大人の強みを活かした英語の勉強法について考えてみましょう

takto, 2020 December 18

Category: 英語学習ガイド

  • 大人になってからどう英語の勉強をしていけばいいか知りたい
  • そもそも勉強する時間がない。
  • 大人になってからだと手遅れな気がする
  • また挫折したくない

大人になってから英語の勉強をしようとするといろいろな不安や悩みがつきまといます。学生のころのように学校があれしろこれしろとは言ってこないので何をすればいいのかわからなかったり、そもそも大人になってからでは英語を上達できないのではないかと思ってしまう人もいると思います。

また、大人になるとバイトや仕事もしていると思うので勉強に使える時間が少なく、体力的にも疲れてしまう人が多いです。

僕自身は大学生、そしてそのあとに語学留学をして一気に学んでいったので少し状況が違うかもしれませんが、社会人になった今はほかの勉強をしていて同じような問題をもち、そして思考錯誤して解決してきました。

なので英語学習と大人になってからの勉強の経験を織り交ぜながらどういった心構えを持ち、どう英語の勉強をしていけばいいのかについて書いていきたいと思います。

大人になってからでも遅くない

英語は大人になってからでも学んでいけるし、ちゃんとした発音で流暢に会話をできるようにもなります。

僕自身が大人になってから勉強することで学習できたし、大人には大人の勉強のしかたがあると思っています。

どう勉強していけばいいのかは大人の学習者としての強みと弱みを考えると見えてきます。強みを生かしつつ弱みをカバーできるような勉強のポイントとして以下のように考えをまとめました。

強み
勉強法
論理的思考力ルールやパターンを1度学べば応用することができるので、インプットした知識をアウトプットで使うことを忘れなければ効率よく学習できる。
ベースとなる英語の知識学校で習った英語の知識があるので完全な初心者ではない。知識を使っていく勉強法を実践していけば英語力が伸びる。
一般的な知識や教養世の中の仕組みや一般的な知識があるので、自分の英語力を底上げすることだけに集中する。難しいことでもまずは簡単な英語で表現し、少しづつより高度な表現ができるように勉強する。
経済力自分である程度のお金のコントロールができるので英語学習のための学習環境に投資できる。
弱み
勉強法
恥の意識・プライド大人になると失敗を恥ずかしがったり怖がってしまうものなので、とくに英語のアウトプットがしやすくなるように自分の都合のいいように考える。
限られた自由な時間生活環境や時間の使い方を見直し、勉強のための時間を最大化する。
学校のような勉強をするための環境がない学習効果が高くなる環境を探して習慣として取り入れる。勉強仲間やフィードバックがもらえるような場所、イベント、サービスなどを利用していく。

このように大人になってからだと英語学習の条件が子供の頃とは違います。

大人の強みはでも大きなものは応用力・知識・経済力で、いかに英語学習のために自分の勉強法・生活スタイル・考え方を変えていけるかがカギとなります。

そして恥を感じること、時間や環境が限られていることが英語学習における主な問題点です。強みを生かすと同時にこれらの弱みを克服していけばより効率よく英語を伸ばすことができます。

それでは1つづつ詳しく解説していきます。

大人の強みを活かした英語の勉強法

論理的思考力で知識を応用

大人は論理的にものごとを考えることができるので、ルールやパターンがわかればそれをうまく応用して英語の表現力を増やしていくことができます。

わかりやすい例が文法で、たとえば Subject + Verb + Object という英語の型を学べばそれに沿ってさまざまな文をつくることができます。この場合には何が名詞・動詞・目的語になり、どういった順番で組み合わせればいいのかというルールを理解しているので、すぐに下の表のようにいろいろな言葉を組み合わせて応用して文をつくることができるようになります。

SubjectVerbObject
IDoWater
ItStudyA person
YouBuyFood
This bookSeeThat house
WalkingMoveMy name

これと同じ要領で「なぜ」かがはっきりしていることについては要領よく学んでいくことができます。文法以外でもたとえば以下のようなことを要領よく学べます。

  • 発音:なぜきれいに英語の音を出せるかというと、正しい口や舌の位置・動きを論理的に学べる
  • 単語の語源:「pre-」などは~の前にといった意味があるとわかれば、その法則を利用してある程度の意味を推測できる
  • ライティング:論理展開ができ、文章構成を学べば応用しながらさまざまなトピックについて読みやすく書くことができる

こういった論理的な学びができると、ライティングの構成をスピーキングに応用したりなど、学んだことをさらに他のことに応用できます。

大人は子供のように「これを言ってみて大人の反応から学ぶ」ということに頼り切らずに学んでいけます(独学できる)。なので基本的に学習効率が高いです。

多くの場合には無意識のうちにこの応用力を発揮していますが、意識して学んだことを横展開していく(ライティングの理論をスピーキングへ応用、など)ようにして勉強するとことで上達していくことができます。

ベースとなる英語の知識をもとにアウトプット

大人であればすでに中学高校で英語を学んでいるので、すでに「英語を使う」段階へとシフトしていくことができます。

なので準備運動である基礎(単語や文法)ばかり勉強せずに、アウトプットしていきながら英語を学んでいくことが重要になります。

たとえば知っている単語が中学校で学ぶ1,200語くらいに満たなくても、文法を間違ったとしても誰かと英会話をすることはできます。もちろん日本語で話すのと同じようにはいかないし、言いたいことが言えないことはたくさんあります、しかしそれにかまわず「英文をつくっていく」ことで英語のコミュニケーション力を伸ばしていくことができます。

英語で何かを言う・書こうとすると、頭に入っている英語の知識を引っ張り出してなんとか英文にしようとします。普段から使わない知識(この場合は英単語や文法など)はなかなか記憶から引っ張り出すことができませんが、回数を重ねていくうちに記憶の取り出しやすいところに英語の知識が格納されるので、すばやく英文をつくれるようになっていきます。

要は「慣れる」ということですが、すでにある英語の基礎力でこういった「英文をつくるトレーニング」をはじめていくことでより効率よく英語コミュニケーション力を伸ばすことができます。

一般的な知識や教養をもとに英語力を底上げ

子供の場合は一般的な知識と言語を同時に学ばないといけませんが、大人は言語だけに集中して勉強できます。

これは大人の強みの1つで、子供が知っているようなことはすでに知っているので、それらを「どう表現するか」「どう伝えるか」だけ学べばいいことになります。

たとえば子供が親と話すことについて考えてみましょう。

特徴としては見えている世界がまだ狭く、自分や親、そして目にはいるものごとについて、自分の感情や疑問を言うことが多いかと思います。「I’m hungry. I want to eat something.」とか「Can you buy this toy for me?」とか、試しにそういったことを子供と話すとしたら、簡単な英語だけでコミュニケーションが成立するはずです。

おそらく日本語に訳したり、和英辞書で調べるまでもない単語などで会話ができると思います。

これが英語学習の本質で、いかに自分が使える英語で人とコミュニケーションができるかがポイントです。

逆に大人だからと言って時事問題、ビジネス、歴史に経済などといった話をしようとするとすぐに何も言えなくなってしまったり、日本語から英語に訳そうとしてしまいます。なぜかというとこれらの内容や意味(context)は知っているけどそれを表現するだけの英語力がないからです。

このように日本語で話すときと同じ感覚で話そうとすると、英語の語彙力や文法力が足りずに上手く言葉が出てきません。そして日本語で文をつくってから英語に直す、ということをするようになります。(これが学校で教えている英語で、英語のけど使えない状態です)

もし大人がするような会話をしたいのであれば、あくまで自分が知っている英語で表現し、無理やり日本語から英語に訳すのはやめましょう。そうしている限り英語コミュニケーション力(知っている英語だけで意思疎通する力)な上達しません。

今の自分の英語力から少しづつ底上げして、将来的には日本語で話す感覚で難しいトピックについてもコミュニケーションできるようにレベルアップしていきましょう。

経済力で英語学習に投資

わかりやすい大人の強みは経済力で、それを生かして英語学習に投資していきましょう。

お金を使うにしてもいろいろあり

  • 教材やツール
  • 英語学習サービス
  • 語学学校
  • 留学
  • 学習用施設

などが考えられます。

この中でもスピーキングとライティングに関する投資が重要です。なぜかというと、そうしないとあまり練習しない、そしてフィードバックがもらえないと成長が遅いからです。

たとえばスピーキングはオンライン・オフラインの英会話サービスなどがあるので、そういったものをつかうか英会話教室や交流会のようなものに参加するのもいい方法です。そして学んだ知識を実際に英会話で使ってみて相手にどこが出来ていないか、何を直せばもっとスピーキングが良くなるかを教えてもらいましょう。

同じようにライティングも添削サービスを使って間違いを直したり、より自然な書き方・表現などを教えてもらうようにしましょう。スピーキングと比べて添削は面倒だし難しいので無料だとなかなか探すのが難しいです。ですが個人的にはスピーキングよりもフィードバックが重要なので、お金がない場合にはライティングの添削に投資したほうがいいかなと思います。

こうしたサービス以外にも英語の上達のためにお金を使っていけるのが大人の強みです。

大人の弱みを克服する英語の勉強法

恥の意識・プライドをおさえる

人にもよりますが大人の弱点の1つが恥をかくことを恐れたり、間違うことへの強い抵抗感を持っていることです。

この感覚が常に英語学習の妨げになるので、根底にある考え方を変えていく必要があります。

よくある英語で恥ずかしいと感じてしまうことを考えてみましょう。

  • 発音がうまくないので人に聞かれたくない
  • 人前で文法を間違えるのが恥ずかしい
  • 相手の英語を聞きとれないと申し訳くて自虐的になる

などなど。僕自身も最初は全然英会話ができなくて恥ずかしさも感じていました。どこかで相手に自分のしょぼい英語力を知られたくないとも思っていました。

ですが今になって言えることがいくつかあります。

  • 話さなくてもあなたの雰囲気を見れば大体の英語力がわかる
  • あなたが話し始めた瞬間にあなたの英語力がわかる

ということです。1つめは英語力が低いことを気にしているとそれが自信のなさに現れるためで、2つめは発音や言葉選び、話す速さで一瞬で英語のレベルがわかります。

何が言いたいかというと、話す前から英語ができないことはバレてるので心配するだけムダということです。(これを当時の自分に言い聞かせたいところです)

そしてもう1つ言えることは、英語に自信がない人ほど自分からたくさん話したほうがいい、ということです。

なぜかというと

  • 文法のミスや発音などを通して相手に自分の英語力をわかってもらうため
  • 相手に自分の会話のペースを教えるため
  • 相手が話すことをある程度コントロール・予測できるから
  • 自分が話している限り相手はおとなしくなるから(注:無視して話してくる奴もいる)

といった理由からです。もし相手に主導権を握られたら話のペースが速くなるし、すぐに理解が追いつかなくなってしまい、こちらから話すことができなくなります。

なので間違いや下手な英語は相手に見せてしまったほうがうまくいきます。どうせその人とはいつか会わなくなるので恥ずかしくても大丈夫です。

限られた自由な時間を最大化する

時間がないというのは大人に共通する大きな問題の1つです。なので勉強する時間を最大化できるように生活スタイルを工夫しましょう。

まずは勉強のための時間を捻出する方法ですが

  • 自分が1日に何に時間を使っているのか把握する
  • その中でしなくてもいいことをやめる
  • もしくはやり方を変えて時短する
  • 拘束時間を減らす
  • スキマ時間を有効に使う

といった手順で勉強時間をつくっていきましょう。

たとえば人によっては以下のようなことができると思います。

  • 普段1時間の昼休憩をしているとこを30分文法の勉強に使う
  • 洗濯乾燥中の時間に発音の練習をする
  • シャツを形状記憶のものにしてアイロンがけをしなくて済むようにする
  • 仕事が終わってからだと疲れているなら仕事の前に勉強する
  • 週末は勉強のための時間を確保しておく

これらは僕が実際にやっていることなんですが(英語の勉強でなくブログを書いてますが)、少しづつ自由な時間が増えるようになっていきました。

まずは自分の生活を見直して時間を捻出できないか考えてみましょう。

勉強をするための環境をつくる

勉強時間をつくることと同時に英語学習がしやすい環境をつくることも大切です。

英語学習がはかどるように以下のような点を考えてみましょう。

  • 独学に集中できる場所と時間帯を見つける
  • 一緒に勉強する仲間をもつ
  • 英会話の相手や機会をつくる
  • ライティングの添削サービスを使う
  • 英語で思考しやすくなるように身の回りを英語化する

人によっては一人じゃ勉強に集中できないとか家だとついサボってしまうということもあります。なので図書館やカフェ、有料の学習スペースなどを試してみて自分が生産的になれる環境を探しましょう。

さらに英語を使う機会、とくにフィードバックがもらえるような環境やサービスを利用していくことでうまく学習サイクルが回るようになります。これについては英語学習への投資についてでも触れたとおりです。

英語の勉強で一番気をつけたいことは頭に知識を詰め込んでばかりになってしまうことです。そうではなく常に英語を外に向けて使っていくようにしましょう。そのための環境づくりと言っても過言じゃありません。

必要ならスクールや留学も視野に入れましょう。お金を払ってより短期間で学習するのに向いてます。もちろん常に独学も続けていかないとなかなか思うようには伸びないので、自習はしつつもさらなるスピードアップの手段として使いましょう。

まとめ

この記事では大人がどう英語学習を進めていけばいいのかについて僕の経験をもとにした方法を紹介しました。まとめると以下のようになります。

  • 英語の技能をバランスよく伸ばして応用していく
  • 英語を積極的に使うことで学んでいく
  • 今の英語力から徐々に底上げしていく(子供のような簡単な英語でのコミュニケーションからはじめる)
  • 英語を使う・フィードバックがもらえるように環境をつくる
  • 英語の下手さを相手に見せつけることでより楽にコミュニケーションの練習をできるようにする
  • 生活を見直して必要であれば投資して勉強時間を捻出する

大人になってからでも英語の勉強が遅いということはなく、悲観的にならなくていいことが分かるかと思います。

日本語の習得に必要だった期間と比べれば英語はもっと早くそして効率的に学習できます。大人としての強みを最大限活かした勉強法を意識して勉強していきましょう:)

もし以前にも英語の勉強をしたことがあって、もう1度やり直したいと思っているのであれば、「英語学習の目的と必要性」や「知識重視からスキル重視の勉強法」といったことを意識することで挫折しないように工夫できます。詳しくは下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。

英語学習のやり直しは闇雲にはじめてしまうと失敗や挫折のリスクが高いです。そうならないように、英語の目標と必要性を確かめて、それから今までの知識中心の勉強法からスキル重視の勉強法へとシフトしましょう。

また、英語学習の全体の流れをロードマップにして解説しているので、興味があれば下の記事で勉強のしかたの全体像を見てみてください。

英語学習は長く険しい道のりで、多くの人が成果が出せずに苦悩しています。この記事ではそんな人たちの助けになるように英語の勉強法とロードマップを公開します。オーストラリア・イギリスに計10年住む僕が実践した「海外で暮らし・働くための英語」を手にするための過程と勉強方法です。

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Takto

セルフィー

海外(オーストラリアとイギリス)在住歴計10年ほどの takto です。ブログを通じて英語の勉強をサポートできればと思っています。

経歴:

  • 大学生の時にTOEIC330点から英語学習を開始
  • オーストラリアの語学学校へ留学・そのあとの大学院留学時にIELTS 6.5達成
  • 大学院修了時にIELTS 7.5達成
  • そのまま現地企業にエンジニアとして就職

プロフィールその1:ブログ主の過去と転換点

プロフィールその2:希望とともに行動に移す

プロフィールその3:絶望的な英語力と上達しないフラストレーション、そして道が開ける


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