こういった場合にはLinkedInを使うことを強くオススメします。
LinkedInは簡単に言うとビジネス目的のSNSです。SNSなので人とのコミュニケーションがメインの使い方ですがほとんどの人がビジネス関連の用途で使っていますし、LinkedInはそれを想定してデザインされています。たとえば企業の採用活動、個人の就活、プロジェクトによる実績のアピール、e-learning、イベントの告知や集客、グループの作成と活動などの使い方があります。
日本ではあまり使われてないみたいですが、海外就職を目指していてLinkedInを使わないのであれば不戦敗というくらいに必須なツールです。
僕自身もかれこれ10年近く使っており、オーストラリアとイギリスて2回ほどLinkedIn経由で転職し、それ以外にも定期的に企業や転職エージェントからコンタクトを貰ったりしています。
そんな経験をもとにして、この記事ではLinkedInが重要である理由・アカウントのつくり方と就活で使うためのプロフィールの設定のしかたを書いていきます。
記事の内容
LinkedInの必要性と重要度
冒頭で言ったように海外就職を目指しているのであればLinkedInは必須と言っても過言ではありません。
なぜかというと
- 企業や雇用主はLinkedInで雇いたい人を直接探している
- 単純に求人数が多く職種や勤務地・国も多種多様である
という理由と、さらに
- 自分自身をLinkedInという大きな市場でアピールできる
- 自分の市場価値を測れる
- 人脈を広げられる
- 信用を積み上げられる
という大きな利点があるからです。
例えば企業がLinkedInを採用のツールとして利用していることについては、企業の人事(Recruiter, Human Resource, Talent Acquisitionとかの職種の人)は空いているポジションを埋めるのが仕事で、ほしい人物像にマッチする条件を使ってLinkedInで検索をかけます。そして結果にでてきた人たちから良さげな人に直接メッセージを送って採用活動をしています。
この方法なら募集をかけるよりも能動的に効率よく適当な人にアプローチできるというわけです。逆に言うとこの検索結果に自分がでてくるようになればヘッドハンティングされやすくなるということです。
それ以外にももちろん自分から求人に申し込んだり、リクルーターに直接コンタクトをとることもできます。やり方としてはLinkedInでまず自分のアカウントにプロフィールをつくります。このプロフィールがデジタルな履歴書のようなもので、公開することでほかのLinkedInユーザーである企業や人事やリクルーターを含む個人に見てもらうことができます(いわゆるパーソナルブランディングのようなものです)。詳しい手順はのちほど説明します。
もう1つおもしろい点として、求職中の人や偉業に在籍している人たちのプロフィールを見ることができるので、競合になりえる人や目指すべき人のレベルを知ることができるところがかなり有益だと思います。例えば自分と同じ職種の人で行きたい国にいる人を検索すれば、その人たちのプロフィールやスキルセットを見ることができます。これらと自分を比べることで不足しているものを見つけ出し、どういったスキルアップをしていくべきかを考えやすくなります。
他にもたくさんの使い方や機能があり、しかも無料でできます。以上の理由から海外就職をしたいのであればLinkedInを使わない理由はないというのが僕の考えです。
LinkedInのアカウント開設方法
海外就職を目標にしている人にとってLinkedInの重要性がわかってもらえたかと思います。ここでは実際にどうやってアカウントをつくるかの手順を解説していきたいと思います。
海外就職を目指すということであれば英語版のLinkedInを使いましょう。そうすることで仕事や就職活動で使われるTerminologyに慣れることもできます。
では以下の手順でアカウントをつくっていきましょう。
下にスクリーンショットを貼っておきます。
LinkedInのホームページ
Sinupフォーム
名前の入力(本名にしましょう)
セキュリティチェック用の電話番号
セキュリティチェック
現在地の入力
Job Titleの入力
これでアカウント作成はとりあえず完了です。ですがこのままどういった仕事を探しているかの設定も続けてできます。手順は以下のとおり。
求職中かどうかの選択
興味のある職種と勤務地の入力
Recruiterに求職中であることを知らせるかの設定(あとで変更できます)
以上で登録は完了です。LinkedInのホームページに移動すると思うので、ここからはLinkedInの使い方全般と、最初に済ませておきたい最低限のプロフィールの設定のしかたについて書いていきます。
ログインした状態でのLinkedInのホームページ
LinkedInのプロフィール設定
LinkedInが必須なのはいいとして具体的にどう使えばいいのか?という疑問に答えていきたいと思います。
おすすめする使い方としては以下の方法があります。
これらを実際につくったアカウントでやっていきましょう。すべて解説するとなると長くなるので今回はプロフィールの設定についてのみ書いていきます。他の部分については別の記事にまとめます。
プロフィールのページは下の画像のようになっているはずです。
プロフィールページ(Add profile sectionのボタンから情報を追加できます)
プロフィールを設定しないことには誰にも見向きもされません。ちゃんとプロフィールでアピールしていくには深く考えたり準備をしたりで結構時間がかかるので、まずは簡単でいいので以下の情報をのせていきましょう。
まずは最低限これらを埋めていきます。これらの情報は”Add profile section”というボタンを押すとメニューがあるので、追加したい情報を選べば入力フォームがでてきます。
顔写真
注意すべき点は笑顔の写真にすることと顔が遠すぎて見えないようにならないことです。
理由としては証明写真のように無表情だと一緒に働いてみたいとは思われにくい、というのとちゃんと顔が見えていたほうが信用されやすいからです。
なのでサイズ的には証明写真とおなじくらい、でも笑顔にしておけば問題ないです。人によってはモノクロとかの加工を入れたりサングラスをする人もいますが、本気で海外就職を目指すのであればしっかりと顔を見せておきましょう。
逆に他の部分はそんなに注意しなくても大丈夫です。たとえば服装はあまりフォーマルじゃなくてスマートカジュアルくらいでokです。
髪型も同じようにきっちりとしていなくても普段通りでフォーマルでなくて問題なしです。
結局は目指しているポジションや役職によりけりなので、目指している国ですでに働いている人たちの写真を見て参考にするのもいいと思います。
ちなみにTwitterみたいに背景の画像を加えることもできるので自分の職種に関するものや興味のあるテーマに沿った画像を使うのも良いと思います。
基本情報
つぎに自分のプロフィールの基本情報を入力していきましょう。プロフィール欄にあるペンのシンボルからフォームを呼び出すことができます。
下の画像にあるようにいくつかの項目があるので埋めていきます。
プロフィールSummary
- Headline
- Current Position
- Industry
これらは今の仕事や役職をベースにして入力します。日本語のタイトルがあるなら英訳し、なければ自分で適切だと思う名前にしてしまってOKです。
例えば事務ならAdministrator、経理ならAccountantとかになります。あとはSenior EngineerとかPrincipal Economic Analystだとかのようにレベルや経験もつけられると良しです。人によっては複数のキャリアをもっている場合もあるので、Headlineにすべて書いてしまってOKです。
気を付ける点としては「総合職(Genaralist)」とか「専門職(Specialist)」とかだけの何をやってるのが不明な名前や、ウソになるようなタイトルをつけないようにしましょう。
ウソにならないようにしつつも、自分の就活で有利になるように変えても問題ありません。
例えば正式名称はEngineerだけど仕事内容はほぼNetwork Engineerならそっちの名前にするとか、新卒だとしてもわざわざGraduateとつけなくてもokです(自分で新卒のスキルを超えてると思うなら)。
ウソにならない範囲で自分の次の職に就きやすくなるように決めましょう。
職務履歴
“Experience”というsectionで現職を含む職務履歴を入力していきましょう。
職務履歴の追加
職務履歴は自分の経験と実績をアピールできる部分なのでかなり重要になります。現在からさかのぼって過去の就業歴について以下の情報を入れていきましょう。
- Title
- Employment type (Full-timeやContractなど)
- Company
- Location
- Start and end dates
- Description
- Media
Descriptionはフォーマットが自由なんですが、個人的には箇条書きにすると読みやすくていいと思います。内容については自分のスキルとプロジェクトについて書いて、かつどういった問題を解決したかやその結果どういった利益をもたらしたかを書くようにすると読み応えのある内容になります。
詳しくは履歴書の書き方についての記事で書きます。
Mediaはその仕事に関連した画像やウェブページなどをのせることができます。公開可能なもので実績をアピールできるのであればぜひアップロードしておきましょう。
学歴
“Add profile section”から”Background”の”Education”を選ぶと学歴の情報を追加できます。
学歴の追加
学歴のsectionには以下の情報を入力していきましょう。
- School
- Degree
- Field of study
- Start and end dates
- Grade
- Activities and societies
- Description
- Media
要は大学名・学位・専攻・期間・成績・課外活動などです。高校を含む人もいますが少数派な印象です。専門的なことを学んだのであれば高校の学歴も加えて良いと思います。
新卒の場合には経験者と比べて学歴が比較的重要になってくるのでしっかりとアピールできるような内容にする必要があります。
例えばアサインメントやプロジェクトで得たスキルやチームワークなどいろいろあります。自分が狙っている職種に必要なものについてDescriptionに書けるとプラスです。
ただしどういったスキルが必要とされているのかは実際の求人を見てある程度の目星をつけておく必要があるので、今は空白のままでも問題ないです。
スキル
LinkedInでは個人のスキルを簡単に見れるようにタグで管理できるようになってます。”Add profile section”の”Skills”でフォームを呼び出せます。
スキルの追加
スキルのセクションにいくと検索ができるようになっているので、自分が持っているスキルを見つけて追加していきましょう。スキルを選択すると下の画像のようにタグとして追加されていきます。
追加したスキルの例とAdjust endorsement settingsボタン
気になるのがどれくらいのレベルならスキルを持っていると自称できるのかですが、完全に個人の判断でokです。
ちょっと触ったことある程度でも追加する人もいますし、そのほうが企業が検索するときにも出てきやすくなるのでやっちゃっていいと思います(もちろん完全なウソにならないようにしましょう)。
LinkedInではこれらの自称スキルを他の人からEndorsement(承認)してもらうという機能があります。
同僚とか一緒に働いたことのある人が承認してくれることがあり、そうなるとただの「自称スキル」ではなく「他人に認められたスキル」になるので信用度があがります。
まずは思いつくスキルを追加していき、”Adjust endorsement settings”をクリックして設定を確認できます。
Endorsement settings
- I want to be endorsed
- Include me in endorsement suggestions to my connections
- Show me suggestions to endorse my connections
承認機能を使いたいのであればすべてONにしておきましょう。
Open to opportunity status
プロフィール画面にある”Open to”ボタンから”Open to finding a new job”を選択するとどういった仕事を探しているのかの情報を追加できます。
Open to finding a new job(詳細の設定)
アカウント開設ですでにactivationした人はもうオンになっていると思いますが、ここでもっと具体的に職種・雇用形態・時期などを書くことができます。
これを設定しておくことで企業や転職エージェントからコンタクトしてくる確率が上がります。
そんなことしたら今いる会社や上司ににバレるんじゃないか、と思うかもしれません。一応リクルーターのみにこのstatusを公開するというオプションがあるので、心配な人はボックスにチェックを入れておきましょう(僕はチェック入れてます)。
“Choose who sees you are open”というボタンをクリックすれば
- All LinkedIn members
- Only recruiters
という2択がでるので”Only recruiters”にしておけば今いる会社にバレにくくなります。ただし注意書きで書いてあるとおり自分が求職中というのが絶対にバレないという保証は残念ながらありません。
なのでおすすめなのがずっと”Open to finding a new job”の”Only recruiters”にしておいて、面倒なのでstatusをアップデートしていない、ということにしておく方法です。仮に勤務先からなにか言われたら変更できるし、バレなければ常にヘッドハンティングなどでコンタクトされる可能性があるし、将来的により良い条件で転職する機会が訪れることもあります。
まとめと次のステップ
LinkedInが海外就職において必須であることと、アカウントの開設とプロフィール設定のしかたについて紹介しました。
LinkedInはProfessional向けなので内容はあくまで仕事やキャリアに関連したものにするように気をつけましょう。
これまでLinkedInを使ったことのない人はかなりの情報量や機能に驚くかもしれませんが、日本国外ではかなり前から一般的なツールになっているので使いこなしていきましょう。海外の企業に就職をするという場合には、そのあとのことも考えておく必要があります。おそらく転職することになるのでそのときにLinkedInをやっておいてよかったとなることは間違いないでしょう。
ここからはLinkedIn内でconnect申請してネットワークを広げたり、求人情報をリサーチして海外就職を達成するための種まきをしていきます。市場についての理解が深まればそれに応じてさらにプロフィールを改良できるようになるのである程度継続してリサーチと改善を繰り返していくことが大切です。
詳しいやり方は次の記事で解説していきます:)