LinkedInを使い始めたけどまだどう海外就職に役立てていけばいいのかわからないという人にLinkedInを使った海外就活のしかたや手順について紹介していこうと思います。
「LinkedInって何?」とか「アカウント持ってないんだけど」という人は「Linkedinで有利に進める海外就職|使う理由と始め方」の記事を読んでください。この記事で簡単なプロフィールの書き方まで紹介しています。
今回の記事ではプロフィールをつくった後に行っていくこととして、以下の3つの点について書いていきます。
- 人脈ネットワークをひろげる
- スキルを承認してもらう
- 求人から情報収集する
これらを通して
- つながった人脈に自分のプロフィールを強化してもらう
- 自分自身でプロフィールを強化していく
という2つのアプローチで海外で就職の可能性を上げていきます。
海外就職を実現するためには自分のスキルや経験を伸ばしていくことが本質的に必要なことですが、LinkedInを使うことでその方向性や具体的に何をすればいいのかの指針を立てることができます。さらにほかのプロフェッショナルとのつながりや承認を得ていくことで自分の実力の証明にもなり就職がしやすくなります。
それでは早速見ていきましょう:)
ネットワーク(人脈)の拡大
とりあえずのプロフィール設定ができたらLinkedIn上で人脈ネットワークをひろげていきましょう。
ほかのLinkedInのメンバー、とくに「自分の働きたい業界」と「行きたい国や地域」がマッチしている人たちとつながることで海外就職に少しづつ近づいていきます。たとえば
- 自分の目指すゴールにいる人から情報収集ができる
- 仕事の紹介の可能性も0ではない
- 現地の就職エージェントとつながりをもてる
- 現地とのつながりを証明できる
というようなメリットがあります。直接就職先がみつかるという可能性も0ではありませんが、やはり現地とのパイプをもつことができ、かつ自分のスキルや経験をある程度安保してくれるような存在になってくれることが大きいです。
たとえば日本にしか住んだことがない場合には日本での職務経験が未知数に思われることが多いので(日系企業を除いて)、その不安を和らげられるようなことができれば海外就職も見えてくると思います。
ほかにも海外留学をしている人なんかでも現地で働いている人とコンタクトをとったり、現地のエージェントとつながることで就職のサポートをしてもらえることもあります。
ではLinkedInで実際にネットワークをひろげていく方法について書いていきます。
Connect申請で人脈をひろげる
LinkedInではconnectというボタンで人脈として他の人と繋がれるようになっています。Connect申請をするにはLinkedInのナビゲーションにある「My network」もしくは検索の結果からできます。
My networkのページ
プロフィールを作っておくと「My network」のページにすでに「People you may know」として何人かが表示されていると思います。今だと以下の6つのカテゴリーで人やグループのsuggestが出てきていると思います。
- People you may know with similar roles
- People you may know in ~ Area
- People skilled in ~ also follow these pages
- People who are in the ~ industry also follow these people
- People who are in the ~ industry also subscribe to these newsletters
- Groups you may be interested in
注:~はプロフィール元の人の名前
Connectしておきたいと思う人がいたらconnectボタンを押して申請して相手の反応を待ちましょう。
Connect申請をするときにメッセージも書けますが、書かなくても大体の人は承諾してくれると思います。
LinkedInのconnectはFacebookに似ていて、相手が承諾しない限りはconnectすることはできません。なので逆にconnect申請を受け取った場合には承諾するか自分で判断できます。
この時点でプロフィールの勤務先が同じ人(違う部署なども含めて)がおすすめで出てくると思うので、connectしてもいいかなと思う人に申請しておきましょう。利点としては自分のことについてしっている人であればプロフィールに書いたスキルを承認してくれたり、のちに推薦のメッセージを書いてもらえる可能性があるという点です。
まずは身近な人から申請していって、似た職種の社外の人やクライアント、就職したい国ですでに働いている日本人など、段々とネットワークをひろげていきましょう。
自分からconnect申請しなくても知らない人から申請がくることもあるので、相手のプロフィールを確認して問題なさそうなら承認しましょう。
定期的に知り合いを見つけたり知らない人にConnect申請をしていき、ある程度つながりができてきたら次のような行動をしていくことで自分のプロフィールの強化をしていきましょう。
スキルを承認してもらう
さきほどちらっと触れましたが、LinkedInではスキルの承認という機能があります。これは何なのかというとプロフィールに追加したスキルを第三者に認めてもらうことで「この人には本当にこのスキルがあるんだな」と他の人が見ても信用しやすくするために使われます。
プロフィールに書いてあることはあくまで「自称」なので本当なのかどうかはわかりません。なので業界で働いているほかの人がスキルを承認することによってその人が転職したり企業がヘッドハンティングするときに信用されやすくなります。
もちろん正式なオファーの前にRefereeチェックで確認はとられるんですが書類審査の段階で役に立ちます。なのでなるべく目指している職に必要なコアスキルを多くの人に承認してもらえるように以下の2つのアクションをとっていきましょう。
- 知り合いのスキルをEndorseする
- Ensorseをお願いしてみる
知り合いのスキルをEndorseする
自分のプロフィールのスキルをapproveしてもらうためのテクニックとして、まず自分が知っている人のスキルをapproveするという方法がおすすめです。
なぜかというとお返しとしてこっちのスキルをEndorseしてくれる人がいるからです。僕自身もこの方法で同僚のスキルをEndorseしたり、Endorseしてくれた人にお返ししたりしています。その結果自分のスキルが多くの人に承認されて企業や転職エージェントから見ても実績のある人物だと思われやすくなります。
以下の手順でスキルEndorsementをすることができるので、LinkedInにログインして実際にやってみましょう。
- My networkから知っている人のプロフィールを見る
- Skillの項目から実際に見たり聞いたりしたことのあるスキルを+ボタンを押して承認する
- 「How good is ~ at ~?」に対して以下の中から選択
- Good
- Very good
- Highly skilled
- 「How do you know ~’s ~ skills?」に対して以下の中から選択
- Worked together directly on the same team or project(同じチームやプロジェクトで仕事をした)
- Managed ~ directly(自分が上司だった・マネージメントをした)
- Reported directly to ~(自分の上司だった・仕事の報告をした)
- Worked together indirectly(間接的だけど一緒に仕事をした)
- Heard about ~’s skill from others(他の人から聞いた)
- None of the above(それ以外)
スキルの評価は自分の正直な感覚で良いと思います。ただしその人との関係性は正直に答えておきましょう。
わかりやすいようにスクリーンショットをいくつか貼っておきます。
他の人のプロフィールからSkillセクションへスクロール
+ボタンを押して承認
スキルを認証すると質問がでてくる
関係性についての回答選択肢
承認が完了
こうやっていろんな人のスキルを承認していくとお礼にこっちのスキルを承認してくれる人がいます。直接スキルをapproveしてくれと頼むのも手ですが、僕みたいにちょっと気まずいと感じる人におすすめの方法です。
おすすめなのは大学時代の友人やゼミで一緒だった人、会社の同僚なんかだと直接スキルの承認をお願いしやすいかもしれません。
こういった具合にEndorseされた自分のスキルを増やしていくことでリクルーターの目にとまったり、恐らく検索にも出てきやすくなるのではないかと思います。
求人から情報収集する
つづいてLinkedInにのっている求人から情報収集をして自分のスキルアップに生かし、最終的に海外就職へとつなげていく方法を紹介していきます。
全体の流れとしては
- 求人を検索して内容をリサーチする
- 自分の現状と比べて足りないものを把握する
- 要件を満たせるように学習・経験をつけていく
- 求人に応募してみる
それでは1つづつ解説していきます。
求人を検索して内容をリサーチする
LinkedInを使う理由の一つが大量にある求人情報を得るためです。LinkedInのJobsから求人情報のページに移動できるので、以下のように検索と保存の機能を使って情報収集していきましょう。
- LinkedInのナビゲーションにある「Jobs」を押す
- Searchボックスに探したい職種や企業名を入れる
- すぐ下にあるWorldwideを選択して目指したい国や地域を選択する
これで下のスクリーンショットのように検索結果のリストがでてくるはずです。
フィルターに条件を追加していけばより詳細な条件での検索ができます。目標にしている行きたい国やより特定の条件を狙っているのであればフィルターで絞り込みをしていきましょう。
自分の現状と比べて足りないものを把握する
求人には求められるスキルや経験などの情報がのっているので、それをもとに自分に足りないものを調査していくことができます。
現状とのギャップを理解することで具体的に今から何をすればいいのかを明らかにすることでアイがい就職のための正しい努力をできるようにしましょう。
では実際に検索結果の例をいくつかみてみましょう。試しに「Web Developer」を「Australia」で検索にかけてみました。
検索結果の中から例として求人をピックアップして、どういった経験やスキルを必要としているのか見てみます。
BrisbaneでのWeb Developerポジションである下の求人を見てみます。
雇用条件として「What you’ll be doing」と「Your talents」という言い方で仕事内容とスキル要件について箇条書きにしてあります。一般的にはResponsibilitiesとかRequirementsと書かれることが多いですが、こういった項目を読んでいくことで求められる素養だったり条件を知ることができます。
まずは仕事内容「What you’ll be doing」について1つづつ自分に経験があるかチェックしていきます。同じような経験がなくとも似た経験であればGoodです。例えば
という要件では実際にデータをとって分析したことがあり(経験)、どのような課題についてどういった方法で問題解決したのかという実務経験が浮かべば最高です。もし経験がなくても他の求人では求められていないこともあるので、あくまで求人の1つに求められているということを理解しておきましょう。
次にスキルについても1つづつ同じように確認していきます。この仕事の場合にはスキルがわかりやすく、HTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミングやウェブデザインのスキルなどが求められているのがわかります。
例えばどういった技術を使ってどのような機能をもったウェブサイトをつくったのかや、どういったデザインプロセスでウェブデザインをして、その結果どういった成果を出せたかのかが実績として話せれば素晴らしいです。さらに実際につくったサイトやプログラミングのコードを見せることができれば完璧でしょう。
いずれにせよこれらのスキルで自分がまだ持っていないと思うものをチェックしておき、どういった勉強や経験が必要になるのかに目星をつけることができます。
このようにしてほかの求人も見ていき、どういった経験とスキルが必要なのかを把握していくことが大事です。求人によっては特殊すぎるスキルを求める場合もあるので、なんでも勉強しようとするのではなくそれが自分のキャリアプランにあっているかを見極めるようにしましょう。
要件を満たせるように学習・経験をつけていく
求人に書いてある要件を読んでいくことで自分に足りていないスキルや経験がより具体的にわかるようになったと思います。
採用側に興味をもってもらえるように自分に足りないスキル・知識・経験・資格などを積み上げていきましょう。これが海外就職をするために本質的に一番大切なことです。
とくに海外では年齢や勤務先や勤続年数なんかより今どんなスキルをもっていて企業がほしいスキルとマッチする人材かどうかがかなり重要になります。
感覚としては求人に箇条書きにされたスキルや経験のほぼすべてを満たしていれば一気に連絡が来る可能性が高くなります。そうでないと雇う側からすると不安だし信用できないので仕方ない部分でもあります。一朝一夕にはいきませんが継続して必要なスキルなどを身につけていけば少しづつ企業からの反応も出てくるようになるはずです。
履歴書でもただRequirementsを満たしています、というように書くのではなくその根拠を書くことで反応がもらえやすくなります。このあたりは履歴書の書き方の記事で解説します。
まとめとこれから
海外就職のためにLinkedInのプロフィールをつくってからすることとして以下の点について解説しました。
- 人脈ネットワークをひろげる
- スキルを承認してもらう
- 求人から情報収集する
ネットワークをひろげてスキル承認をしてもらうことでプロフィールの信用を上げつつ、自分でも自己研鑽を続けていき求人で求められているスキルや経験を積んでいくようにしましょう。その積み重ねで企業からも興味をもってもらいやすくなっていきます。
就活でもなんでもまずは試して(仕事に応募して)失敗してそこで自分のプロフィール、アプリケーション、そして自分自身を改善して再挑戦するというサイクルを何度も行っていくことで結果が出るようになります。
僕自身も新卒でオーストラリアに就職するまではかなりの期間がかかったし、それまでに少しづつ人脈づくりとスキルアップを繰り返していきました。
海外就職したいのであれば周りの日本人がどうのこうのしているというのはほっておいて、海外での就活のしかたに自分の身を投じていくことが必要になります。 LinkedInなんかは今すぐに誰でもできるし、何も失うものはないのでやらない理由は0といっていいでしょう。
また、日本人が海外で就職するということも段々と一般的になっていくと思いますし、過去に日本人が働いていた海外企業も少しづつ増えてきているはずです。それに合わせて日本人を雇うのに好意的な企業も出てきていると思うので、ぜひそのチャンスを掴んでほしいと思います:)