比較のための英語の文法を整理して正しく使い分ける。基本が大事。

takto, 2020 June 11

Category: 文法を上達させる

英語の文法で”better”や”larger”などの”-er”を使った比較級を学校で習ったと思います。

大学生や社会人になってからしばらく使わないうちに忘れてしまったという人も多いのではないでしょうか?

この記事では英語の比較級の使い方をおさらいして、基本の文法を整理できるように解説をしていきます。

目次

比較級の基礎から復習していきましょう

比較級の基本

「さらに~である」「~よりも~である」といったなにかと比べるときにつかう文法が比較級です。

比較級を使うための構文は

someone/something + be/do + 比較級 (+ than ~)

でつくります。

比較級は形容詞を変形させたもので、基本的には“~er”といったかたちになります。

たとえば以下のような比較の文をみてみましょう。

He is taller than me.

(彼は自分よりも背が高い。)

比較級をつかう場合は対象となるものや人がいるので、”than ~“のあとにその対象をつけます。

“than ~“の”~“には単語や文章を付けることができます。

いくつかの例文をみてみましょう。

I studied more than I did yesterday.

(昨日したよりも勉強した

English is more difficult than I thought.

(思っていたよりも難しい

Your phone is bigger than mine.

(自分のよりも大きい

会話の中では比べる対象が明確なため”than ~“を省略することもあります。

たとえば以下のような会話では省略しても伝わります。

Hey look, I’ve changed the colour of my hair.

Oh, it looks cooler.

(もっとかっこよく見える = The new hair colour looks better than before.)

このように相手に伝わる(なにと比較しているのかが明確)のであれば”than ~“をつける必要はありません。

比較の文法を思い出してきたでしょうか

比較級のつくり方

いくつかの比較級を例文で使いましたが、ここでどのような法則で比較級をつくるのか解説していきます。

3つのタイプに分類して見ていきます。

  1. 形容詞 + er
  2. more / less + 形容詞
  3. 特殊な比較級

それでは1つずつみていきましょう。

1.形容詞 + erの比較級

形容詞の原型に”er”をつけることで比較級にするタイプです。

このタイプは原型となる形容詞によってスペリングに多少の違いがあります。

その違いを以下の3つに分けてそれぞれ順番に見ていきます。

  • 1.1. 形容詞 + “er”
  • 1.2. “y”で終わる形容詞 + “er”
  • 1.3. “g”, “n”, “t”で終わる短い形容詞 + “er”
1.1. 形容詞 + “er”

単語の最後に”er”をつける、最も基本的なかたちの比較級です。

たとえば以下のようなものですね。

lower / higher

shorter / taller

slower / faster

同じように最後に”er”をつけるタイプの形容詞の比較級をいくつか↓にまとめたので参考にしてください。

+ er の比較級
  • cleaner
  • sweeter
  • softer
  • harder
  • smaller
  • larger
  • wider
  • narrower
  • safer
  • thicker
  • cheaper
1.2. “y”で終わる形容詞 + “er”

もし形容詞が”y”で終わる場合には”y”を”i”にしてから”er”をつけます。

たとえば以下のような形容詞です。

heavy → heavier

easy → easier

healthy → healthier

同じように”y”で終わる形容詞をいくつか↓の表にまとめました。

+ ier の比較級
原型比較級
happyhappier
dirtydirtier
noisynoisier
busybusier
messymessier
saltysaltier
1.3. “g”, “n”, “t”で終わる短い形容詞 + “er”

単語が1つのシラブルでできており、”g”, “n”, “t”で終わる場合には、最後の文字をもう一度つけ足してから”er”をつけます。

たとえば以下の表のような形容詞がこれにあたります。

~ + er の比較級
原型比較級
hothotter
bigbigger
thinthinner

スペルの変化にはいろいろなパターンがあります

2. more / less + 形容詞

比較級をつくる一般的な方法には”more”や”less”を形容詞の前につけるというやり方もあります。

以下のような場合に”more”と”less”を使います。

  • いくつかの短い単語
  • 2つ以上のシラブルからなる単語

短い単語の例を↓の表にしました。

more/less + の比較級(短い単語)
  • shy
  • spicy
  • wet / dry
  • pale
  • sad
  • quiet
  • angry
  • fun
  • tired
  • kind
  • hungry
  • bitter

これらはなぜか”er”をつけて比較級にせずに、”more”か”less”を使います。

中には”er”をつける場合があるものもありますが(quiterなど)、”more”か”less”のほうがネイティブによく使われていると思います。

短い単語の中でもどれに”more”や”less”を使うのかは、とくに決まったルールはないので覚えていくしかないのが少し辛いところですね。

↓の表には長い(シラブルが2つ以上)単語で、かならず”more”と”less”と一緒に使うものをいくつかまとめました。

more/less + の比較級(長い単語)
  • embarassing
  • important
  • significant
  • thrilling
  • exciting
  • nervous
  • intelligent
  • likely / unlikely
  • silent
  • expensive

3. 特殊な比較級

比較級のつくりかたの最後が、”-er”, “more”, “less”を使わない特殊なケースです。

↓の表に単語をまとめました。

特殊な比較級
単語比較級
muchmore
manymore
littleless
goodbetter
badworse
farfurther

これらもルールがないので、そういうものだとして覚える必要があります。

幸い数が少ないので簡単に覚えられると思います。

特殊な比較級のかたちはよく使うものが多いです

どれくらい(程度)+比較級

「~よりも~」といった比較の文法では、「~よりもどの程度~」と言うことがよくありますよね。

英語の文法ではいかのようにして表現します。

  1. someone/something + be/do + 程度の副詞 + 比較級 (+ than ~)
  2. someone/something + be/do + as 形容詞 as + someone/something

1は比較級の前に程度をあらわす副詞をつける方法です。

2は”as ~ as“を使って、「同じくらい~」もしくは「同じくらい~ではない」という意味をつくります。

ひとつづつ見ていきましょう。

程度の副詞 + 比較級

比較級のまえに程度を表す副詞をつけるパターンです。

よく使われる程度や量をあらわす副詞には以下のようなものがあります。

程度副詞
低いany / hardly
低いlittle / a bit / slightly
quite / somewhat / rather
高いa lot / much

程度の違う副詞を組みあわせることで、「~より少しだけ~」「~よりかなり~」といった表現をつくることができます。

いくつかの例文を見てみましょう。

I cannot stay here any longer.

(これ以上ここにいられない = it is my limit)

This exam is slightly easier than the last one.

(前回よりも少しだけ簡単 = little easier)

Your safety is much more important.

(安全のほうがよっぽど大切)

程度の違いを正しく使って比較級の文法を使いこなしていきましょう。

as ~ as ~(対象と同じくらい)

もう1つの比較の文法が”as ~ as ~“という変わった文法です。

これは「比較対象とおなじくらい~」という、同等比較の文法です。

たとえば以下のように文をつくります。

Ramen is as tasty as Sushi, in my opinion.

(ラーメンはは寿司と同じくらいおいしい)

as ~ as で使う形容詞は比較級ではなく原型のまま使うので注意が必要です(例:tastierではなくtasty)。

“as ~ as”については別の記事にて詳しく解説しているのでよかったら読んでみてください。

as ~ as文法の解説とニュアンスについて説明

会話などでも程度をつけることは多いです

その他の比較級の文法

一般的な比較級を使った文法のほかにも例外的な表現があるので、ここで簡単に解説します。

紹介する比較級を使った文法は以下の2つです。

  • ~er and ~er
  • The ~er, the ~er.

~er and ~er

これは同じ比較級を”and”でつなげる文法です。

これによって「変化が持続している」ことを表現できます。

いくつかの例文をみてみましょう。

The weather is getting hotter and hotter every day.

(日に日に暑くなってる = continue to get hotter)

My child has grown bigger and bigger.

(どんどん大きくなっている = continued to grow bigger)

I know more and more people are learning English.

(もっと多くの人が英語の勉強をしている = the number of people learning English is getting larger and larger.)

日本語での「もっともっと~」や「どんどん~」といった表現にあたるのがこの”~er and ~er”の文法です。

the ~er, the ~er

もう1つの特殊な文法が、”The ~er, the ~er.“です。

はじめて見たなら「なんだこれ?」と思うかもしれませんね。

意味は「より~なら、~だ。」という意味です。

“The ~er, the ~er.“のみで文をつくるだけでなく、比較級を修飾することでより詳細な情報をつけることもできます。

いくつかの例文をみていきましょう。

The simple, the better.

(シンプルなほうがいい)

The more expensive a sofa is, the longer you can use it.

(ソファは高ければ、もっと長く使える)

When you watch a movie in a cinema, the longer a movie is, the bigger drink I will need.

(映画が長いほど、大きなドリンクが必要だ)

最も短い”The simple, the better.“の文法は、ようは”If it is simpler, it will be better.“という文と同じです。

いろいろと省略して”the”で置き換えているような感じです。

感覚的には分かりやすいと思うので、あとは会話や読み書きで使っていけば習得できるはずです。

まとめ

今回は英語の文法のひとつである比較級について解説しました。

「より~である」という比較級の文法には基本の型と特殊な型があり、以下のようにまとめることができます。

比較級の基本は”someone/something + be/do + 比較級 (+ than ~)“でつくることができます。

基本的に以下の3つのパターンで形容詞を変化させて比較級にします。

  • 形容詞 + erの比較級
  • more / less + 形容詞
  • 特殊な比較級:まったく違う形になる

さらに、程度を表す副詞をつけ足すことによって「~よりも少しだけ~」や「~よりもかなり~」といった意味をつくることができます。

それ以外にも、「~と同じくらい~」という表現を”as ~ as ~“という文法を使って表現できます。

基本の型とはちがう、その他の比較級の文法には以下の2つがあります。

  • ~er and ~er「より~になっている、継続的に~なっている」
  • the ~er, the ~er「~なほど~である」

比較級には単語の変化や違った文法のパターンが多いので覚えるのが少し大変に感じるかもしれません。

とりあえずは基本の方さえ使えればそうそう困ることはないと思いますので、特殊な文法の表現は余裕が出てきたら勉強するようにしましょう。

比較級の基礎を復習して応用していきましょう

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Takto

セルフィー

海外(オーストラリアとイギリス)在住歴計10年ほどの takto です。ブログを通じて英語の勉強をサポートできればと思っています。

経歴:

  • 大学生の時にTOEIC330点から英語学習を開始
  • オーストラリアの語学学校へ留学・そのあとの大学院留学時にIELTS 6.5達成
  • 大学院修了時にIELTS 7.5達成
  • そのまま現地企業にエンジニアとして就職

プロフィールその1:ブログ主の過去と転換点

プロフィールその2:希望とともに行動に移す

プロフィールその3:絶望的な英語力と上達しないフラストレーション、そして道が開ける


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