英語の文法の中でもわかりにくいものの1つが仮定法です。
「学校で習ったはずなんだけどいまいち思い出せない」
「時制がごっちゃになっていつも混乱する」
という人になるべく短く・簡潔に仮定法の文法のつくりかたと、時制によるパターンを解説しています。
目次
仮定法は「現実とは違うこと」を言うための文法
仮定法は、「もし~だったら~するのに」という現実とは違うことについて言うときに使います。
1つ例文をみてみましょう。
このように現実とは違うことについて、「もしそうだったら、~するのに」といった願望を表現するのが仮定法です。
なぜ仮定法が必要なのか
仮定法が必要になってくるのは
本気で言っているのか、ただの願望なのかわかる
という理由でしょう。
仮定法は使わなくても話す・書くことができますが、ネイティブはこちらに使ってきます。
聞く・読むときに仮定法を知っていれば「ああ、仮定の話ね」と理解してうまく意思疎通できます。
仮定法の文法
通常の”if”を使った仮定文と仮定法の文法を比べるために↓の表にしました。
文法 | 例文 |
---|---|
通常の仮定文(現在) | If I have a car, I will drive every day. |
仮定法(現在) | If I had a car, I would drive every day. |
仮定法(過去) | If I had had a car, I would have drriven every day. |
それぞれの文で動詞である”have”と”drive”の時制が変わっているのが分かると思います。
わかりやすくすると以下のような違いになります。
文法の違いをひとつづつ見ていきましょう。
「もし~なら~する」通常の仮定文
If I do …, I will do …
で構成されるのが通常の仮定文です。。
意味は「もし~なら、~する」という、現実でおこりえることに対しての行動を言うときに使います。
「もし~なら~する」(願望)仮定法・過去
If I did …, I would do …
で構成される文法が仮定法過去です。
意味はできないことやありえないことに対して「もし~なら~する」という願望を表すための文法です。
過去形の文なのに意味は現在になるので注意しましょう。
なぜこんな書き方になるのかというと
「現実ではない、事実ではないこと」を、本来なら間違った文法を使って表現している
というのが僕の解釈です。
それではいくつかの例文をみてみましょう。
このように今現在の願望や「こうだったらよかったのに・・・」というぼやきの意味になっているのが分かると思います。
これらはすべて現在についての心境や行動ですが、動詞や助詞が過去形になるので注意しましょう。
1つ重要なルールとして、”was”を”were”に置きかえないといけない決まりがあります。
文法的にはほかの例と同じく過去形にするのですが、’was”となるところを”were”にします。
例外的なルールなので覚えておきましょう。
「もし~だったなら~していた」仮定法・過去完了
If I had done …, I would have done …
で構成される文法が仮定法・過去完了です。
意味は「もし~だったなら~していた」といった過去についての仮定法(願望)です。
過去完了形を使うことによって、「もし(過去に)~だったら~していた」という過去のことについての願望をいう表現になります。
もうすでに起きてしまったことについての後悔や、そうならなかった場合の願望を言うときなどによく使われます。
それでは例文をいくつかみていきましょう。
過去完了形を使うので文が長くなりがちですね。
過去完了を使っていても意味としてはただの過去形と思って支障はありません。
例文から「もし~だったら」という、すでに終わったことに対しての願望や後悔を表現していることが分かると思います。
まとめ
今回は英語の文法でもわかりにくい仮定法について解説しました。
仮定法は「もし~だったら~するのに」といった、実際に起きなかったことへの願望などを言うための文法です。
仮定法を理解しておくことで、本気で言っているのか、ただの願望なのかわかるというメリットがあります。
“if”を使った通常の仮定の文と仮定法過去・仮定法過去完了の文を比べると以下のようになります。
注意点としては:
- 仮定法・過去は現在についての状況や願望を言っている
- 仮定法・過去完了はすでに終わった過去についての状況や願望を言っている
というところです。
実際の時制とのズレをつくることによって
「現実ではない、事実ではないこと」を、本来なら間違った文法を使って表現している
というのが僕の解釈です。
いずれにせよこのような文法(ルール)でネイティブは英語を使っているので、それに沿って勉強しておきましょう。