英語のリスニングは苦手にしている人も多く、どうやったらできるようになるのか気になるかと思います。
リスニングは英語の基礎を応用したスキルで、聞いて理解するためにはやはり英語の基礎である発音・単語・文法の知識と、実際に英語を聞いて理解する練習が必要になります。
この記事ではそれらをふくめたスキルとテクニックを習得するためのリスニングの勉強法をまとめています。
記事の内容
リスニングを伸ばすための勉強法
英語のリスニングを上達させるための勉強法は主に以下の要領で行いましょう。
- 発音を矯正する
- 英語で単語と文法を勉強して底上げ
- 英語のまま9割は理解できるリスニング教材を使う
- 英会話でリアルな英語を聞く
- 聞き流しによる練習
- イディオムを勉強する
- リスニングに必要なテクニックを身につける
- 重要なポイント(gist)だけ聞きとる
- 予測しながら聞く
これらはリスニングがそもそもできない根本的な原因を取り除くための勉強法で、ひたすらにリスニングをするという方法ではありません。この根本的な原因というのは以下の4つです。
- そもそも聞いている英語が自分には難しすぎる
- 英語の発音ができない:なので何を言っているかわからない
- 単語と文法がわからない:なので何を言ってるかわかるけど、意味が理解できない
- 英語のまま理解できない:なので速すぎてついていけない
これらの理由については別の記事でさらに詳しく解説しているので気になる人は読んでみてください。

英語のリスニングが全くできないのには理由があります。この記事では「聞いている英語が難しすぎる」「発音」「単語と文法」「英語のまま理解できていない」という理由とそれぞれの解決策を書いていきます。
もちろんリスニングの量は大切ですが、リスニングは基礎的な知識やスキルの応用でできているので、それらを勉強しつつリスニングのテクニックを学ぶことで聞きとる力を伸ばしていくというアプローチです。
それでは1つずつ解説していきます。
発音を矯正する
気づいてない人が多いですが、自分で英語を正しく発音できるようになると音を聞き取れるようになります。
なぜなら自分で正しく英語の発音ができるようになると、聞いた音を正しく認識できるようになるからです。逆にカタカナ発音のようになってしまっている人は、聞いている英語がカタカナ発音でない限り正しく音を認識できません。
発音を矯正するステップとして
- 発音記号
- 単語
- フレーズ
- 英文
という順番で矯正と練習をしていきましょう。
それによって1つ1つの音や変化する音についていけるようになり、リスニングができない理由の一段階目である「聞いた音を単語として認識できない」をを解決できるようになります。
さらにこれらの勉強の中で必要になる知識やテクニックなどもあるので、それらも学んでいくことでリスニングとスピーキングでの発音の応用力が高まります。
実際にどうやって発音を勉強していくのかについては、下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。

英語学習でも最も費用対効果が高い発音ですが、まずは発音記号をできるようにし、シラブル・単語・フレーズ・英文と段階的に練習していきましょう。あとは会話で実践しながら調整していけばOK。かなり即効性があり聞き手も喜んで自分の英語を聞いてくれるようになりますよ^^
英語で単語と文法を勉強して底上げ
英語の音を聞いて言葉を認識できるようになったら「英語で」単語と文法を勉強していくことで英語を聞きとり理解できるようになります。
単語と文法は聞いた英語を理解するのに必要なので勉強が必要になるのはわかると思います。そして英語を英語のまま聞いて理解するべきである理由は以下の2点です。
- リスニングで訳していたら速くてついていけない
- 日本語に直すためには翻訳の知識とスキルが必要なので実は難しい
いきなり英語のまま理解すると言われてもできないので、単語と文法の勉強を利用して、基礎力を上げつつ英語のまま理解する思考能力を鍛えていきます。
そして具体的な勉強法が以下の2つです。
シンプルですが3か月ほど続ければもう英語のみで考えることができるようになるはずです。
もちろん単語と文法のそれぞれより詳しい勉強法を紹介しているので、気になる人は下の記事を読んでみてください。

英単語の勉強法は暗記に頼ってもすぐに忘れるし記憶のキャパオーバー起こしてしまい勉強時間をムダにしてしまいます。効率よく英単語と英語力を鍛えるために「ほかの勉強から新しい英単語を見つける」「英英辞書で学ぶ」「英文をつくる」というステップで勉強法を解説します。

英文法の勉強法で大切なのは知識ばかり増やしていないで、学んだ文法を使いまくることです。使える英文法を習得するためには「1冊の参考書」で「アウトプットを重視」して「英語で勉強」するという勉強法がシンプルかつ効果的だということを解説します。
この勉強でリスニングができない理由の2段階目である「聞き取れても意味がわからない」という問題に対応していくことができます。さらに英語のまま理解できるようになれば「話の流れについていけない」問題の解決への布石にもなります。
この段階ではリスニングやほかの勉強と並行して継続的に行っていきましょう。基礎ばかりやっても「使える英語」は手に入りません。
基礎を底上げしており多くの表現を理解できる土台をつくりながらも、それを応用してしっかりとリスニング力を高めていく必要があります。
英語のまま9割は理解できるリスニング教材を使う
9割ほどわかる教材でないと、話についていけなくなり「聞いて理解する」力が伸びにくくなります。
なぜかというと途中でわからないことが1つ2つと出てくると一気に残りのリスニングが難しくなるからです。その結果どうなるかというと
- 「音声を止めてスクリプトを読んで確認」の繰り返しばかり
- 「通しで聞いてリアルタイムで理解する」能力が鍛えられない
身に覚えがある人もいると思いますが、現実ではスクリプトなんてないのでスクリプトを見ずに聞きとれるようになる必要があります。
そのために必要な勉強法は、スクリプトなしで9割ほど理解できる教材を使って、しっかりとリアルタイムで聞きとれるように訓練することです。
残りの1割(聞いてもわからない部分)で、聞きとれない原因を特定して勉強していきましょう。わからないのは単語のせいかもしれないし、発音、文法、スピードや省略表現といったことも考えられます。
この勉強を続けることで9割わかってたものが10割わかるようになり、そして少しレベルを上げて9割から10割を目指して勉強していきます。そうすることで聞きとる力が底上げされてきて、気づけば難易度の高いリスニングもできるようになっています。
もう1つ重要な点が「英語の教材」を使うことです。リスニング音声やスクリプトはもちろん英語でしょうが、たとえば教材に書かれている解説も英語で書かれているものを使いましょう。
なぜかというと、単語と文法の勉強についてでも言ったように、英語を英語のまま理解できるようにならないとリスニングはほぼムリです。そしてそのために必要なのは常に英語で考えることです。
それができるように、日本語は避けてすべて英語の教材を使いましょう。とくに英語学習者向けの教材で、9割は理解できるリスニング教材を使っていれば、解説も易しい英語で書かれているものが多いです。なので思っているほど難しくはありませんし、3か月もすれば自然と英語だけでものごとを考えられるようになっているはずです。
下の記事でレベル別のリスニング教材を紹介しているので参考にしてみてください。

英語のリスニングを着実に上達していくための教材と勉強のしかたについて解説します。今一度自分が使っている教材や勉強法と比べて、改善できるところがないか参考にしてみてください。
英会話でリアルな英語を聞く
目標は人が話す生の英語を聞きとることのはずです。なので実際に英会話でリアルな英語を聞きとる練習をすることで自分の英語力の確認と練習をしましょう。
リアルな英語を聞くメリットは以下の2です。
- 自分のリスニング力の確認
- 人によって違う英語を聞く練習
教材だけでは経験できない対人コミュニケーションがたくさんあるので必ず勉強の一部として取り入れましょう。
英会話の場合には
- 相手の英語を理解しないといけないプレッシャーがある
- 自分が話すことを考える必要がある
- 聞きとれない場合の対処や質問のしかたなどのコミュニケーション力がつく
といったメリットがあります。こういった学習環境をつくるためにも勉強法の一部としてオンライン英会話などで人と話すようにしましょう。
聞き流しによる練習
聞き流しはやり方を間違えなければ効果的なのでリスニングの勉強として効果を発揮します。
ただし聞きとる力というよりは「100%集中せずに聞いて理解する」という能力を鍛えるのに向いてます。
なので必然的に「もし集中したら理解できる英語」に対して「集中力を下げつつ聞きとる」ように練習をすると効果がでてきます。
詳しい聞き流しの効果ややり方については下の記事を参考にしてください。

英語の聞き流しって楽してリスニングを上達できそうで魅力的ですよね。でも実際に効果があるのかというとよくわからないかと思います。僕も英語を聞き流ししてたことがあるんですが、効果があるときとないときがあったので、その両方を紹介していこうと思います。
イディオムを勉強する
単語と文法の勉強と同じように大切なのがイディオムです。なぜなら話し言葉として頻繁に使われるため、知っていれば理解できる確率が高くなるからです。
イディオムは簡単な単語を組み合わせることで様々な意味をつくりだすものです。例えば「take」にくっつける前置詞を変えることで色々な表現ができるようになります。
会話ではスピードが大切で、ネイティブでさえ難しい言葉はすぐには思いつかないものです。あなたが日本語で話すときも同じで、書くときと比べて口語や簡単な言葉を多用するはずです。
幸いイディオムはすでに知っているような簡単な単語の組み合わせだけでもかなりの表現力がつきます。
詳しいイディオムの勉強法は下の記事で解説しています。

英会話ができるようになりたいなら英単語よりもイディオムを勉強したほうがいいです。この記事では独学でも進めていけるように、優先すべきイディオムや勉強法について詳しく解説していきます。
リスニングに必要なテクニックを身につける
英語のリスニングにはテクニックも必要になります。とくに重要なものとして以下の2つをできるように練習しましょう。
- 重要なポイント(gist)だけ聞きとる
- 予測しながら聞く
1つずつ説明していきます。
重要なポイント(gist)だけ聞きとる
リスニングでは話の重要なポイントだけを汲みとり、残りは捨てるという聞き方をするとリスニング力が向上します。
リスニングの目的は内容を理解することで、聞いたことを一語一句覚えることではありません。そして話し言葉にはほとんどの場合に必要のない言葉がたくさん含まれます。
たとえば会話では言うことを考えているときにも「hmm」とか「let me think…」などの言葉をつかったり、「I don’t really know what I should say, but you know, I guess it’s kinda hard to explain but I could put it this way…」などなんの意味もない言葉がたくさん含まれます。
しかし会話の内容を要約すると10%くらいの量でまとめることができたりします。なので聞きとった言葉を瞬時に取り捨て選択していくテクニックを身につけ、要点「gist」を取り込めるように練習してく必要があります。
下の記事ではどのようにしてリスニングで取り捨てをして重要なポイントのみをとらえるかについて書いています。勉強の参考にしてみてください。

英会話のリスニングにも慣れてきたけど、最近はなかなか上達しないという人もいると思います。そんな人におすすめしたいリスニングのコツが会話を「予測」する方法です。英語の上級者はあるキーワードや話の流れから次に相手が言うことをある程度予測しながら聞いています。ここで紹介する先読みの方法をぜひ試してみてください。
予測しながら聞く
「予測しながら聞く」というテクニックを身につけることがリスニング力の大きな向上につながります。
日本語での会話で経験があるかと思いますが、相手が話す前に何を言ってくるかがわかる(予測できる)ときがあると思います。英語でも同じことができるように意識して練習していきましょう。
予測には
- リスニングを始める前
- 聞いている間
の2種類があります。
「リスニングを始める前」には「何について」のリスニングをするのかや「誰が」「どういったことについて」話すのかをあらかじめ考えておくということです。
「聞いている間」は話の内容からどういったことについて話すかを予測しながら聞くということです。
どうリスニングで予測すればいいかについては下の記事でさらに詳しく解説しているので参考にしてみてください。

英会話のリスニングにも慣れてきたけど、最近はなかなか上達しないという人もいると思います。そんな人におすすめしたいリスニングのコツが会話を「予測」する方法です。英語の上級者はあるキーワードや話の流れから次に相手が言うことをある程度予測しながら聞いています。ここで紹介する先読みの方法をぜひ試してみてください。
まとめ
今回はリスニングの勉強法について解説していきました。内容をまとめると
- まずは発音を矯正して音を聞きとれるようにする
- 英語で単語と文法を勉強して基礎を底上げして英語のまま理解できる土台をつくる
- 英語のまま9割は理解できるリスニング教材で「聞いて理解するスキル」を高める
- 英会話でリアルな英語を聞いて実戦練習する
- 聞き流しによる練習で集中せずに聞き取れるレベルを上げる
- イディオムを勉強して口語に対応する
- リスニングの「取り捨て」と「予測」のテクニックをみにつける
リスニングの勉強として
- ひたすらに問題集をやる
- とにかく聞き流しする
- 映画やドラマを使う
という人が多いですが、根本的なリスニングができない原因を解決できない上に、難しすぎて聞いていても「聞いて理解するスキル」が上達しません。
そうならないように勉強法をしっかりと考え直して、試行錯誤しながら学習を進めていきましょう。
その他のコツやアドバイスなどは下の記事で書いているので、とくに初心者の人は読んでみると参考になるかと思います。

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