こういった疑問や自分の発音に自信が持てない人は多いかと思います。
英語と日本語では発音のしかた(口・舌・歯の位置や形)が違うため、単純に「m = ム」とすると日本人以外には通じない音になってしまうことがあります。
なので日本語の音と英語の音はそもそも全くの別物で、音が似ていたとしても全くの別物だと思って1から学ぶことが大切です。
この記事では「m」「n」「ŋ」の3つについて具体的な解説と図で発音のしかたを紹介します。
記事の内容
「m」「n」「ŋ」の発音のしかたと違い
「m」「n」「ŋ」は発音記号で、それぞれ似ているように聞こえますが音の出し方が全く違います。
それぞれの発音のしかた、とくに口と舌の形や位置に気を付けて下の解説と図を使って練習してみてください。
発音記号 | 図と解説 |
---|---|
m |
注意点
|
n |
注意点
|
ŋ |
|
これらが「m」「n」「ŋ」の発音のしかたです。簡単に違いをまとめると
- 「m」:(強めに)口を閉じて音をだす
- 「n」:常に口が開いていて舌が前歯の裏にくる
- 「ŋ」:常に口が開いていて舌の奥が上あご・奥歯にあたる
- 「ン」:「n」と「ŋ」の中間?もしくは舌を前歯の裏よりもおくのほうにつける
ネイティブでもまれに「m」か「n」かこんがらがることがあるので、そういうときは口が閉じているかどうかで判断したりします。なので僕らもそこをアピールして(見えやすくして)発音すればより理解してもらいやすくなるはずです。
サンプルの音声を用意したので、音を確認して自分の発音を修正してみてください。
サンプルの単語 | 音声 |
---|---|
mark ma:rk | |
net net | |
king kiŋ | |
「m」と「n」のもう1つの発音パターン
何度も練習して自然と正しい口の形や舌の位置・動きで音を出せるようになったらもう1つの発音パターンを練習してみましょう。
なぜならこれらの発音のしかたは「m」「n」の音で終わるときにしっかりと発音するためのもので、もし「m」「n」のあとにほかの音を発音する場合には別の発音のしかたで練習するのが効果的だからです。
練習するのは「ə」の音を組み合わせた「mə」と「nə」です。
発音記号 | 図と解説 |
---|---|
mə |
|
nə |
|
「ə」は英語で多用する音なので音と発音のしかたに慣れておきましょう。
これらの発音パターンで練習しておくことで、「m」と「n」のあとの音へとうまくつなげることができるようになります。
単語での練習
「m」「n」「ŋ」の発音のしかたがわかったところでいくつかの単語を使って練習してみましょう。
注意点としては、もし単語の中にしっかりと練習していない発音記号がある場合にはそれらを先に練習しておくことです。そうしないと間違った口や舌の形のまま発音するクセがついてしまいます。
「m」「n」はとくに違いをわかりやすくなるように似た単語で練習していきましょう。
単語 | 発音のコツ |
---|---|
team [ti:m] | 「teaム」にならないように「m」で口が閉じたままにする。(「ɪ i:」発音の記事を参照) |
teen [ti:n] | 「n」で口が開いた状態で舌を前歯の裏につけたままにする。(「t」発音の記事を参照) |
might [maɪt] | 「m」を強めに口を閉じてからはじいて音をだす。 |
night [naɪt] | 「n」で舌をしっかりと前歯の裏につけてから発音する。 |
money [mʌni] | 「m」で強めに口を閉じ「n」でしっかりと舌を前歯の裏につけてからはじく。(「ʌ」発音の記事を参照) |
moon [mu:n] | 「m」の発音パターン2と「n」の発音パターン1の組みあわせ。「m」で口を強めに閉じてから発音するのと「n」で舌が前歯の裏についたままにするのがコツ。(「ʊ u:」発音の記事を参照) |
noon [nu:n] | 「n」を2回とも舌を前歯の裏につけるようにする。最後の「n」では舌をはじかずにつけっぱなしにする |
norm [nɔːrm] | 「n」は舌を前歯につけてからはじく。最後の「m」は強めに口を閉じたまま音をだす。口を開けて「ム」にならないように注意。(「ɔ: ɔ:r」発音の記事を参照) |
sing [siŋ] | 口が開いた状態で「ŋ」で舌の奥を軽くはじく。(「s sh」発音の記事を参照) |
king [kiŋ] | 「sing」と同じ。(「k g」発音の記事参照) |
ring [riŋ] | 「sing」と同じ。(「r l」発音の記事を参照) |
こうして似たような単語で練習してみると「m」「n」「ŋ」の発音のしかたが全く違うということがよくわかると思います。
それぞれの口の状態や舌の動きなどを混同してしまわないように練習すれば、それによる音の違いを段々と認識できるようになっていきます。そうして自分で正しく発音できるようになるとリスニングのときにも聞き分けることができるようになっていきます。
まとめ
この記事では「m」「n」「ŋ」の3つの発音記号の読み方について解説しました。内容をまとめると以下のようになります。
- 「m」
- 口を強めに閉じたまま
- 喉を鳴らして音をだす
- 音は短めでOK
- 「n」
- 口が開いた状態で
- 舌を前歯の裏につけたまま
- 喉を鳴らして音をだす
- 音は短めでOK
- 「ŋ」
- 口が開いた状態で
- 舌の奥を奥歯にあてる
- 軽く舌の奥をはじくようにして音をだす
「m」「n」「ŋ」の読み方が全く違うということ、「ン」とも違うということが良く分かったかと思います。そして何がどう違うのかをしっかりと説明でき、さらに正しく発音することができるようになったかと思います。
まずはこれらの音を自然と正しい発音でできるように(クセになるように)練習していきましょう。そうすればリスニングで音を聞き分けることができるようにもなります。
今回解説した「m」「n」「ŋ」だけでなく他の音も同じように口・舌・歯の使い方を学んで練習することできれいな発音ができるようになります。まずは発音記号をひと通り矯正して、慣れてきたら単語で複数の音をつなげて練習していきましょう。
発音の勉強法については下の記事でまとめているのでよければ読んでみてください。
英語学習でも最も費用対効果が高い発音ですが、まずは発音記号をできるようにし、シラブル・単語・フレーズ・英文と段階的に練習していきましょう。あとは会話で実践しながら調整していけばOK。かなり即効性があり聞き手も喜んで自分の英語を聞いてくれるようになりますよ^^