訓練もしておくことをおすすめします。

課題

仕事に応募した企業から面接に進む前に課題を出されることがあります。

僕も経験があるのですが、例えば企業が実際に解こうとしている問題についての課題やこれまでの実務経験で学んだことをもとにしてプレゼンをしないといけないなど違った形式での課題が課せられたことがあります。

なぜかというと、採用する方からすれば新入社員のトレーニングや教育に時間やコストをかけたくないので、こういった課題を設けてパフォーマンスの良い人を見極めたいからです。

具体的にどういった課題を出されるのかはビジネスの種類によっても変わったり、どういったスキルを見極めたいのかにもよって変わります。

僕が経験したものでは例えば企業がオペレーションをしているサプライチェーンの最適化問題や、データ分析基盤の構築についての経験とビジネスへの適用についてプレゼンをするといった課題などです。

もちろんすべて英語なので英語力が求められますが、ある程度準備もできるし技術的・ビジネスな観点から評価をされるので内容が重要になります。

こういった課題にも対応できるように必要なスキルの復習をしたり、これまでの自分の実績を棚卸しておくことで対応していきましょう。

エンジニア就職に必要ないもの

逆に必要ないものはどういったものかというと例えば「年齢」「謙遜」「日本並みのマナー」などどの職種にも当てはまるものがありますが、エンジニアとして就職する場合にはとくに以下の2つをあげておきます。

  • エンジニア関連の資格
  • コースやトレーニングの終了証

日本だとなににしても資格をとるのが就職に有利だと考える人も多いですが、オーストラリアでは資格が重要な職種は限られていて少なくともエンジニアにとってはそこまで有利になるわけではありません。

結局のところ即戦力かどうかが重要なので、資格に見合ったスキルや経験がなければ何の意味も持ちません。

同じ理由でオンライン・オフラインのコースを修了するのは素晴らしいのですが、あくまで今の自分には何ができるのかをアピールしないと勉強ばかりで仕事はできない人だと思われる可能性もあるので注意が必要です。

なので資格やCertificateなどの取得のために時間をかけるよりは他に必要なことをしておいたほうが良いと思います。

唯一あってもいい資格はおそらくAWSのようなクラウド系の資格かと思いますが、「資格さえあれば・・・」というようにならないように実務をもとにスキルをつけたほうがよっぽど評価されやすいです。

オーストラリアでの仕事の見つけ方

オーストラリアでエンジニアの仕事を探すにはいくつかの方法がありますが、ここでは以下の3つについて書いていきます。

  • 求人サイト
  • SNSとアプリ
  • Job Agency (人材コンサル)

これらは日本にいながら自力ですぐに始めることができ、さらに無料なのでやらない手はないです。それぞれ具体的な就活方法や役に立つサイトなどを紹介していきます。

求人サイト

求人サイトは一番簡単にエンジニアの仕事を探せる方法です。

オーストラリアでは以下のサイトが有名で求人数も多いので実際に使ってみてください。

ほかにもいろんなサイトがあり、もしかしたらもっとエンジニアの求人が多いところもあるかもしれません。なので自分でも検索してみると良いと思います。

1つ注意としては同じ求人が別の求人サイトにも出回っているということです。なのでもし同じような求人ばかりあるようならそのサイトを見続けるよりもほかのサイトを探したほうが効率はよくなります。

求人サイトでは応募する仕事を探して終わりではなく、以下のような情報をチェックしてオーストラリアでのエンジニアのマーケットを理解していきましょう。

  • エンジニア求人の数(例:州や街によって人口と求人のバランスが違う)
  • 求められるスキルの傾向(例:日本と違ってPHPよりPythonの求人が多い)
  • 求められるレベルや経験年数(例:ほとんどの求人が2~3年の経験を求める)
  • ビザの要件(例:永住権が必要、もしくは何も書いていないので可能性はある、など)

これらの情報から具体的に自分に足りていないものや必要となるものを整理しましょう。

あとは実際に応募してみたり、定期的に求人をチェックするようにしていきながらオーストラリアで就職できそうなエンジニアになれるように行動していくことで就職に近づけます。

SNSとアプリ

オーストラリアに限らず海外ではSNSを使って仕事を探すのも一般的になってます。

就職やビジネス系のSNSとしては

が1強という状態で、オーストラリアでもおすすめするSNSです。僕も学生時代に使い始めて今でも使ってます。

Linkedinの使い方は

  • アカウントをつくる(無料)
  • プロフィールを書く(オンラインで公開する履歴書のようなもの)
  • 求人を探して応募する
  • 気になる人に”connect”申請をしてつながる
  • スキルを承認してもらう
  • 推薦の言葉を書いてもらう

というように求人サイトとして使える上に人脈を構築できたり常に自分の人材価値を公開できるところが一番大きいと思います。

まずはプロフィールの設定までしてオーストラリアでエンジニアとして働いている人にconnect申請してつながっていけば、しだいに人脈がひろがっていきオーストラリアの企業の人事や転職エージェントから連絡がくることもあります。

需要があって実務経験がある人は企業のほうからスカウトされることもけっこう頻繁におこるので転職しやすくなります。

詳しいLinkedinの使い方はまた別の記事に書きますが、オーストラリアで就職したいならLinkedinはほぼmustだと思います。たとえ日本で使われていなくても関係ないのでとりあえず始めてみましょう。

SNSでなくともアプリで仕事を探すという手があります。エンジニアの場合にはとくに以下の2つがおすすめです。

Slackはエンジニアならすでに使っている人も多いと思いますが、Slackのコミュニティの中には就職や転職に使えるグループも存在しています。

そういったグループに入ることで思わぬ求人情報にアクセス出来たり、ヘッドハンティングされるような可能性もあります。

もう1つおすすめなのがMeetupです。基本的には実際にオフラインで会うのが主な使い方なのですでにオーストラリアにいる人にとくにおすすめ出来る方法です。

Meetupにはエンジニア系のグループがいくつもあり、その中で人脈をつくっていくことで求人にでてこないポジションなどを教えてもらえる可能性があります。ただしオフラインでのイベントがほとんど現地にいる場合にしか使えないのがネックです。

「Linkedin」「Slack」「Meetup」はどれも無料で使えて、エンジニア求人・人脈に強いのでまずは始めてみることをおすすめします。

とくにLinkedinは人材会社や企業の人事が常にいい人材を探しています。日本だとちょっと信じられないかもしれませんが、プロフィールを作り込んでおけばむこうからヘッドハンティングしてくることもよくあります(僕も1~2ヵ月に一回くらいきます。知り合いでは週1回くらいのペースでくるという人も・・・!)。やらない理由はないですね:)

Job Agency (人材コンサル)

いわゆる転職エージェントでとくに実務経験がある人にかなりおすすめです。

使い方や就職までの流れは

  • サービスに登録する
  • 履歴書やプロフィールを登録する
  • 求人を探す
  • エージェントと話す
  • エージェントが仕事を紹介してくれる
  • アプリケーションをエージェント経由で送る
  • 企業と面接
  • うまくいけば採用オファーをもらえる

となっています。

Job Agencyの強みは

  • 完全無料で使える(企業がJob Agencyに全額払う)
  • スキルがあると何もしなくともエージェントが仕事を見つけてくる(就職が決まれば利益になるので)
  • 他の求人サイトにはのっていない仕事がある

このように求職者は完全にお客様なので何も失うものはありません。

しかし彼らも就職できる見込みのある人を優先するので、オーストラリアでの就職がしやすそうにアピールする必要があります。具体的には

  • ビザの自力での取得見込みがある
  • 実務経験とスキルがオーストラリアで通用する
  • 英語でのコミュニケーション力がある

といったことをエージェントに伝えたり履歴書ではっきりと書いておくことが必要になります。

とくに日本から仕事に応募する場合にはビザがとれそうにないというだけで敬遠されます。多くの場合には永住権が求められるので、もし直接ビザがとれそうになくとも段階的にとれる見込みがあるならそのことをアピールしておくのも手です(例えば学生ビザ → 永住権など)。

Job Agencyにもいろいろな企業があるのでGoogleで「Eengineering job agency in Australia」などで検索してみればでてきます。いくつか有名どころをあげると以下のようなAgencyがあります。

などほかにもたくさんあります。オーストラリアの州によっても違ったエージェンシーがあるので州の名前も入れてGoogleで検索してみましょう。

まとめ

この記事ではエンジニアとしてオーストラリアで就職するための方法や役立つ情報について書きました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • オーストラリアでエンジニアとして就職先を見つけるためには実務経験と学歴を合わせた経験値が重要になる
  • 「専門スキル」「ポートフォリオ」「コーディングテスト」「課題」はエンジニア就職する場合に必要になってくる
  • コースやトレーニングは重要だけど就職の有利にはなりにくい
  • 「求人サイト」「SNS」「アプリ」「Job Agency」を使っていろいろな求人情報にアクセスして必要なものをリサーチしてチャンスを増やす

仕事の需要やビザの条件などは常に変わるので絶対はないですが、必要なものはだいたい同じです。なので足りていないものを見極めて保管できるようになればおのずとオーストラリアでの就職が現実的になります。

エンジニアは最近でも人気がでている職種でオーストラリアでも必要とされている人材です。しかし自分の興味とオーストラリアで働く・住むことのバランスが大事なので、エンジニアとしての仕事が楽しめないと思ったら辞めておいたほうが無難です。

エンジニアでなくともSTEM系(Science, Technology, Engineering and Mathematics)の分野では需要も多く待遇もいいのでおすすめですし、それ以外にも興味がある職種でオーストラリアに需要もあるような仕事もあるのでリサーチしていろいろな可能性を模索していくことが大切になります。

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Takto

セルフィー

海外(オーストラリアとイギリス)在住歴計10年ほどの takto です。ブログを通じて英語の勉強をサポートできればと思っています。

経歴:

  • 大学生の時にTOEIC330点から英語学習を開始
  • オーストラリアの語学学校へ留学・そのあとの大学院留学時にIELTS 6.5達成
  • 大学院修了時にIELTS 7.5達成
  • そのまま現地企業にエンジニアとして就職

プロフィールその1:ブログ主の過去と転換点

プロフィールその2:希望とともに行動に移す

プロフィールその3:絶望的な英語力と上達しないフラストレーション、そして道が開ける


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