こうした疑問や要望にこたえられるように、厳選した10個の単語を紹介していきます。
この記事で紹介する英語の単語は、日本人にとって発音するのが難しい単語であり、なおかつよく聞く・使う単語です。
それぞれの単語で発音が難しい理由と、うまく発音するコツをイラストと音声付きで解説していきます。
記事の内容
単語の発音が難しい理由
英語には数えきれないくらいたくさんの単語がありますが、発音が難しいものとそうでないものがあります。
どういった単語の発音が難しいのかというと、以下の3つの特徴があるかと思います。
- 日本人にとって難しい音が含まれる
- 音の組み合わせで難しくなる
- カタカナ発音に影響されてしまう
日本人にとって難しい音、というのは基本的に日本語の音と大きく違う音です。たとえば【L】【R】【TH】といった子音や【æ】や【ɜ:】といった母音は日本語の音からかなり遠く、発音のしかたも大きく違います。
音の組み合わせによっては発音が難しくなるケースがあります。単語は複数の音がくっついて出来上がっており、その組み合わせによっては口や舌の移動が難しくなります。
普段からカタカナ英語として使っている単語はクセでカタカナ発音をしてしまいがちです。「フード」や「シンプル」といった単語も発音のしかたがかなり違うので難しいと感じます。
学ぶべき発音が難しい単語
発音が難しい単語は山ほどあります。一生英語の勉強をしたい人はいないと思うので、紹介する単語を厳選して書いていきます。
この記事で紹介するのは発音が難しい単語で、かつ
- 普段使う(スピーキングに必要)
- よく出てくる(リスニングに必要)
- 日本人がよく間違えて発音している単語
です。なぜかというと、使わない言葉や頻繁に聞かない言葉を練習してもすぐ忘れるし費用対効果が低いからです。
今回は厳選した10の単語について、難しい原因とうまく発音するコツを紹介していきます。
the
まずは英語において超頻出・重要な【the】ですが、これを「ザ」や「ジ」とカタカナ発音している人があまりにも多いです。
正確には【ðə】もしくは【ði】となり、しっかりと舌先を歯の間に挟んで、引くと同時に摩擦で音を出す必要があります。舌は以下のイラストのような位置までもっていく必要があります。
【ð】の舌の位置:
the【ðə】の発音
the【ðɪ】の発音
that
【the】と同じ理由で【that】を「ザット」とカタカナ発音してしまっている人が多いです。
日本語にはない舌の位置・使い方なので難しい単語ですが、【ðæt】と、【the】と同じように舌を歯で挟んでから発音しないと正しい音は出せません。
さらに【æ】という日本人にとって難しい英語の音が入っています。これは「air」を短く縮めたような音で、口の形を横に広げて「e」、そして縦にあけて「a」と発音する必要があります。
that【ðæt】の発音
really
【really】は相手に聞き返したり反応したりするときに頻繁に使いますが、地味に発音が難しい単語です。
日本人の苦手とする代表的な英語の【r】から始まってさらに混同しやすい【l】の音があるので、2つの音を使いこなせないときれいな発音にはなりません。
【r】は舌を奥にひっこめて先を立てて音をだし、【l】は舌を前歯の裏・歯茎につけて発音します。
【r】の舌の位置と形:
【l】の舌の位置と形:
さらに【r】は声尾を低めに、【l】は高めに音をだすとよりわかりやすい音になります。
reallyの発音
think
英語の「I think ~」でよく使う【think】ですが、これも【TH】の音を「シ」と発音してしまっている人が多いです。
【the】のときと同じように、しっかりと舌を歯の間に挟んでから【TH】=【θ】の音を出すことがきれいな音を出すコツとなります。
【θ】の舌の位置:
thinkの発音
bag
短くて言いやすい単語かと思いきや、「バッグ」と言ってしまうと正しい英語からかなり遠い発音になってしまいます。
さらに「バック」と勘違いして覚えている人もいるので要注意です。
【bag】の発音が難しい原因はずばり【æ】の音と、最後にしっかりと【g】の音を鳴らせない人が多い、という点です。
【æ】は【that】のときのように、口の形を横に広げて「e」、そして縦にあけて「a」と発音する。
そして【g】は舌を口の奥で上あごではじいて音を出します。このときに母音の「ウ」が入って「gu」のようにならないように注意です。
bagの発音
Thursday
予定や日にちを指定するときに曜日を言う必要がありますが、その中でも【Thursday】は発音が難しい単語です。
【Thursday】は発音記号にするとイギリス発音で【ˈθɜːzdei】、アメリカ発音で【ˈθɜːrzdei】となります。最初の【TH】もそうですが、そのあとの【ur】の部分がまた難しいです。
読み方は以下の通りです。
- イギリス発音【ɜ:】:口が自然に開いた状態で舌を少し引いて「ア」になりきらないこもった音を出す
- アメリカ発音【ɜ:r】:【ɜ:】を舌を引っ込めて先を立てた状態で(【r】と同じ要領)音を出す
【ɜ:】の口の形:
【ɜ:r】の口の形と舌の位置:
あとは【TH】をしっかりと発音できれば難しくないはずです。
Thursdayの発音(イギリス)
Thursdayの発音(アメリカ)
travel
英語の会話ではよく旅行の話になります。そこで【travel】という単語を使う場合に【trouble】と間違えられてしまう人が多いです。
カタカナ発音で「トラベル」といってしまうと、【travel】の【v】が【b】となってしまうのが勘違いされる一番の原因です。さらに母音の音も実は違うので、それも聞き間違えられる理由となっています。
発音記号を比べれば違いが一目瞭然です。
- travel: ˈtrævəl
- trouble: ˈtrʌbəl
すでに【bag】でも説明しましたが、【æ】は口の形を横に広げて「e」縦にあけて「a」と連続で発音しますが、【ʌ】は口を少し横に広げて短い「ア」のような音になります。
そして【travel】の【v】はしっかりと歯を下唇の上に置いて、喉を鳴らして音を出します。
【v】の歯の位置:
もう1つ重要な音が【l】です。【travel】は【l】で終わるので、「ル」や「lu」のように母音がつかないようにします。
どうすればできるのかというと、舌を前歯の裏・歯茎につけて【l】を発音するとときに、そのまま舌を話さずに【l】と発音します。舌を離してしまうと「u」の音が生まれやすくなってしまいます。
【l】の舌の位置:
travelの発音
restaurant
続いて紹介する単語は【restaurant】です。難しい音である【r】が2回出てきて、さらにカタカナ発音の「レストラン」に影響されてしまいやすい単語です。
うまく発音するコツとしては以下の2点です。
- 【r】の舌の位置と形を守って発音する
- 【restaurant】の1つめの【t】を、上あごで舌をはじいて発音する
【r】の舌の位置と形:
通常の【t】の舌の位置と形:【restaurant】の場合にはイラストと違って舌を【r】の位置からまっすぐ上に動かしてはじくとうまくいきやすい:
restaurantの発音
通常【t】はもっと前の位置(上の歯茎)で舌をはじきますが、【restaurant】の場合はその前後に【r】の音があります。なので舌を歯茎ではじこうとすると、舌の移動距離が長すぎてきれいに【r】の音とつなげるのが難しくなります。
なので上あごで舌をはじいて発音することで舌の移動距離を短くして対応すれば発音しやすくなります。
probably
【probably】も英語の会話でよく使われる単語ですが、しっかりと発音するのが難しいです。
やはり【r】と【l】が入っていること、さらにアクセントのある母音の【o】を正しく発音できない人が多いです。
きれいに発音するコツは以下の通りです。
- 【pro】の部分は舌を【r】の状態にしたまま発音する
- アクセントの【o】は
- イギリス発音で【ɒ】:口を縦に大きくあけてほぼ「ア」だけど「オ」が混ざったような音をだす
- アメリカ発音で【ɑː】:口を縦に大きくあけてほぼ「ア」の音をだす
- 【l】は2つめの【b】の時にさきに舌を前歯の裏と歯茎に付けておく
発音記号を確認しておきましょう。
- イギリス発音:ˈprɒbəbli
- アメリカ発音:ˈprɑːbəbli
【ɒ】と【ɑː】の口の形:
probablyの発音(イギリス)
probablyの発音(アメリカ)
コツのところで言いましたが、【pro】の部分は舌を【r】の状態にしたまま発音するとやりやすいです。【b】を発音すると同時に舌の力を抜いて【l】に備えます。むやみに舌を動かそうとすると発音が崩れやすいので注意です。
長い単語なので【pro - bably】と2つに分けて、慣れてからつなげて発音したほうがうまくいきやすいです。
international
最後に【international】を紹介します。第二言語として英語を使うといろいろな場面でこの単語を使う機会がありますが、単純に長いので発音するのが難しいです。
このくらいの長さの単語となるとアクセントが2つあるので、その点にも注意して発音する必要があります。
以下のような発音のコツがわかれば【international】がきれいに言えるはずです。
- 【inter - national】で2つに分ける。発音記号は【ˌɪntə】と【ˈnæʃənəl】
- 【ˌɪntə】はアクセントの【ɪ】を口を横に広げて発音し、【ə】は「ア」にならないぼやけた弱い音で発音する
- 【ˈnæʃənəl】はアクセントの【næ】をしっかりと伸ばして発音し、残りは【ʃnl】というように、【ə】は無視するぐらいに発音する
- 【ʃ】は口を前に突き出して歯を閉じた状態で息をはく(下のイラストを参照)
- 【ʃnl】は「lu」というように最後に母音がつかないように注意
【ʃ】の口の形・歯を閉じる:
internationalの発音
まとめ
この記事では僕が厳選した発音が難しい英語の単語を10個紹介しました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 発音が難しい単語というのは以下のいずれかが原因である
- 日本人にとって難しい音が含まれる
- 音の組み合わせで難しくなる
- カタカナ発音に影響されてしまう
- 日本人にとって発音が難しいかつよく使う単語は以下の10個
- the
- that
- really
- think
- bag
- Thursday
- travel
- restaurant
- probably
- international
今回は単語に注目しましたが、母音や音の組み合わせによって難しさが変わってくるのが体感できたかと思います。
下の記事では発音が難しい母音についてと、音の組み合わせについてそれぞれ解説しているので、ぜひ発音練習の参考にしてみてください。
英語の母音は日本語よりも多く、音だけでなく発音の仕方も異なるものが多いです。全て練習するのが一番ですが、今回は最も難しい・重要な母音を5つだけ厳選して、それらの発音のしかたをイラスト付きで解説します。
英語の発音には日本人にとって簡単なものから難しいものまでたくさんあります。発音するのが難しい音だけ手っ取り早く直したいという人へ向けて、7つの音のパターンに集約しました。これらをピンポイントで直していくコツを紹介しているので、すぐに発音を上達させることができるはずです。
英語の発音が難しく感じてしまう理由について網羅的に解説した記事もあるので、原因を特定したい人はぜひ下の記事を読んでみてください。
「英語の発音ができない。」そう言っている人は多くても、なぜできないのかを深く考える人はあまりいません。あきらめているのか、考えるのが面倒なのかはわかりませんが、理由がわからないとその対策もしようがありません。この記事では僕がこれまでの経験から得た6つの理由をシェアしたいと思います。