このように「Here you are.」というフレーズはよく考えるとおかしな英語に感じると思います。
この記事ではこの一般的に使われている表現について
- 意味と使い方
- フレーズの成り立ち
- 別の言い方
- 答え方
について書いていこうと思います。
記事の内容
【here you are】の意味と使い方
【here you are】の意味には主に2種類あります。
- 「どうぞ」となにかを渡すときに言う
- 「さあ」や「さて」と相手となにかをする準備ができたときに言う
1つ目の意味を例文でみてみます。
一応辞書にのっている意味も確認しておきます。
used when you are giving someone something that they have asked for or that they have just bought
(誰かに求められたものをあげるときや買ったものを渡すときに使う言葉)
here you go/are, MacMillan Dictionary
確かにお店で何かを買ったときにも店員から「Here you are.」と言いながら渡されることがよくあります。
さらに2つ目の意味も例文で見てみましょう。
感覚的には2つのポイントでこの使い方をしています。
- Youが実際に目の前に現れた(You are here.)
- 会うことができたので、次の行動をするための掛け声のようにして言う
とくに相手に何か変化が起きて準備が整ったときなんかによく使います。
文法的に読み解く
【Here you are.】は文法的には意味不明なフレーズです。しかし会話では定型文のようなものとしてよく使われています。
僕もなんで「どうぞ」という意味になるのか知らなかったので調べてみました。
“Here you go,” an idiomatic expression that showed up in writing in the 1800s, is a casual way of saying “Here it is” when you give someone something that’s requested.
(18世紀に使われた、要求されたものを渡すときに使われた慣用句のような表現。)
Here you go, Grammarphobia
どうやらもともと書き言葉として使われて、そこから話し言葉として広がっていったみたいです。でもどうして【Here you are】で「どうぞ」と言う意味になるのかはいまいちわかりませんね。
なので文法的に納得できる解釈をいくつか考えてみました。
- (oh) you are here.「ここにいたんだ。」という独り言を相手に聞かせている
- Here (is what) you are (after/asking for).で、「あなたの求めているものはここにあるよ」的な意味の省略表現になっている
文法の正しさと意味合いを考えると2つめの考え方が一番しっくりくる気がします(個人的な感想ですが)。
あまり深く考えてもしょうがないとも言えるので、納得のできる解釈をもっていれば十分かと思います。
別の言い方
【Here you are.】はよく使う表現なんですが、いつも同じフレーズを使うのはよろしくないので、別の言い方も紹介していこうと思います。
これらは「どうぞ」と相手になにかを渡すときの言い方です。この言い方の時は”There”は基本的に”Here”と同じ意味で使われます。
なにかを手渡す場合には”This”や渡すものの名前を直接言う方法もあります。工夫すればさまざまな言い方ができることが分かると思います。
一方で【Here you are.】を、次に何かするときの掛け声的な使い方をする場合は
- Here you go.
- There you are.
- There you go.
これら以外だとかなり違和感が出てしまうので、この3つの中から使っていくのがいいかと思います。
答え方
もし【Here you are.】と言われたときは、単純に”Thank you.“でOKです。ただこれも”Thank you.“だけだと味気ないのでいくつか違った言い方を紹介しておきます。
- Ta.(カジュアルな言い方)
- Cheers.(カジュアルな言い方)
- Awesome.(カジュアルな言い方)
- Sweet.
- Wonderful.
- Excellent.
- Perfect.
- Beautiful.
- Lovely.
- Cool.(ちょっと感謝が足りない感じがしなくもない。)
この中では直接お礼を言っているのは上の2つだけです。ですがネイティブは他の言い方も頻繁に使っていますし、別に失礼だと思われることはないでしょう。
そもそも【Here you are.】が割とカジュアルに使われるのでpoliteかどうかはあまり気にしなくても大丈夫かと思います。
↓の記事で他にも日常会話で使えるフレーズを紹介しているので興味があったら参考にしてみてください。
英会話を上達させるにはフレーズが重要になってきます。頻出フレーズやネイティブが使う自然なフレーズをいくつかのシーンにまとめて紹介しています。長めの表現やあまり知られていないものなどに例文をつけたので、分かりやすくなっていると思います。
まとめ
今回は【Here you are.】という会話で使われるフレーズの文法について解説しました。
要点をまとめると以下のようになります。
- 【Here you are.】には2つの使い方がある
- 「どうぞ」となにかを渡すときに言う
- 「さあ」や「さて」と相手となにかをする準備ができたときに言う
- 元々は18世紀ごろに書かれたフレーズが会話で使われるようになった
- 文法的におかしいが、Here (is what) you are (after/asking for).の省略と考えると納得できる
- 【Here you are.】に代わる言い方はたくさんある
- 【Here you are.】と言われたときのお礼のしかたも工夫できる
「Here you are.」は完全に話し言葉なので、文法について考えると意味がわからなくなってしまいます。
本文でも書きましたが、【Here you are.】で「どうぞ」という意味になる納得のできる理由は「Here (is what) you are (after / are asking).」の省略した言い方、という説明です。
実際にそうなのかはわかりませんが、あくまで話し言葉なので自分が納得できれば十分かと思います。