本質から理解できる3つの【have】を使った文法を使いこなそう

takto, 2020 June 9

Category: 文法を上達させる

“have”を使った英語の文法に悩まされていませんか?

  • 学校で習ったはずなのに思い出せない
  • 1度勉強したけどあやふやなままになっている
  • 実際に英語を読むとどの文法なのかはっきりとわからない

こういった経験をしている人も多いと思います。

文法のための”have”には、おもに3つの使い方があります。

1.“have done something”での完了形「~した」「~したことがある」

2.“have something done”による使役「~してもらう」

3.“have to”「~しないといけない」

この記事ではこれら3つの文法の使い方・意味について解説して、似た表現との本質的な違いについて説明していきます。

その結果

  • “have”の文法を正しく使って文章をつくり、話せる・書ける
  • “have”の文法を使った文章を聞いて・読んで理解できる

ようになります。

それではさっそく見ていきましょう。

目次

3つのhave文法を本質から理解しましょう

“have done something”での完了形「~した」「~したことがある」

“have”を使ったおもな文法の1つが完了形です。

英会話でも読み書きでもよく使われる文法の基礎なのでしっかりとおさらいしていきましょう。

“have”による完了形の構文は

have + done

と、動詞を完了形にしてhaveのあとにつけます。

完了形による意味はおもに以下の2つになります。

  • 完了した状態「(今)~した。(今もその状態にある)」
  • 経験「(今までに)~したことがある」

どちらも今の状態と関係があるということが完了形の文法の本質です。

それではそれぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。

完了した状態としての”have done”

完了した状態というのは、

「過去になにかをして、その状態が今も続いている」

ということです。

たとえば

I have eaten the pudding in the fridge.

(冷蔵庫にあったプリン食べちゃった = already eaten and not there now.)

このように行動(eat)が完了した結果(pudding is not in the fridge)が今も続いている、というときに完了形の文法を使います。

食べたプリンがない状態が今まで続いている

他にもいくつか例文を見てみましょう。

He has broken his arm.

(腕を骨折した = broke his arm in the past and his arm is still broken

My sister hasn’t called me yet.

(まだ電話してきていない = did not call me until now

2つの例文ともに過去になにかをした(しなかった)という点では同じですが、完了形では「その状態が今も続いている」というところが本質的な違いになります。

完了形の文法は以下の表にあるように、さらに過去と未来にも使うことができ、進行形にすることもできます。

時制完了完了進行
現在have donehave been doing
過去had donehad been doing
未来will have donewill have been doing

“done”と”doing”は好きな動詞に変えて使ってください

これらの解説は完了形の解説の記事にまとめて解説したいと思います。

過去から今まで続いているのが完了形です

過去形との使い分け

完了形は過去形と似ているのでどっちを使うべきかわからないときがあると思います。

本質的な違いは↓のとおりです。

  • “did”による過去形は、過去のある時に注目している
  • “have done”による完了形は、過去の行動による今の状態に注目している

以下の2つの文章を比べてみましょう。

  • I finished the job.
  • I have finished the job.

どちらも仕事を終わらせたことを言っていますが、これらの違いを解説すると

I finished the job.

「終わらせたその時」に注目している。

これに対する反応は”When did you finish it?“や”How did you do it?“など

I have finished the job.

「過去に終わらせたこと」よりも「今終わった状態にあること」に焦点をおいている。

これに対する反応は”Okay, can I check it now?“や”Thanks, let’s go home.“など

過去形は何かをしたその時に、完了形は何かをした結果による今の状態に焦点を当てているのが分かると思います。

これが過去形と完了形の本質的な違いです。

この違いを理解したうえで、より自然な使いわけができるように練習していきましょう。

経験としての”have done”

“have done”には「~した経験がある」の意味にもなります。

なぜでしょうか?完了形の本質を見ると理解できます。

完了形の本質的な意味は「~をした結果、今~の状態にある」

別の見方をすれば、

1度なにかをした結果、その経験が今もある

ということになります。それによって完了形が経験の意味をもつ、ということです。

↓の例文を見てみましょう。

I have played basketball.

(バスケをしたことがある = I have experience of basketball bacause I played it before.)

このように1度したことは経験として残るため、完了した行動=経験の意味で使われるということです。

ひとつだけ注意したい点が”have been to”と”have gone to”です。これらは

  • have been to = 経験「行ったことがある」
  • have gone to = 完了「行った・行ったきり」

という明確な違いがあります。

↓の例文で比べてみましょう。

He has been to Australia.

(オーストラリアに行ったことがある = He has experience of going to Australia.)

He has gone to Australia.

(オーストラリアに行ったきり = He went to Australia and not sure what he is doing or where he is now.)

“have been to”は経験なのに対して”have gone to”は完了した状態の意味になっているのが分かると思います。

この違いを理解して正しい言い方をできるように練習していきましょう。

経験は完了したことと本質的につながっています

“have something done”による使役「~してもらう」

2つめの”have”を使った文法が「~してもらう」「~させる」といった意味の使役です。

have something done

というように、何かをさせる目的語(対象)をhaveと完了形の動詞の間にいれて文をつくります。

いくつかの例文を見ていきましょう。

I have my computer fixed.

(PCを直してもらった = I asked someone to fix my computer)

He had his driver’s licence renewed.

(運転免許を更新してもらった = He requested his licence to be renewed, and it was renewed.)

She had her children cleaned up their room.

(子供たちに部屋をかたづけさせた = Her children were told to clean up the room.)

「~させる」というと上から目線で命令しているように聞こえますが、そういった意味ではありません。

どちらかというと何かをお願いして「~してもらう」というのが本質的な意味になっています。

“have”以外にも以下の単語で使役の意味にすることができます。

  • let
  • make
  • get

この中では”get”と”have”がかなり近い・似たような使われ方をします。

“let”と”make”も”have”の代わりになりますが、使い方や意味が少し変わることもありますが本質的には同じです。

これらをまとめた使役の文法についてはまた別の記事にまとめようと思います。

日本語での「~させる」よりもやわらかい意味になります

“have to”「~しないといけない」

“have to”で「~しなければいけない」という意味の文法になります。

これもかなり頻繁に使う文法なのでしっかりと復習しておきましょう。

have toの意味を、おすすめの文法の本である”English Grammar in Use”で調べてみると、以下のように書かれています。

I have to do somethig = it is necessary to do it, I am obliged to do it.

(Source: “Have to and Must”, “English Grammmar in Use)

ようは「~する必要がある」「~する責任がある」といった意味です。

たとえば

I have to work tomorrow.

で「明日働かないといけない。」という意味になります。思わずため息が出ます。

“have to”と”must”の違い

“have to”でなくとも”must”で「~しないといけない」という意味をつくれます。

これら2つに違いがあるのか、以下の2つの場合で解説していきます。

  • 肯定系での”have to”と”must”
  • 否定形での”have to”と”must”

have toとmustの違いをおさえておきましょう

肯定系での”have to”と”must”

肯定系での”have to”と”must”の意味を比べてみましょう。

“have to”:しなければいけない決まりごとや、自分が決めたやらなければいけないことに使う。話し言葉としてよく使われる。

“must”:基本的に同じ意味だが、より書き言葉としてよく使われる。

どちらも話す・書くの両方で使いますが、傾向としては”have to”が会話で”must”が読み書きでよく使われます。

このせいで”must”を会話で使うと以下のような表現に聞こえることもあります。

  • 命令口調
  • 強制性が強い

それでも意味については同じと考えて大丈夫なのですが、過去や未来の文法になると”have to”を使わないといけません。

逆に”have to”ならあまり強く「~しないといけない」というように聞こえることは少ないので、安心して使ってください:)

↓の表に”have to”と”must”の時制とそれぞれの文法をまとめました。

時制have to 文法must 文法
現在have tomust
過去had toX
未来will have toX

“must”には過去形と未来形はないのですが、その意味でも使われます。

たとえば

If you take a drink from the fridge in your room, you must pay for it.

(支払いをしないといけない = you will have to pay for it)

これは未来形ですが、単純に”must”を使うことができます。考えてみると本質的な意味は同じだということが分かると思います。

このあたりの解説は助動詞の記事でするつもりです。

否定形での”have to”と”must”

否定形で使われる”have to”と”must”は意味がまったく違います

“don’t have to”:「~する必要はない」「~しなくてもいい」

“must not”:「~してはいけない」

つまり”don’t have to”=してもしなくても許される、”must not”=したら許されない、という違いです。

これは間違えないようにしないとトラブルになりそうですね・・・しっかりと使う練習をして正しく理解できるようにしましょう。

以下の表にまとめてあるように、否定形でも”must”には過去形と未来形が存在しません。

時制have to 文法must 文法
現在don’t have tomust not
過去didn’t have toX
未来won’t have toX

意味が違うので”must not”を”don’t have to”で言いかえることはできません。ではどうすればいいでしょうか。

同じ意味になるような表現で代用します。たとえば以下のようなものです。

  • was not allowed to / won’t be allowed to
  • was not permitted to / won’t be permitted to
  • was banned to / will be banned to
  • was restricted to / will be restricted to

こういった許可に関する言葉を使う、もしくは”had to do”の”do”を逆の意味の単語にする方法もあります。

たとえば

“We were not allowed to play baseball from 2pm.”

“We had to stop playing baseball at 2pm.

と言いかえることができます。これなら本質的な意味は保たれていますよね。

他にも言い方はありますが、このような表現を使うことで否定形での時制にも対応できます。

まとめ

今回は”have”を使う文法のうち習得しておくべき以下の3つについて解説しました。

  • “have done something”での完了形
  • “have something done”による使役
  • “have to”「~しないといけない」

“have done something”で完了形にするときは

  • 完了した状態としての”have done”
  • 経験としての”have done”

の2つがあり、過去形と違って「今の状態」に焦点があてられています。

“have something done”による使役として使う文法では、「~してもらう」「~させる」という意味を持たせることができます。

“have to”を使うことで「~しないといけない」という”must”と同じような意味をもたせることができます。

ただし以下ようなポイントがあります。

  • “have to”:より話し言葉で使う
  • “must”:より書き言葉で使う
  • “don’t have to”は「~しなくてもいい」(してもしなくてもいい)
  • “must not”は「~してはいけない」(許可されていない)

ここまで読んで疑問が晴れたり、より理解が深まってくれれば幸いです。

ここで紹介した3つの”have”文法はどれも日常的に使われるものなのでしっかりと学習しておきましょう。

これらを実際に会話にとりいれたり、文章を書くことによってより効率的に学んでいけます。

本質を理解すればうまく使いこなせるようになります。

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Takto

セルフィー

海外(オーストラリアとイギリス)在住歴計10年ほどの takto です。ブログを通じて英語の勉強をサポートできればと思っています。

経歴:

  • 大学生の時にTOEIC330点から英語学習を開始
  • オーストラリアの語学学校へ留学・そのあとの大学院留学時にIELTS 6.5達成
  • 大学院修了時にIELTS 7.5達成
  • そのまま現地企業にエンジニアとして就職

プロフィールその1:ブログ主の過去と転換点

プロフィールその2:希望とともに行動に移す

プロフィールその3:絶望的な英語力と上達しないフラストレーション、そして道が開ける


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