最近いろいろな日本人の方と話をする機会があり、どうやって英語の勉強をすればいいか、おすすめの本はあるか、といった質問をよく受けるようになりました。
僕のブログの記事でもいくつか取り上げていますが、それとは別に個人的におすすめの本や参考書を紹介していこうと思っています。
この記事はおすすめの参考書第1弾ということで、発音の勉強でおすすめする 「UDA式30音練習帳」 について書きたいと思います。
目次
最も買ってよかったと思える本
この本は僕が実際に発音の勉強に使った本です。おそらく一番コスパがよかった本です。得られた発音の上達度があまりにも高かったです。これがなければ今ごろオーストラリアにはいなかったでしょうし、いたとしても僕の英語はなかなか通じなかったでしょう。そういった理由でまずはこの本について書くことにしました。
この本を発音の参考書としておすすめする理由をまとめます。
- 発音記号の単音から始まる
- わかりやすいイラストと解説がある
- 確認できるように音源がついている
- 日本語にない音を重点的に学べる
しかしこの本で勉強する時にいくつかの注意点があります。
- 単音の練習からすぐに単語の発音練習が始まる
- 電子書籍がない
- アメリカ英語の発音
良い点と注意する点をひとつづつ解説していきます。
良かった点
発音記号の単音から始まる
まずは英語の発音記号というもっとも小さな音の単位から練習できるのがこの教材のいいところです。
発音教材によってはいきなり単語や文章での発音を練習させようとするものがありますが、いくつもの発音記号を発音することなど到底無理な話です。
単音から始まり、それから音を2つ、3つつなぎあわせて練習していくことによってようやく単語をしっかりと正しく発音できるようになります。文章をきっちりと発音するのはかなり難しいですが、まず発音記号の単音をマスターすることが流暢な英語への近道となります。
わかりやすいイラストと解説がある
発音を人に教えるのは結構難しかったりします。僕もたまに教える機会がありますが、口頭で説明したり、音を聞かせてもたいていの人はうまく発音できません。
「UDA式30音練習帳」には発音記号ひとつひとつに前からと横から見た口のイラストがついています。これを見ることによってまずどのように口のパーツをかたちづくるか真似をして学べます。具体的には口の形・動かし方、舌の位置、歯を置く位置、唇の使い方などがイラストで真似しやすいように図示されています。
イラストのほかにも解説がついており、正しい音を出すアドバイスや息のはき方についてなどが丁寧に説明されています。
発音の教材は、このイラストと解説の有無が大きなポイントになると思います。個人的にイラストは正しい発音を練習するために絶対に必要だと思います。
余談ですが、この本をつかって最初の音(確か”s”だったと思います)をイラストと解説のとおりに発音したときに、自分の発音に衝撃を受けたのをいまだに覚えています。こんなにあっさりとネイティブみたいな音が出るようになるのかと、驚きとともにこれから他の音をマスターしていくのが一気に楽しみになったのを覚えています。
確認できるように音源がついている
音源も発音の勉強には必要不可欠です。「UDA式30音練習帳」には単音から正しい音が収録されているので、自分の発音とすぐに比較して修正できます。当然イラストと解説をみて自分の口のフォーム、息のはき方を調整しながら独学で発音を矯正していくことができます。
練習用に音源に合わせて繰り返し単音の練習ができるので、それにそって練習すれば慣れない口の形や息のはき方が自然とできるようになります。
日本語にない音を重点的に学べる
本の名前のとおり30の音をカバーしています。この30の音は日本人に特に練習が必要となる(日本語に似たような音が存在しないもしくは日本人にとって難しい)で、これらを重点的に練習することで時間をかけすぎずに発音スキルを磨くことができます。
苦手な音はその人の母国語によって変わってきます。日本人にとってよく言われる難しい音は”L”と”R”だったりしますが、他の母国語を話す人にとっては”sh”のほうが難しかったりします。逆にヨーロッパのラテンやフランス語圏の人にとっては多くの音が英語と近いため比較的簡単に発音ができたりします。
注意する点
単音の練習からすぐに単語の発音練習が始まる
「UDA式30音練習帳」では発音記号の練習からすぐに単語で練習をするように書かれています。音源もすぐに単語で練習するように流れていきますのでこの点は注意しておきたいところです。
単語での発音練習は30音すべての発音記号をうまくできるようになってからでないと、間違った音の出し方を覚えてしまう恐れがあります。
単語を発音記号に分解してみるとよくわかりますが、短い単語でも2・3個の発音記号によって構成されています。例えば”word”という単語であれば
wɜːrd となります。これを正確に発音するためには ”w” “ɜːr” “d” という3つの音を正しく発音しなければいけません。それにくわえて音の変化を練習しなければうまく単語として発音できないのです。
しっかりと発音しようとすればわかるのですが、 それぞれの発音記号を流れるように発音するには以下のようなへなテクニックが必要になります。
- “w” から “ɜːr” では口を前に突き出して音を出してえいる状態から口を通常の位置へと戻していき、それと同時に舌をひっこめていく。
- “ɜːr” から “d” ではひっこめた舌を前歯の裏まで移動し、舌をはじくと同時に”d”の音を出す、そしてその時に”o”の音を出さない(日本語のド “do” になってはいけない)
こんなに短い単語でも発音初心者にとってはやらなければいけないことがたくさんあります。
単語の発音は30音をマスターしてからするようにしましょう。
電子書籍がない
電子書籍がないのも注意しておきたいところです。個人の好みにもよりますが本になるとかさばるし、持ち運びにくいのでその点が気になる人はアプリがあるのでそっちを使ってみるのも手かもしれません。
発音の練習はおそらく自宅ですると思うのでその場合はあまり問題にならないかもしれません。
アメリカ英語の発音
最後に注意といいますか知っておきたい点は「UDA式30音練習帳」がアメリカ英語の発音をベースにしているということです。
僕は当時どの国に行くか決めていなかったのであまり気にしていませんでした。この本で勉強した後は完全にアメリカ英語で発音するようになっていました。
そしてそのあとにオーストラリアへ留学体験で行ったときに現地の人たちとはそのままアメリカ英語で話しました。結果的に何も問題はなく、むしろ発音がものすごくきれいで何を言っているかすごくわかりやすいと喜んでもらえました。
それからしばらくしてオーストラリアに語学留学をしに行って発音を徐々にオーストラリア発音に変えていきました。このプロセスは意外と簡単で、すぐにオーストラリア英語の発音をみにつけることができました。
大事なことはどうやって発音を学習するかと発音記号の発音方法を知っていることだと思います。それさえわかれば簡単にアメリカ・イギリスさらにオーストラリア英語で発音できるようになります。
勉強方法のアドバイス
ここで発音の勉強をする際のアドバイスを簡単に書いていきたいと思います。
日本人が特に意識するべきこととして:
- 子音だけ発音できるように練習する。これは日本語には存在しないので、多くの人が上手く発音できないポイントでもあると思います。これはネイティブが日本語の発音ができないのと逆の理由です(子音と母音を常に組み合わせなれない)。
- 英語の音と日本語の音は全くの別物です。英語のこの音は日本語で言うと・・・なんてことはありえないので、日本語の音に置き換えて考えないようにしましょう。日本語に置き換えられるようなら大体まちがえた発音になっているといってもいいと思います。
- カタカナは日本語の発音で読む、そしてAlphabetは英語の発音で読む。これは書いてある通りに読むようにするということです。本来カタカナで書いてある英語を正しい英語の発音で読めるはずがありません。逆もしかりでAlphabetを日本語の音で読むことは不可能なはずです。
発音の大切さ
最後に発音に関する僕の経験をみなさんと共有したいと思います。
さきほど少し触れましたが、僕はこの「UDA式30音練習帳」で2か月ほど発音の勉強をして単語はきれいに発音できる状態になっていました。それでも文章はまだ練習が必要で、まだ音をうまくつなげられない状態でした。
それからオーストラリアへ交換留学体験をしに行きました。現地でネイティブの人やさまざまな国から人たちと花っす機会がありましたが、その時にとにかくゆっくりと単語をひとつひとつはっきりと伝えるように話していました。
結果的にそれで僕が話した相手の全ての人は僕の言っていることを一度で理解してくれました。流暢に話したり、文法はひどい有様でしたが、単語を正しく発音するだけで相手はこちらの意図を読み取ってくれました。
他にも交換留学体験に参加した日本人の人たちもいたのですが、理解してもらうのにかなり苦労していました。僕よりも速く話せたり、文法ができる人はたくさんいましたが発音をぜんぜん勉強していなかったせいで相手に理解してもらうのに相当苦労したと聞きました。
実際に外国人の人とはなすと気づく人が多いのですが、日本語訛りの英語は本当に通じません。
はじめにも書きましたが、英語の技能の中で2か月ほどの勉強でこれほど上達させられるのは発音だけでしたし、最もコスパのいい本だったと思います。英語の勉強をやり直したいという人にはぜひ使ってほしい本です。
まとめ
発音のおすすめの参考書として「UDA式30音練習帳」を紹介しました。
この本の良いところと注意するところをまとめると
良い点:
- 発音記号の単音から始まる
- わかりやすいイラストと解説がある
- 確認できるように音源がついている
- 日本語にない音を重点的に学べる
注意する点:
- 単音の練習からすぐに単語の発音練習が始まってしまう
- 電子書籍がないのでアプリのほうがいいかもしれません
- アメリカ英語の発音がベースになっている
僕が実際に使った本で最も効果のあった本ですので、ぜひ発音の参考書としてつかってください。2か月もあればネイティブのような音を自然に出せるようになります。