更新日:2020/09/06
英語の発音を上達させようとする人によくある間違いが「音をマネする」ことです。本当に必要なことは正しい「口・舌・歯」の形や位置をマネすることで、正しい音はその結果として出てくるようになります。
日本語訛りでないきれいな発音をできるようになりたいと思っている人へ、この記事では重要な5つの舌の位置についてわかりやすく図で紹介するので、確認しながら修正していけるようにしています。
- 正しい舌の動きと位置を図を見ながら身につけられる
- 日本語訛りでないきれいな音を出せる
この2点を目標にして練習していきましょう:)
記事の内容
英語の発音における舌の位置
英語の発音における舌の位置には大きく分けて5パターンあります。
まずはこれらをマネできるようになることで、発音の質を大きく改善することができます。
英語の発音における舌の位置5パターンをわかりやすく図で示し、それぞれに対応する発音記号を表にまとめました。同じ色のイラストと解説が対応しています。
日本語と比べてだいぶ違うのがわかるかと思います。この図に示したように5つの舌の位置をマネできれば日本語訛りを直せます。
これらを1つづつさらに解説していくので練習していきしょう。
舌の動きと発音のトレーニング
舌の自然な位置からの動きを練習するために、まずは発音記号1つづつ練習していくのがおすすめです。
冒頭で紹介した舌の位置を示した図と発音記号を1つづつ練習していきましょう。
「θ・ð」の練習
ThemeやTheに使われる音でTHの発音です。
- 前歯で舌の先を挟む(舌先が前歯より前にでてればOK)
- 無声音【θ】(喉を鳴らさない)と有声音【ð】(喉を鳴らす)を練習
日本語には全く無い音で、舌の使い方も日本語には存在しません。普段舌をここまで前に出すこともないと思うので、しっかりと練習していきましょう。
仕上げにサンプルの音を確認して微調整してみてください。
発音記号 | 単語と音声 |
---|---|
θ | theme |
ð | the |
もっと詳しい解説が欲しい、という人は下の記事を参考にしてみてください。
THは日本語にはない音で発音方法も独特です。THを正しい舌の位置で発音、【θ】と【ð】の2種類を使い分ける、THを含む単語を聞き間違いされずに発音する、の3つを目標に発音のコツをシンプルに解説します。
「t・d」の練習
TeaやDayに使われる舌をはじいて出す音です。
- 舌の先のほうをべったりと前歯の裏と上の歯茎につけてキープ
- 舌をはじくと同時に音を出す(無声音【t】と有声音【d】)
【t】と【d】の音を出したあとに母音を発音しないように注意です(「tア」や「dウ」など)。
口を開けた状態での「タ」よりも前の位置で舌をはじけば大丈夫です。
発音記号 | 単語と音声 |
---|---|
t | tea |
d | day |
いまいち出来ていない気がする・・・という人は舌の記事を参考にしてみてください。
「tをうまく発音できない」「tを発音しない場合はどんなとき?」という疑問に答えていきたいと思います。この記事では「tをきれいに発音する方法」「スペルによる発音の違い」「より自然に発音するテクニック」の3つについて解説します。
「tʃ・dʒ」の練習
CheapやJoyに使われる音です。舌の位置だけでなく口の形も重要になります。
- 音を出す前に、まず歯を閉じる
- 口を前に突き出して縦にあける(アヒル口より縦に開く、歯は閉じたまま)
- 舌の先を上の歯茎と前歯の付け根につける。ここまでの状態をまずつくってキープ
- 舌をはじくと同時に音をだす(口と歯は軽くあいた状態へもどす)
「チェック」と日本語で言うときよりも口を前に突き出して縦に大きく開いた状態から舌をはじいて発音する感じです。
気持ち大げさに・わざとらしく口の形をつくるとうまくいきやすいです。
発音記号 | 単語と音声 |
---|---|
tʃ | cheap |
dʒ | joy |
「l」の練習
Lieで使われる【l】の音です。
- 【t】【d】と同じように、舌の先を前歯の裏と上の歯茎につける
- 練習パターン1:この状態をキープして音をだす
- 練習パターン2:この状態から舌を少しはじいて【la】を発音して練習する
コツは舌をさらに前へ前歯よりも先にでるくらいで音を出すことです。そうすると、より【r】と違いが分かりやすい音になります。
日本語の「らりるれろ」は舌をうわあごにつけますが、【l】は舌を前歯の裏と歯茎につけます。
発音記号 | 単語と音声 |
---|---|
l | lie |
「n」の練習
Nineなどに使われる【n】の音です。
- 【t】【d】と同じ位置に舌をつけます(舌の先のほうをべったりと前歯の裏と上の歯茎につける)
- 練習パターン1:その状態で喉を鳴らして発音する
- 練習パターン2:【na】でかるく舌をはじくようにして発音する
日本語の「ん」は舌を使わないので混同しないように注意です。
発音記号 | 単語と音声 |
---|---|
n | nine |
「k・g」の練習
KeyやGuyに使われる【k】と【g】です。
- 口と歯をあけたままで舌の奥を上あごにつける
- 舌をはじくと同時に音をだす
はじく位置は日本語の「カキクケコ」と同じで大丈夫、ただし母音を発音しないように注意です。
発音記号 | 単語と音声 |
---|---|
k | key |
g | guy |
「ŋ」の練習
Kingなどに使われる【ŋ】の音です。
- 口と歯をあけたままで舌の奥を上あごにつける
- のどで「ん」のような音を鳴らすと同時に舌を奥ではじく(【g】と同じ要領)
【ŋ】だけだと少し発音しずらいですが、「ん」のあとに【g】で舌の奥をはじく感じで音をだします。
↓の音声だとあまり【g】の音が聞こえないのですが、気持ちはっきりと【g】を発音しておくとあとあと単語や文章でうまく発音しやすくなります。
発音記号 | 単語と音声 |
---|---|
ŋ | king |
「j」の練習
Yearなどに使われる【j】の音です。
- 口を開けた状態で舌を奥歯にあててキープ
- 練習パターン1:そのまま喉を鳴らして音をだす
- 練習パターン2:舌をはじいて口を開くと同時に【ja】と喉を鳴らして音をだす
日本語の「ヤユヨ」よりも強めに舌を奥歯にあててはじきます。舌の両サイドを押し上げて奥歯にあててからはじく、という感じです。
発音記号 | 単語と音声 |
---|---|
j | year |
「r」の練習
Runで使われる【r】の音です。苦手な人が多いですが舌の位置と形をつくることができればできたも同然です。
- 口を少しすぼめた状態にする
- 舌を奥に引っ込める(このとき舌の先がちょっと立つはず)
- 練習パターン1:この状態をキープして喉を鳴らして音を出す
- 練習パターン2:口を開いて【ra】と発音して練習する
発音記号 | 単語と音声 |
---|---|
r | run |
【l】と【r】の音がわからない・聞き取れない人はこれらの舌と口のパーツの使い方の違いをわかっていないのが理由です。
もっとLとRの発音を練習したい、という人は下の記事を参考にしてください。
英語の【L・R】の発音は舌の位置と声の高さの違いがわかっていないと使い分ける・聞き分けることが困難です。この記事ではLRの違いをはっきりとさせて、自分で正しく発音し、聞き分ける力も伸ばせるように書いています。
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まとめ
今回は英語の発音に必要な舌の位置と動きについて解説しました。内容をまとめると以下のようになります。
- 英語の発音には5つの舌の位置がある
- 舌の動きのトレーニングは発音記号1つづつ行う
- 正しい舌の位置で発音できるようになったら音をつなげて練習していく
本文では舌の位置を重点的に解説しましたが、「口の形」も他の母音や子音の発音には重要な要素となります。とくに今回は触れていない母音の発音で必要となるので、下の記事を参考にしてもらえればコツがつかめるかと思います。
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